モデラーの「絵の見方」
ガンプラモデリングを行う際に必要な目の鍛錬として、こんな事を尋ねてみよう。
上記はジムスナイパー2のパッケージであるが、プラモの構造と比較すると──いや、立体物として考えるとどー見ても破綻してる所が2箇所あります。指摘できますか?
答え
と、この様に……一見カッケーパッケージアートだが、ポーズや外見重点で作画されてるので、実は立体として見た場合盛大に歪んでいるのである。これを見抜く眼が「モデラーの眼」であり「クリエイターの眼」だ。
大部分の人は見抜けていないだろう。だってただ見てるだけで同じ絵を描いてみようとか同じポーズをガンプラに取らせてみようとか考えないし、ガンプラ同じポーズにする時も細部には拘らないんだもの。逆に言うと真面目にパッケージイラストと同じポーズ取らせてみようと四苦八苦したら理解できる。
脛は長過ぎるし肩はアレだし、なんじゃこりゃ、膝立ちがキマらんぞ?と。
まぁ、ライフルの銃床が全く意味を為してないしロボの膝の扱い(歴史的文脈)がなってない。我々はキャプテン翼を笑う資格なんて無いんですよ!(涙)
実は同時期連載?のキン肉マンは関節間距離の取り方が上手い。
何故だか分かるだろうか?
キン肉マンは格闘漫画なんで、余り異様な身体バランスだと複雑に組み合ったり身体を縮こませた状態で「変な絵」になってしまうのだ。必然的に組み合いを描くとなると関節間距離や関節構造、可動範囲に注力せざるを得なくなる。
ガンダムの中でも膝下クソ長系デザインである00やWなどの機体は手足を真っ直ぐ伸ばしたポーズが多い。身体を小さく丸めたり屈曲したポーズ取らせるとバランスの破綻が可視化されてしまうからだ。
ジムスナ2もプラモ化する際にダサいアニメ設定画稿から大胆にアレンジ入れてるわけだが……
動かしてポーズ取らせる上ではアニメ画稿プロポーションの方がマシなのである。それをなんか勘違いしたバンダイ及び……カトキかなぁ?……がバランス破綻させて「よく動く」をやったが為に爆誕したのが「デザイン上向かないのに無理矢理膝立ちさせられたジムスナ2」と言う残念な絵である。
動かす・膝立ちさせるのに膝立ちに向かないバランスにしてしまう。端的に申し上げてアホであろう。
この辺の問題が是正されるのオリジンMSDシリーズまで待たなきゃいけないんだよね。初代ガンダムのメカデザインには実はちょいと安彦良和が絡んでるし、Zのメインメカデザイナーは藤田一巳。共にアニメーター経験があり「人間やロボを動かす」コツ知ってる人だ。
イラスト描きで「絵を動かす」概念がないカトキハジメをガンプラに深く関わらせたのは何故なんだろう? 氏は「既存デザインにイラスト的な線を足す」なら良かろうが、機構設計やボリュームデザイン、よく動くデザインって点ではかなりダメな人物に思えるのだが。(ナオキは論外である)
で、今度藤田メカの一つの頂点であるZガンダムをVer.kaで出すんだって?
……ペンギンに空飛べって言う様なもんじゃないかなぁ。これはカトキ貶しではなく純粋に適性という意味で。ペンギンさんは水中では凄いんだ(力説)
カトキ使うならフレームというか、元デザインはきちんと「動くデザイン」出来る人にやらせて、その画稿バランス崩さない範囲でカトキアレンジさせた方が良いと思うやで。Zってまだアニメ関節や動画の中での異次元変形が許された頃のデザインだから、そもそもカトキの守備範囲外のデザインでしょーよ。
むしろカトキは境界戦記とか30MMにぶち込んであのデザイン好きな人を取り込むべきなのでは?
方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!