キメラハンター(最終回)

前回と最終話の間に大体25〜6話の連載があり、10話ぐらいで中だるみがあったが、無事最終回を迎えた。いやぁ26話目のクロマティックドラゴンとの対決は書き上げるのつかれたなぁ。(韜晦)

「神……だと? そいつは天の上に居るんじゃなかったか?」
「神と言うのは君たちの造語だ。造物主《クリエイター》と言うのが正しい呼称だろう。そして彼らは遠い昔に星界へ旅立った。その記憶が天上の神というイメージになったと推測される。私は残されたインターフェイスに過ぎない」
「能書きはいい。何故人間は魔法を使わずにキメラ化出来ないんだ? 何か阻害要因があるのか?」

「調整済み、だからである」

「なんだそりゃあ?」
「君たちの歴史に、神は人間と似た形をしていたとなかったか?」
「似姿として云々という一節か?」
「伝わっていたか、ならば話は早い。諸君はこの大地に生息する様々な生き物を寄せ集めて造物主に似せたキメラなのだ。その様に調整され自己増殖機能を組み込んだ結果として、諸君はもうこれ以上自己進化できぬ」
「進化?」
「形を変えて環境に対応出来ぬという事よ。造物主はその依代がミューテーションするのを嫌ったのだ。ミューテーションが発生すると君たちは基本的に病で死ぬ。

話を元に戻そう。君は魔法的にキメラに更なる他の要素を追加した。難しい話は省略するが、ここから新たに新要素を足したキメラとして安定する為には全ての要素を分解して新たなバランスで調整せねばならぬ。つまり、新しい種となる。特に掛け合わせに注意を払った訳でも無さそうだが、シミュレーションでは「なんとなく」君たちの種の面影は残した姿にはなるだろう」
「人間では無くなるのか?」
「それを何と呼ぶかは君次第だ。造物主の記録の中では諸君は二足歩行型のギスの第4世代と呼ばれており、3世代目を自ら駆逐している。5世代目の君がどうするかは君次第だ」
「俺は……」
「どうするね。私はどちらでも良い」
「俺は……」
「どうするね、キメラよ」
「違う、俺は!」
「君を含めた全ての人間は、キメラなのだ。これは歴史的事実だ」
「……人間なんだ……」
「何と呼んでも構わない。呼び名は単なる符丁だ。ただ、事実として君たちはキメラなのだ。新たな種がまた人間を名乗っても私の知るところではない。どうするね、ニンゲンよ」




 これが、ヒトの言う「魔王」の起源である。

【The End】

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!