見出し画像

【感想・要約】となりの億万長者

2021年1月末読了。サブタイトルである資産を築く上での7つの法則は下記の通りです。

 1.支出のコントロール

2.資産形成のための、時間、エネルギー、お金の配分

3.世間体を気にしないこと

4.親からの経済援助に頼らないこと

5.子供たちの経済的自立

6.ビジネスチャンスをつかむ

7.時代にマッチした職業に就く

全8章で構成されており、1章目で本書の全体像をみせ、となりの億万長者(=身近で隣人が実は億万長者であったりする)の実情を紹介している。基本的には本書はアメリカにおける億万長者(資産総額100万ドル以上)を指している。一部参考になるように、国内の億万長者の状況も考察したいと思う。(NRI調査データ;野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2020/201221_1.pdf)

【億万長者ってどれくらいいるの?】

純資産額100万ドル以上を持つ億万長者は、2020年の最新のデータで、1900万人。すべて世帯主とし考えると、総世帯数1億2246万に対して15.5%。(出典:Global Wealth Report 2020)全米の15%もの人がミリオネアであるということを考えると驚異的である。

一方、国内に目を向けてみると、下記画像のような分布となっており、133万世帯が億万長者となる。総世帯数5402万世帯に対して2.4%。(出典:野村総合研究所データ)

画像1

【蓄財優等生・蓄財劣等生】

本書の基本的な考え方は、年収の過多ではなく、蓄財の得手不得手を指摘しているところである。同じ年齢層・所得層で、どれくらいの資産を築いているか、上位25%を蓄財優等生、下位25%を蓄財劣等生と呼んでいる。優等生と劣等生の消費・投資・生活様式の対比を皮肉的に記しているのが本書の大枠となっている。劣等生が悪い、優等生が良いという話ではなく、消費や投資、生活様式の部分というのは小さい頃からの行動によって形成されるもので、180度一気に転換するのは非常に難しい。

【蓄財優等生・蓄財劣等生の消費性向の違い】

本書では、大きな金額が動くことになる、車・時計・スーツそして住宅の4点について蓄財優等生と蓄財劣等生で違いがあることを述べている。まず、スーツ、時計について、億万長者の半数は399$(=約4.4万円)以下のスーツしか買ったことがない。時計についても、半数は235$(=2.5万円)以下の腕時計しか買ったことがない。逆に収入が多いが、見栄を張ったり、職業柄身なりを整える必要がある人は所謂、”蓄財劣等生”の分類になる傾向が強く、その蓄財劣等生はスーツ、時計ともに億万長者のそれと比にならない金額を費やしている。

次に、車について。これは蓄財優等生に特にフォーカスしており、車の買い方を「中古・新車×比較検討の度合い」の4通りで調べている。「新車×特定のディーラー」「新車×ディーラーの比較検討」「中古×特定のディーラー」「中古×ディーラーの比較」もちろん、最後に挙げたものが、最も金額が小さいことは分かると思う。

【投資についての考え方】

蓄財優等生は投資について学ぶことについてお金をかけること、そして時間をかけることを惜しまない。その一方で蓄財劣等生は仕事の忙しさを言い訳にし、投資に時間を掛けなかったり一切の投資をしなかったりする。

【親の経済的援助と億万長者】

億万長者というと、親からの相続によって生まれた時点で、億万長者に決まっているというように考えてしまう。しかし実際は億万長者の子供は億万長者にならない可能性の方が高くなる。「我が子は目に入れても痛くない」という言葉があるように、蓄財優等生で自身の節制ができる人でも、自分の子供に対してはどうしても甘やかしてしまうケースが多い。しかし、甘やかされて育った子供は悲惨な状況になることが多い。親からの支援は永続ではない。社会に出て自分の収入でいざ暮らそうとすると今まで親の資金に頼り、高い生活水準に慣れてしまうとどうしても蓄財することはできない。要は小さい頃から甘やかされてしまうと”お金を遣うことに慣れてしまう”のである。


【感想】

最後に、本書を読んだ感想をまとまる。人それぞれの考え方はあると思うが、億万長者とは、第1に倹約、倹約、倹約を重ね、見栄を決して張らずに、自分を律することだと分かった。億万長者になることが幸せなのかどうかは一旦おいておくが、億万長者が経済的自立を果たしていることは議論の余地がないと思う。また経済的自立を果たした時に、自身の将来や経済情勢、仕事に対して極端に不安やネガティブな気持ちを抱くことは少ないだろう。自分の人生の方向性を考えさせられる非常にいい著書であった。これはどんな人にでもオススメしたい良著である。特に自分と同じ若い人たちにはぜひ読んでもらいたい本である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?