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普通の「好き」が知りたい

定期的にそういう気持ちに襲われる。
私は普通の恋愛ができない。今のところ。
この場合の「普通」は私を除いた世間一般でいうところの、という意味。
友人とも家族ともセックスフレンドとも違う「恋人」という概念が分からない。誰かに「恋人になってほしい」と思うという感情自体が私には分からない。

この前、後輩の恋愛相談にのっていた。
終始「相談相手は私でいいのか?」と思っていたしそう伝えけれど、彼女は「自分とは違う視点の意見が欲しい」と言ってくれたから、出来る限り自分の中での似た経験なんかを引っ張り出しながら色々と話した…つもり。私だけでなくて色んな人にも相談していたみたいだったから、たくさんの意見の中にひとつだけこんなヤツ(私)の意見が混じっていてもいいかなとか、若干無責任かもだけどそう思っている。

彼女の話を聞いていて、突き放すでも切り離すつもりでもなくてただ純粋に、私の知らない世界で彼女や彼女の周りの人達は生きているんだなぁとか思ってしまった。そういう悩みもこの世には存在するんだなというレベルで彼女が教えてくれる体験談は私にとって未知の世界で、彼女に対して失礼かもしれないがそれがすごく面白かったし勉強になった。興味深かった。

それと同時に、彼女が羨ましかった。
何をやっていても手につかないくらい四六時中相手のことを考えてしまうという彼女はとても可愛かった。そう想える彼女のことも、それだけ想われる相手のことも、同じくらい私は羨ましかった。

みんなが当たり前に出来ることが私には出来ない。違う、本当は「みんな」じゃなくて出来る人も出来ない人も同時に存在しているって本当は分かっているし、それが出来ない分代わりに私に出来ていることもあってトントンだっていうのも分かっているし、普段はこんなこと考えないでいられるのに、今は気持ちの整理がつかない。
誰かを好きになって、その人が特別になって、互いに責任を負うことを認めて、最初は口約束のパートナー契約だけどそのうち法律に認められた関係になったりもしてって、何それすごすぎん?みんなすごいことしてるって自覚ないん?すごいことだよ、偉業だよ。
みんなが当たり前のように持ってるそのきらきらの感情が眩しいし羨ましい。教えられなくてもそれが そう だとみんなが知っているのが不思議でならない。私だけ分かんない。置いてけぼりみたいに。私もそれ、持ってみたいよ。


ああ、吐き出した。
所詮ないものねだりなの、分かってる。
何かが欠けてる分、その代わりの何かを私は持ってる。何物にも替え難い大切な人は私にもいる、そのことは間違いないんだから。
あれもそれも欲しいは欲張りってもんです。
冷静なわたしもちゃんといる一方で、今夜は感情的なわたしが暴れたがっていたので従ってみました。そういう日もあるよね。

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