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李白をラノベとして読む

カクヨムから移植〜

長干行。ラノベでしょう(本気)

幼馴染みでお医者さんゴッコから結婚してツンデレ発動、超デレだぞ。

後、李白は酒飲みの歌がいい。めっちゃいい。権威や学識とは無縁の解釈、賛同者が無くても書くからな。
…では、長干行妄想全開で行くで!
基本的な訳文はどっかで探してくれぃっ!

普通の長干行翻訳とか
https://kanshi.roudokus.com/CyoKanKo.html


妾髮初覆額
折花門前劇
郎騎竹馬來
 私の髪が初めて額を覆った時…出会いは幼少期だ。未来の旦那は竹にたてがみ付けて馬に見立てた「竹馬」でそこら走り回ってたクソガキ様だ。幼馴染み設定をドローして場にタップだ!

遶牀弄青梅
同居長干里
兩小無嫌猜
 はいここ、ポイント。色々説があるが、ベッドもしくは井戸の辺りで「青梅」を弄び…青梅って何だぁっ!(迫力)
 世間ではここを「おままごと」などと訳出したり、遊んでもらったと解釈してるが、後段では旦那が生活のイニシアチブを握り当人は少し引っ込み思案というか、ツンデレのツンが出ている様な描写がある。押韻規則により梅になったと見ることも出来るが、青梅…若い梅…これお医者さんゴッコ的な一種性的なもの含む遊びの隠喩でねーの? いやらしさより微笑ましさが出るよーな。
 で、そんなんしながら二人は仲良し。当然の如く結ばれる。

十四為君婦
羞顏未嘗開
低頭向暗壁
千喚不一回
 数え年で14歳だから現代で言う中1で結婚。恥ずかしくて難しい顔して、暗い壁に向かって項垂れてた…
 恥ずかしいってナニが恥ずかしいのか。ただ壁では無くなぜ暗い壁なのか。青梅に反応した感性を研ぎ澄まし、よーくよく考えてみよう…これ、初夜とか閨房での話では無くて?
 なんぼ昔の中国だゆーてもそういう事はあまり変わるまい。恥ずかしいものは恥ずかしいだろうし、13とかじゃ胸も尻も少女以前のつるぺたではあるまいかー? ロリ新妻さんは身体に自信がないから「恥ずかしい」、布団に誘われても恥ずかしくてYes/No枕がNoのままの鉄壁ディフェンス。ツン期である。千回呼んでも振り向きもしない。ここで青梅が性的なものだった設定が生きる! 小さい頃は割とそーゆーのも平気だったのに…旦那さん側からしたら「なんでぇ〜?!」ではあるまいかー。

十五始展眉
願同塵與灰
常存抱柱信
豈上望夫臺
 デレました(早い) 1年を経てようやく新妻さんの眉間のシワが取れ、二人は愛し愛される仲に。この一年の間に竹馬で走り回ってたクソガキ様だった旦那さんがロリ新妻さんの為に何をしたか、どんな風に接したかで小編が1発書けるぐらいのドラマがありそうじゃないか! 相手との約束守る為に死んでも構わないとか、かなり過激に愛してますなぁ。ちょっと現代的感覚ではヤンデレ要素に見えるが、当時はそういうのが美徳とされてた時代なんね。

十六君遠行
瞿塘灩澦堆
五月不可觸
猿鳴天上哀
門前遲行跡
一一生綠苔
苔深不能掃
落葉秋風早
 さぁ、ドラマの時間だ! 結婚2年目、数えで15歳の新妻置いて旦那が出張でござる。昨年からもー愛し愛され恋しくて堪らん新妻さんは寝ても覚めても悲しみます。ご飯装って、はぁ…庭を掃き掃除して、はぁ…何見ても思うのは旦那氏の事ばかり。一方の旦那も新婚だっちゅーになんでやーぐらいの勢いで旅路を急いでる事でしょう。

八月蝴蝶來
雙飛西園草
感此傷妾心
坐愁紅顏老
 病んできてます(断言) 二羽で飛ぶ蝶々の姿見て寂しく思う…ああ、私の(若い)紅顔が老いていくのが悲しい…

新妻さん、まだ15くらいなんですが(困惑)

  日本だとまだ淫行条例に引っかかる年齢で老いって…恋する乙女は無敵じゃのーっ! 5月に灩澦堆の話してるから8月段階ではまだ3〜4ヶ月。結婚1年目のツン期とは一体何だったのか。何したら1年でこんなにデレるのか。旦那氏の苦労や工夫に想いを馳せたらジャンプで一年連載行けるね!

早晩下三巴
預將書報家
相迎不道遠
直至長風沙
 恋する新妻は無敵だ。三巴を降る頃にお手紙頂戴と。お迎えに上がるのに遠いなんて言いません……もうこの段階で村の出口とか生っちょろい話でない事は分かるわけですが、せめて長風沙まで…なまら遠い事は自明だけどどんくらい遠いかは分かりませんな。船や歩きで南京近くから長風沙まで…なんと距離にして

『350km!』

 フゴッ!
 東京駅からキリンビール名古屋工場までが大体この距離だ。新妻さんの気合いの程が知れますな。この部分で母を訪ねて三千里クラスの4クールアニメが出来ますな。さあ、出発だ! 今、日が昇る♪
好きにも程があるだろ新妻氏…


幼馴染み
お医者さんゴッコ
結婚からのツンデレ→ヤンデレ
旦那迎えに350km

 1000年以上の時を超えてやって来る詩仙 李白のラノベ展開。つうか「〜行」って調べに載せて歌う流行歌なんで、そらまぁなんつーか大衆文芸的な部分も多いんだけど…全部漢字とか詩仙なんて言葉に騙されてなんか壮大稀有な情景描いてると勘違いされがち。意外と市井の人々の普通?の生活も描いてるんだよね。

 尚、ちうごく古代の賢人である孔子=サンも「好きで好きでたまんねーなら1000里の距離がナンボのモンじゃい! 恋しかったら遠いとか文句垂れる前に歩き出しとるわボケェ!」的な事を言っている。

「唐棣之華,偏其反而;豈不爾思?室是遠而」。子曰:「未之思也,夫何遠之有?」
 唐棣(とうてい)の華(はな)、偏として其れ反せり。豈(あに)爾(なんじ)を思わざらんや。室(しつ)是れ遠ければなり。
 子曰わく、未だ之を思わざるなり。夫れ何の遠きことか之れ有らん。
(論語 子罕第九 三十一より)

昔っから中国の好きあった連中は健脚だ。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!