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ジェット機が圧縮空気で飛んでいるのは陰謀論?

Twitterでジェット機の燃料に関する情報が流れてきました。

ジェット機の翼の中は空気?

ツイートの内容は、「ジェット燃料の詐欺」と題して、飛行機の翼の中には液体燃料ではなく気体(空気)が入っているというもの。圧縮空気で飛んでいる。Air (空気) と書かれている指摘です。

それに対して陰謀論に反応する方が
「その根拠が給油車にairと書いてあるからで笑う」というニュアンスのツイートをして1万以上のいいねでバズっています。
どうやら給油車の社名が「air」と名の付く会社のようです。

この動画の発信者はもしかしたらわざとairのところを指摘して着目させることで(ただの社名という明らかな嘘を混ぜる)、air以外の根拠から目をそらせているのかもしれません。

しかし冒頭のairだから翼の中は空気だ、というシェア動画のツイートのツリーを見ていくと、下記のような内容に出会います。

ツリーには上記のような具体的な内容もシェアされており、こちらはある方が引用ツイートしたものです。
エアバスA380の燃料タンク容量は32万ℓ。つまり2万リットルのタンクローリーが16台必要。
これを見た方も、薄い翼に16台分の燃料を補給できるタンクが見当たらないというような指摘をしています。こちらの方が液体燃料ではない根拠として強い理由です。

陰謀論だと指摘した方も、給油車の社名のair以外のこういった根拠のことは記載していません。

元の動画作成者が真実の中に明らかな嘘を混ぜて誘ったものなのかは分かりませんが、反論する方も粗探しをして対立関係となり、人間同士で攻撃し合う仕組みがまだ続いています。
ひとつ嘘を見つけたら全部ウソ、もしくはひとつ正しければ全部正しい、といった思考になる方がいるように、まだまだそういったツイートに流される方も多いです。
嘘はすぐにバレる時代にはなっていることもわかりますが、頭ごなしに否定や賛成するのではなく、冷静に情報を見て、その中から本当のことと嘘のことを見分けていき、本当のことと感じる部分を拾ってピースを集め続けていくことが大切だと思います。


燃料も使うし圧縮空気も使うのでは

ジェット機は圧縮空気で飛んでいるのでは?という指摘は、以前ご紹介したShuさんの動画の中にもあります。
Shuさんの動画を拝見して、ジェット機は
燃料も(少しは)使うし、圧縮空気も使って推力を得ている(らしい)
という仮説に私はしっくりきています。

今まで情報を集めてきたように
機体を浮かす力に関しては音などの周波数や渦の力、電気的な力などが関係していると思いますが、
機体を前へと押し進む推力は圧縮空気の力も利用している可能性は高そうに感じています。


ジェットエンジンの燃料問題(Shuさんの考察)

ここで以前紹介させていただいたShuさんの考察の記事を再度載せます。この中にも「圧縮空気」のワードは出てきていますし、Twitterの情報よりも具体的に考察されています。

・ほとんどの旅客機は主翼に燃料タンクがあるとされている。エアバスA380の燃料タンクは323525リットル=260トン。タンクローリー16台分の燃料を翼に搭載。

・323525リットルの燃料を、下からの給油ノズルで45分で満タンにするらしい。
オリンピック競技用プールは巨大なホースを使って2500000リットルを4日かけて満水にする。この巨大ホースでもエアバスA380分の燃料分をプールにためるのに450分かかる。
→細いホースで45分で満タンにするのは無理があるのでは?

・航空燃料は揮発性が高いため密閉されている。sugarGTではノズル2本でひとつから燃料を入れ、ひとつから空気を抜く仕組み。しかし航空機の給油は1本。

競泳プールで使う巨大ホースで323525リットルは450分かかるという比較を出してくれているように、まずどう考えてもあの細いホースで45分で323525リットルの給油は不可能でしょう
空港での給油シーンは、離陸時など必要な分だけの少量の液体燃料を給油している可能性はあると思います。もしくはすでに燃料は別途積んでおり、このホースでは他のものを補給している可能性もあります。

ジェットエンジン内はタービンに入らない空気は90%に達し(バイパスされる)、バイパスされる圧縮空気が9割の推力を生み出している(らしい)
燃料ほとんど使っていない疑惑
(→飛行機代はほぼ燃料代。燃油サーチャージ代とは?)

冒頭のTwitterの指摘と重なる部分があるように、ここです。
ジェットエンジンからバイパスされる圧縮空気が9割の推力を生み出しているらしいというもの。
飛行機以外で考えれば、圧縮空気を利用したものは鉄道車両のドアなどの自動開閉装置、空気ブレーキ、原動機など、空気を圧縮して得られる力は重い塊を動かす力を持っています

空気圧縮のため熱くない
→ジェットエンジンの仕組みは圧縮空気を燃焼して「高温」のジェット排気の反力=推進力で飛行する、と表では言われている
→しかしジェット排気の風で飛ばされるのを楽しむ人たちの動画が存在(排気が熱くないのでは?)

セントマーチン島マホビーチという場所で、ジェット排気により飛ばされる動画はこちら↓です。

実際に動画を見ても飛行機とかなりの至近距離でジェット排気の風を浴びて人がバタバタと飛ばされています。その風が「高温」とは思えません。


これらのことから、
ジェット機は圧縮空気で推力を得て飛んでいる(前へ進んでいる)こともおそらく事実であろうし、
燃料も離着陸時などは使用すると考えた方が自然のような気がします。
給油の話が出ましたので、次回は飛行機の給油のことを書いていこうと思います。

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ジェットエンジンの燃料問題など(Shuさんの考察)

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