怪物の息子たち、と。

3人芝居、怪物の息子たち観劇してきました。

怪物の息子たちのあらすじを見た時、YouTubeで冒頭の動画を見た時、これは私だと思った。

というか、あまりにも状況が私。

北海道の蟹が取れる港町で父親の葬儀をあげてから2ヶ月。
父の死との向き合い方というか、マジで向き合えるレベルじゃないくらい現在進行形でやばい事が起こりすぎてて憔悴真っ只中の今だからこそ見る理由が最大限にあると思って見に行った。


あの親の血が自分にも流れてると思うことの嫌悪観。
陸久が血の繋がった子供を残したくないと言った理由。
なんかもうそうなんだよほんとに!!!

私は同じ名字すら嫌で会社の人にも下の名前で呼んでくださいってお願いしてる。


でも一緒に過ごしたこと、大学まで行かせてもらったこと、父親に与えてもらったものも色々ある。
それを思い出して感情グチャグチャになりながら90分見続けたし、少しずつ自分の気持ちの整理をしていった90分でもあった。

こういう見方は失礼なのかもしれないけど自分の中で何かが動いてほしいと思ってチケット握りしめて観に行ったから気持ちの収穫が大きくて良かった。


なんか自分の傷自分でえぐりに言った自覚はある。でも最後は負けないって思えた。
あのクソ父の子だから私だって最後まで戦える。
クソな親に迷惑かけられたけど、なんならまだかけられ続けてるけど負けてやんねーからなって気持ちで終わった。

3人1度もはけずに1時間半、凄かった。
どんな感じでやるんだろうと思ったけど沢山の人間を3人でどんどん演じていくスタイル面白すぎる。気持ちは前のめりで見てたし、所々現実思い出して具合悪くなってた。夢中でした。
回想を重ねながら少しずつわかっていく真実と、思いがけない展開と、与えられたものに号泣。


【三兄弟それぞれに思ったこと】

○蒼空のこと
父親のいちばん近くにいて、見てきたからこその複雑な感情があるんだなと思った。
殺したいと思った気持ちはわかる、私も殺そうと思ったことあるから。でも殺せなかった。
理由は同じ。

○陸久のこと
陸久の言葉の一つ一つにわかる!ってなった。父親への気持ちとか、ふざけんなとかそういう。
怒りとか嫌悪とか、そういうのがストレートに出ていて、自分の感情の消化になった。
憎んでたけど憧れもあった、それは間違いじゃないんだと思う。

○宇海のこと
宇海の叫びが痛かった。刺さりすぎて泣いた。
もうずっと泣いてた。
二度と顔見たくないのに見舞いに来た理由聞かれて自分でも分かんないって答えがあまりにも分かりすぎて苦しくなった。

蒼空、陸久、宇海、全員にわかるよと言いたくなる場面があって、そこに自分を重ねるようにして見てた。

【キャストさん】

☆崎山つばささん
瞳が鋭い、笑った顔がとても素敵。
どの人間を演じていても違って見えるから、舞台に出ずっぱりで役が変わって行く様子がめちゃくちゃ楽しかった。
人生が沢山見えました。


☆安西慎太郎さん
私はあなたのお芝居のファンです。
表現が客席のどこにいてもぶつかってくるから逃げられなくていつも身構えながら見てます。気抜いたら鳩尾に入りそう。
息が出来なくなる程の熱さを劇場で見られてよかったです。

☆田村心くん
どうしてそんなに素敵なんですか……
心くんの叫びが今も頭の中に残ってて泣きそうになる。
心くんの口から出るセリフ一つ一つが私の宝物。
ニコニコしてるイメージが大きいから今回の舞台色々な顔が見られてすごく楽しかったです。







友達から「とうとう題材になったか」と言われるくらい状況が一致してた舞台。

パパ、見てますか。一生許さないと思ってたけどこの舞台に免じて50年後くらいになったら許してやらなくもない。

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