でこぼこなパズル

胸の底を満たした梅の香に
どうしようもなく泣きたくなった
私が幸せになっても不幸になっても
きっとこの香は何も変わらない

「幸せ」に形なんてない
まるで見本のないパズルのように
次々出てくるピースを型にはめては
出来上がった歪な答えを壊してしまいたくなる
ワガママだね
人間らしいなと思う

幼い頃遊んだパズルには見本があった
そこに描かれていた海の絵は
どこまでも遠く広がっているような気がして
前へ前へ進んでいけば
いつか太陽まで歩いていけるって
そう信じていた

正解って残酷だ
一度目に焼き付いてしまったら
見なかったことに出来ないもの
いっそ知らなければ 何も見なければ
梅雨の意味を知ることはなかったんだ

私のパズルはきっと歪だね
何かを成し遂げたわけでも
真っ直ぐな信念があるわけでもない
いつも中途半端で 弱くて
店で売ってたのと大違いだ

でもね
私を満たしてくれたピースはあったんだよ
だから私は今日も
でこぼこな穴に合わないピースを重ね続ける
いつか いつの日か
完成させたいから