歌詞考察 Amber編


私は邦ロックが大好きだ。その中でも回りくどい、分かりにくい言い回しをした歌詞が綴られた曲が大好きだ。


なぜなら文章に強制されることなく自分の中で歌の中の雰囲気を、世界観を完成させることができるから。


完全に自己満足ではあるが、私が思う歌詞考察を、私の中の歌の世界観をnoteに書きだしてみようと思う。

記念すべき第1弾は、私が大大大好きなsumikaというバンドのAmberという楽曲だ。


この曲は2015年に発売された"Vital Apartment."というミニアルバムに収録されている。


明るいポップなサウンドに対して、どこか踏み切れない切なさを持った歌詞が対極となってそのギャップが心地よい。


ATTiC ROOM PARTYで行われたリクエスト募集で見事勝ち進み、披露に至ったほど、ファンの間では人気の高い楽曲だ。(この時に披露されたアコーステック版について語りたい気持ちでいっぱいだが今は我慢しておこう。)

ATTiCROOM…sumikaのオフィシャルFCサイト
ATTiCROOMPARTY…2021年2月に行われたFCオンラインライブ


しかしながらそもそも"Amber"が何なのか明言されておらず、ファンの間ではさまざまな説が飛び交っている。

未だ解明されていないAmber問題において、1つの説としてわたしの解釈を楽しんでいただけるとありがたい。

1.Amberについて

Amberをネットや辞書で検索すると

 Amber
1) こはく(琥珀)(宝石に用いる黄褐色の鉱石) 2) こはく色 3) こはく製の 4) こはく色の
引用: https://tokoton-eitango.com/eitango/detail/amber


といった検索がヒットする。では、タイトルや歌詞に出てくるAmberは琥珀なのか?というと多分そうではない。

「多く塗りすぎたAmberを薄く伸ばして微笑むの」
といった歌詞にAmber=琥珀 をそのまま当てはめてしまうと、ちょっとおかしな文章が出来上がってしまう。

つまり、片岡健太が考えるAmberはそのような単純明快な意味ではないということだ。彼を侮っては行けない。

ではAmberは一体何なのか?



結論から言うと私は”香水”だと考える。



なぜなら、DOLCE&GABBANAやLOEWEなどの香水でアンバーという文字が使われているのを目にしたからだ。



(ここで用いられるアンバーはアンバーグリスというマッコウクジラから採取される香料のことらしい。https://felice-kaori.com/article/33357)


そして、どうやら調べたところこのアンバーを使った香水は力強さと色っぽさを兼ね備えた香りが特徴的らしい。


おっと?


官能的な年上女性に振り回される歌詞の世界観にぴったりじゃないか!!!!!!!!!!
なんてこった!!!!!!


ということでわたしの中のAmber像が無事確立したのだ。


なのでここからはAmber=香水として歌詞解釈を進めていこう。


2.歌詞解釈


やれやれやっと本題だぜ。

ここから私が考えるAmberの世界観を、英文の翻訳のように行なおうと思う。
(私が頭の中でくりひろげる世界観なので解釈違いや間違いもあると思うがこういう意見もあるんだなという様に捉えて下さると有難いです。)

Saturday
鮮やかに揺れた
髪の奥に動く黒がふたつ
僕を覗き込むそれは
この世のものとは
思えないのさ
二つ年上の君だから
浅はかなこの想いなどは
見抜いてしまうような気がして
ひたむきに嘘を重ねたよ
でもなんで
収まらなくて
期待したって
辛いだけだ

読み取れることとしては、二歳年上の女性に片思いをしている主人公くん。

なんとか気持ちがバレないように自分の気持ち押し殺して、嘘を重ねている。

しかしながら、彼女とワンチャンないかな?という期待は捨てられない。

ここからはわたしの想像だが、
"髪の奥に動く黒がふたつ〜思えないのさ"の歌詞は首筋に塗った香水が相まって彼女の魅力がなんとも魅力的だ。という意味だと思う。
こう考える理由は後から回収する。


多く塗りすぎたアンバーを
薄く伸ばして微笑むの
そんな何気ない仕草が
僕の瞼の裏で落ち着かない
君を思い出す度にほら
外に出たいとざわめくの
僕の中の嘘つき猛獣が
今夜も僕を落ち着けない
今夜も僕を落ち着けない

先程、アンバー=香水なのではないか?と自信満々に記したが多分そうではないと私は考える。



は?お前すぐ意見変えんじゃん。


正確にいうと"そうではない"、ではなく"それだけではない。"が正しいな

アンバー=香水かつ琥珀なのではないか?

【琥珀=今から3500万年以上も前の松柏科植物(マツ、スギ、ヒノキ)の樹液が流れ出し化石化したもの。樹液が硬化する際に花粉や 木片、コケや空気、昆虫や葉っぱなどが閉じこめられると、死骸がとてもよい状態で保存されることがある。】


つまり長年の時間をかけてモノを閉じ込めているのが琥珀だとすると、、、この歌詞の中にも閉じ込められているものがあるジャン!!!


主人公くんの想いだ…


つまり2つ年上の女性は、多く塗りすぎた香水(アンバーの香り)を薄くのばす魅力的な仕草によって、封じ込めていた主人公の想いも解き放(琥珀を薄くのばす)しているのではないか!!!!?



なんて素晴らしいダブルミーニングなんだ!!!!!?(※自己解釈)


"僕の中の嘘つき猛獣"というフレーズについてはあとから回収しますのでちょっとまってね。

Monday
となりで働く
いつもの君が
纏っていない香り
君が吸わない煙草の
香りがしたら
君からしたら

かわいそうな主人公くん。
会ってない日曜日に2つ年上の彼女が喫煙者の男性と関係を持っていることに気がついてしまう。

(ここで煙草の匂いという嗅覚的な観点が使われていることから、アンバー=香水という解釈は間違っていないのかもと思ったりする)


仕事も手につかないのさ
どこの誰の移り香なのさ
おじさんが電車の中で
君の身体に馴染ませたものだって
分かっているって
今日の僕は騙すのが下手だ

かわいそうな主人公くん。現実を受け入れられない。

多く塗りすぎたアンバーを
薄く伸ばして微笑むの
その微笑みは誰のものなの
気になり僕を落ち着けない
君を思い出す度にほら
ココが痛いとざわめくの
胸の少し下の痛みが
今夜も僕を落ち着けない
今夜も僕を落ち着けない


"胸の少し下の痛みで 今夜も僕は落ち着かない"


じゃなくて


"胸の少し下の痛みが 今夜も僕を落ち着けない"


となっているのがまさに片岡健太ワールドだ。



主語が胸の下の痛みなのだ。つまり、主人公くんの本体は胸の下にいる。


琥珀に閉じ込められている
浅はかな僕の猛獣は
現在を壊す勇気などなく
名ばかりのものとなりました


やっとですね。



私が大好きなCメロでございます。



皆様、"琥珀"という文字をじっくりご覧ください。

何か閉じ込められていません、、、、、???


そう、、そうなんです。


虎という漢字が琥珀には閉じ込められています。

つまり、閉じ込められている猛獣=虎 なんですよ。


ハーーーーーーーーー!!!!!!

片岡健太の漢字遊び、好きぃぃぃぃぃぃ!!!!


琥珀(重ねられた嘘)に閉じ込められている虎(主人公くんの本体)は、殻を破ることができなかった。

でもだって仕方ないって
「黒」を見つめて言えるはずもない

"鮮やかに揺れた髪の奥に 動く黒が2つ
僕を覗き込むそれは この世のものとは思えないのさ"


というフレーズが1Aに登場するのだが、「黒」は覗き込むことができる。

かつ見つめることができるもの。なので、黒は瞳だと私は解釈する。



今までの解釈から導くと
香水=アンバー=琥珀=虎
の方程式が成り立つので、彼女の首筋には虎が宿っているのではないかというのがわたしの意見だ。


多く塗りすぎたアンバーを
薄く伸ばして微笑むの
そんな無防備な姿は
誰の前でも見せるものなのかい

君を思い出す度にほら
僕だけの記憶が暴れるの
こんなに僕だけの君がいるのに

今夜も僕を落ち着けない
今夜も希望を捨て去れないんだよ

3.まとめ

二つ年上の女性に片想いするもなかなか勇気を出せず踏み込めない主人公くんというパーソナリティの中に、アンバーというトリガーが入ることで琥珀、虎、香水といったさまざまな事象がイコールで繋がっていく所に魅力と才能と感動が止まらない。片岡健太あっぱれだ!

しかしながら、この曲がしっとりバラードだったらここまでのめり込んでいない。

どこか疾走感があって焦りを感じつつも、明るく振る舞おうとする主人公くんの気持ちが伝わるポップなサウンドとの対比があるからこそ、この曲の魅力が極限まで発散しているのではないだろうか。


総じてsumika、サイコーである。

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