創作メモ

「えん」のケリの方の構造思いついた。

覚玄が水利上流部の村を救う。また風呂広めて人が死ににくくなる。
生き延びた人らを生かす為に田畑作り、そちらに水が必要になる。
下流域で水が不足→飢餓発生(ここで恨みが発生)
恨みに妖怪が呼応。覚玄を襲う。

しかし一切ビビリもせず、覚玄は三度妖怪に帰依を求める。妖怪だって救われる。なんならウチの兄ィが救われた……妖怪は
「1.仏に降った天部衆dis」
あのクソ忌々しい天部の野郎か、あの腰抜けどもめ!
「2.ありがたいお経をdis」
経で救われるなら、今すぐお経とやらで俺を追い払ってみろ!
「3.お釈迦様をdis」
くたばった人間如きに妖怪様が負けるかよぅ!

かちん。

「お前の比じゃない大妖怪が、仏様に降ったんだよぉ! お釈迦様を馬鹿にしたな。そいつは兄ぃを舐めるのと同罪だ!」

「仏の顔も三度まで! 我が名「覚玄」が如何なる意味か教えてやろう。兄ぃが玄奘三蔵法師を覚えて伝えよと名付けた名だ!
それが如何なるものか身をもって知るが良い! 仏敵認定、仏契ぶっちぎり!」(このフレーズは入れるでしょ)
「剛力招来!」(身体に毛が生える)
「妖怪退散!」(中華風の鎧や武具が現れる)

「護教対魔の専門家、
孫覚玄推参!」

「お釈迦にするぜ!」(是非とも使いたい。しかし注1)


まぁ、正体は水簾洞で悟空に気に入られて不死になった猿の1人(1匹? 通臂猿猴の「崩」)なのだが。孫悟空が仏教に帰依した後、厄介なこの山猿どもも孫悟空にぶん殴られて改心した。「えん」が死にかけた際に実際地獄に行って助け出せたのも、覚玄が妖猿であり孫悟空からやり方を習っていたからである。(この通臂猿猴、西遊記にもちょろっとだけ出てるが設定ガバガバなので使いやすいかも。河童の様に右腕左腕が繋がってて「腕が延びる」と言う設定と、お猿軍団の将軍してたぐらいしか言及が無いはず)

で、水利問題だから身外身の術で一晩にして用水路整備。やっぱり仏さんは凄いや!なぁに東海龍王さんは話の分かる奴さ(治水関係担当。孫悟空に宝物強奪された)


で。

えんは最初から伝奇にするつもりだったが、脳内に浮かんだ「実は孫悟空」プロットにイマイチ感を感じていた。メジャーネタは許せぬオタクムーブである。早い段階から対応策として「悟空の弟子」とか考えてた(覚玄は「玄奘三蔵を覚えている」の意ってネタは初期構想からあった)が、イマイチ釈然としない。それは範馬勇次郎とか散さま出して話まとめるのと同じでは無いか。ワイの持ち味は能書きなんだからもう少しマイナー系に振りたい訳よ。

で、目についたのが後西遊記の「孫履真」だ。ぶっちゃけ西遊記の焼き直しで孫履真も花果山の石から生まれた石猿だ。で、やっぱりトンチキやらかすのだが、今回は天界側に孫悟空先輩が居るので割とあっさり鎮圧。この話に悟空を知ってる老猿が出るんだが、そういや悟空って地獄に行って自分の寿命消しちゃう時に「仲間の猿の寿命も消してる」んだよね……そこでググりまくった結果、通臂猿猴「崩」と言うのが見つかった。しかも日本語言及例が極めて少ない! 設定もほぼ無い!

伝奇作家とは、設定や歴史の空白にテキトーな与太をぶっこむ生き物である。

よし、俗名「崩」で、得度して「覚玄」の法名を授かり「孫覚玄」と。

伝奇作家も完全なでっち上げは余りしないのよ。あくまで史実や前例を踏襲して「どうだ、俺は博識だろう!」と見せかけつつ創作という毒を喰わせるのだ。

更に言えば猿は仏教にも結構関係してて……天台宗は山王権現と関係してるし山王権現の神使はお猿さんだ。また、真言宗にもこんな説話を持つ寺がある。

ほうほう。色々ネタが充填されてきたぞ。

時系列的にも玄奘三蔵のインド行きは唐代であり、西遊記という物語の成立より「えん」の時代設定は早いんだけど、孫悟空実在説を取るなら齟齬は起きない。


注1 念の為語源調べたら……

画像1

えーっ! この言葉江戸時代からかよぉ!(涙) ヒとシがごっちゃになるのは江戸弁あるある。ワイも「日比谷と渋谷」をヒビヤとシビヤと言ってしまうフレンズだ。くそう、惜しいが使えんな。また別作品で仏教ネタ使う時に使い回そう。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!