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水戸巡検のまとめ~自分で企画した巡検~(4)成果と課題

(3) 当日の様子 からの続き

今回の巡検を振り返って、私なりに感じた成果と課題を以下にまとめる。

参加者もそれぞれ関心は違えども、少なくとも一定の満足度はあったのだろうと思う。私が事前準備で投資した時間と労力分は回収できたかと思う。

ただ、偕楽園の梅の開花状況を考えるのであればもう少し遅くても良かったかもしれない。咲き始めの時期であり、満開ではなかった。ただ、帰省する人が増えると参加率が下がるおそれもあるので2月下旬および3月の実施は慎重になるところはある。

また、今回の巡検では1年生の参加者がいなかった。1年生の参加を認めないつもりはなかったし、来てほしいなと思っていた1年生もいる。単に日程が合わなかったのか、私が企画したから敬遠されたのか、春旅行(伊豆大島)や運転練習会と日程が前後していたからなのか(日程重複はしていないけれど)。個人的には残念なところもある。

しかし、参加人数が少なかったことから現地での柔軟な予定調整・変更などができた側面もある。昼食場所の自由度も高い(これが仮に10人で行くとなると気軽に入れないこともある)。参加人数も重要なポイントである。

先述したが、今回は20 kmほど歩いた。地理愛好会の巡検・旅行ではレンタカーや公共交通機関での移動も多いことを考えると、歩く距離はかなり長いほうである。授業での野外実験・実習の類よりも歩いたという声も聞いた。時には歩く巡検も入れても良いだろう。なお、このような歩く巡検を行う場合は、都心をフィールドとする巡検のほうが郊外や農村よりも長距離を歩くことへの抵抗は小さいようであった。疲労による抵抗も考えると、午前中郊外、午後都心としたのは良かったかもしれない。

今回のように幹事が企画・事前準備・現地解説を行う形式の巡検では、幹事の負担が大きい。今後このような形式の巡検が実際に行われるのかどうかも疑問ではある。しかし、このような形式では事前準備の作業量の多さと引き換えに、幹事の自由度は大きく、幹事の好きなテーマでできる。だから今回の巡検は都市地理学的なテーマに特化されている。

しかし、多くの分野のトピックを入れることが多い通常の巡検・旅行(例えば鹿行では鹿島神宮、神栖の工業、鉾田の農業などを混ぜ込んでいる)とは別に、特定の分野に特化した巡検を継続的に行えれば、巡検の内容の多様化にもつながるだろう。結果として、地理愛好会の活動の多様化にもつながるだろうと思われる。そのためにも、都市地理学以外の分野に関心がある方も含めて、積極的に巡検を企画し実行していただければと思う。