【第3回】👘わふくアカデミー動画コース「TWC2023（特別編）の振り返り」👘

2023年12月1日 23:53

ぷろとです。

前回（第2回）の記事はこちらから。

さて今回は第3回にして特別編、「TWC2023を振り返ろう」ということで、実際にどんな撮影をしていたのかを振り返っていこうと思います。

TWC2023とは？

2023年11月4日（土）と5日（日）に東京都豊島区池袋で行われるストリートカルチャーを一同に集めた祭典『TOSHIMA STREET FES 2023』のサイドイベントとして開催されるweb3カンファレンスです。

web3分野で活躍するプレイヤーたちが結集し、わたしたちが置かれている「現在地」と「未来のビジョン」について語るトークセッションイベントとなっています。

WAFUKU Labs公式HPより引用

11:05〜8つのセッションが行われ、著名な方々が講演してくださいました。

その中で、撮影班として参加した私はどのような行動をしていたのか、というのが今回の動画コース第3回の内容です。

3つの撮影

カンファレンス自体の撮影（アーカイブ用）
TSFes自体の撮影（池袋西口公園、中池袋公園）
登壇者へのインタビュー

大きく分けてこの3つの撮影をしていました。

機材を決める上で重要視したこと

今回機材の選定において、重点においたことは3つあります。

3重化収録
4KHDRのPV収録
音声・映像共に別素材で同時収録

映像系配線図

まずカメラですが、定点カメラ（動かさない）、1Sや2Sなどヨリで撮影することができるカメラを1台用意しました。

次に、ISO収録（個別収録）できるスイッチャーにSSDを接続し収録。
この時点で、以下通り収録ができています。
1. 2カメ体制にすることで、収録は途絶えない
2. カメラ本体に2枚のSDカードでバックアップ収録（2枚とも同時収録し、どちらかが落ちてもいいようにしている）
3. SSDでSWのPGM（画面の映像を取り切っている方を収録）
4. ISO収録で2カメ分の素材を個別収録

配線図だけ見ても「なんじゃこりゃ」となる方のために、分けて考えることできるようにしました。
・赤丸とオレンジ丸は、カメラ
・黄色はスイッチャー
・青丸はスイッチャーのコントロール関係（LAN）
・緑丸はモニター関係
・白丸は収録デバイス

音声系配線図

こちらも同様に、個別収録や予備回線で収録が途切れないようにしています。※実際の現場は冒頭機材トラブルにより、カメラ収録になってしまいました…..が、これも組んでいなければできなかったことです。

ステージに登壇する複数本のマイクを個別で収録したいな、と考えた時、設備にIOボックスがあることがわかりました。（IOボックスとは、Input、Outputが1つになっているユニット）

Audinate社が開発するDanteという規格で、LANケーブル1本で128ch以上音声を伝送することができるという素晴らしい規格です。現在はライブPAさんやライブハウス、放送局などさまざまなところで利用されています。
メーカーが違っても信号の送受をすることができるというメリットがあります。

さて、ではなぜこのDanteを使う必要があるのか。ということについては、音響の歴史を遡らずにはいられません。

アナログ機材は重くて設置が大変

デジタル機材が出てくる前はアナログの音響機材を使っていました。たった数本の声を収録するのにも、大きな重たいミキサーを3人、それ以上の人数でよっこらしょ、と運び、特にバンドのようにたくさん楽器があるときには必要なチャンネル（ギター1、ベース1、バスドラム1、バスドラム2、スネア1、スネア2といった感じ）が大量にあるため、小さなミキサーを使うといった選択肢はありませんでした。必然的に大型ミキサーを使うか、小型のミキサーを無理やり大量に組み合わせて使っていました。

ミキサーだけでなく、ケーブルや周辺機器が大量に必要になるため、大荷物になることは容易に想像ができると思います。当然コンサート会場やフェス会場などの場合は広いため、ステージからミキサーまで大量のケーブルを引っ張る、またはマルチケーブルと呼ばれる、「一応1本あたり8chだったり16chだったりする」とんでもなく重たいケーブルをその距離分引っ張る（100mとか200mとか）必要がありました。

そんなとき、デジタルの技術が進歩し、ケーブル1本で複数のチャンネルを送ることができるようになりました。なんて画期的だこと。そのデジタルの技術がさらに進歩し、1本あたり2chしか送れなかったものが、LANケーブル1本あたり128chも送れるようになった、というわけです。

Danteについてはこちらから。

そのDanteは1本あたり複数のチャンネルを伝送するだけでなく、片方のLANケーブルが切れたりして通信が途切れることになったとしても、もう1本で伝送して途切れさせないようにするという「Primary/Secondary」という機能があります。（つまりIOボックス(Input Outputが1つになった機材)に2本LANケーブルを挿すということです）

これを、ネットワークスイッチで分岐し、PC、オーディオインターフェースにPrimary回線、Secondary回線をそれぞれ入力します。これで、2重化ができました。

下手の端子盤から、設備側の方からアナログ回線（XLRキャノンケーブル）でもらうことができました。これをオーディオインターフェースに入れます。
もう1方のUR22は予備回線です。
Danteが両方使えなかった場合、オーディオインターフェースでオールMixしたものを収録します。

音声系配線図も、映像系と同じように分けて考えることができます。

複数の出演者のマイクをI/O BOX「Rio1608-D2」に入力する
LANケーブルで収録ブースまで送る
スイッチングハブ（NETGEAR）で分配
インターフェースユニット（Red4Pre）、PC（M1 Mac）にLANケーブルを入力
インターフェースユニット（Red4Pre）の出力を予備のインターフェースへ
予備のPC（Intel Mac）へ入力

上の図の通り、音声系はこんな感じで収録していました。右の方にあるマイク「MKH416」とZOOM F4は完全に予備の予備です。
本命のM1Macが壊れて止まった、予備のIntel Macも壊れて止まった、という時の最悪の状態でも音声を残せる、といった感じです。

肩に担いだカメラ

カンファレンスの合間をぬって、カメラを担いでブースなどの収録に行きました。撮影目的はPVの撮影です。

写真はあくまで動画の一部ですが、担ぎのカメラで撮影した動画です。

オーストラリアのメーカー「Blackmagic Design」社のシネマカメラ、
Blackmagic Design Pocket Cinema Camera 4Kというカメラです。
マイクロフォーサーズ対応のレンズで撮影をしました。

さて、上の画像を見るとわかりますが正直「ゴツい」ですね。
ただ今回に限ってはただのハンディでいいわけでもなく、必要なことがいくつかありました。

途中でバッテリー交換をしない
途中でSSD、SDカードなど記録媒体を交換しない
肩に担いで撮影をしたい（普段から慣れているため）
内蔵カメラマイクではなく、音声も同時に個別収録する
カメラ、モニター、照明を同時に電源供給をする

これらを達成するために、カメラに「リグ」を取り付けて、周辺機器をねじ止めします。
このカメラは手ブレ補正機能がありません。肩に担いで撮影したのは編集時に可能な限りスタビライズしてせっかくいい画角で撮った素材を編集によって減らしたくないと考えたからです。

バッテリー、記録媒体を交換しない、というのは撮影場所が複数あったこともあります。
今回のTSFesは池袋西口公園と中池袋公園両方の撮影をする必要がありました。移動時間も当然かかります。ただでさえ重いバッテリーを複数持ち移動するのはなかなか辛い、というのと動き回ることによる記録媒体の紛失・交換のリスクをなるべく減らしたい、というのもあります。

肩に担ぎながらモニターを見ることができ、音声はミキサーに収録できます。しかしあくまでここは「これを当日はやっていました」、という紹介のお話。

わふくアカデミー動画コースは一眼レフやミラーレスカメラを持ってない人でも動画に関われる機会を作るきっかけになってほしいと願っています。

そこでお手持ちの「iphone」で動画を撮影できるツールを紹介します。（回し者ではありません）

気軽にiphoneで撮影できながら、上記のシネマカメラとUIは一緒。
F値やホワイトバランスなど、本来一眼やミラーレスでなければ設定することができないことをスマホでも細かく設定できるようになりました。

メタデータとしてもその情報が残り、かつ画質もApple ProResで撮影でき撮影向きのフォーマットにもなります。

身近にカメラを感じることができ、かつ高画質で編集を始めることができる。ここがとても魅力的だなと思いました。カメラを今まで持ったことがない人も、このアプリから「カメラをはじめてみる」というのもいいでしょう。

肩に担いで撮影するのも慣れているので楽には楽ですが、ただ肩担ぎでは「カメラをひっくり返すほどのアクティブな撮影」や大きくカメラを動かす撮影はできません。スマホサイズではこれらが簡単にできることで、トランジション点の作り方やより魅力的に動画を撮影することができます。

上記の素材のように動かす必要のないところはこれで撮影し、アクティブな動きをする動画を撮影したい時は、このアプリを使う、というのもアリかもしれません。

カメラの使い方がわからなくても、このアプリから「この機能なんだろう？」と重い調べるだけでも十分知識の向上につながります。少しずつ情報をアップデートしていきましょう。

わふくアカデミーの講義は、わふくジェネのDiscord内の「喫茶わふく」から定期的に参加できます。費用はかかりません。この記事から動画に興味を持っていただけたら、嬉しいです。

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