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経済小説『きみのお金は誰のため』が描く、投資の真髄とは?

「投資の目的は、お金を増やすことだとばかり思っていました。そこまで社会のことを考えていませんでした。大切なのは、どんな社会にしたいのかってことなんですね」 苦笑いで恥ずかしさを隠す彼女に、ボスが優しく声をかける。 「そう思ってくれたんやったら、僕も話した甲斐があったわ。株価が上がるか下がるかをあてて喜んでいる間は、投資家としては三流や。それに、投資しているのはお金だけやない。さっきの2人は、もっと大事なものを投資しているんや」 ボスは七海と優斗を順に見つめてから、ゆっくりと続けた。 「それは、彼らの若い時間や」 『きみのお金は誰のため』152ページより

お金ではなく「若い時間」を投資する

私が先日上梓した経済教養小説『きみのお金は誰のため』では、投資銀行で働く七海が、投資への誤解を反省するシーンがある。

残念だが、現在の日本の投資教育を受けていると、「投資=お金を増やすこと」だとインプットされる。
投資の実態を知らなければ、「投資される側」に回ろうとする発想も浮かばない。
働けなくなった高齢者が投資をしてお金を増やそうとするのはわかるが、問題を解決するために「投資してもらう側」になるべき若者に、アメリカ株への投資を教えることがいかに馬鹿げているかは明らかだろう。
小説に書いたように、お金ではなく「若い時間」を投資することが重要なのだ。
もちろんお金が余っているのなら、「投資する側」に回るのもいいだろう。
しかし、「投資される側」の存在を教えていないのは危機的状況だ。

おすすめの本です!

読む前と読んだあとではお金に対するイメージがカラッと変わりました!
お金とは、を根本的に教えてくれる本です。


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