日本人の読解力が低下してる話
当たり前だ(ふんぜん)
昨今、ラノベやweb小説が隆盛であるが、何でか知らんがその界隈に「読み易い文章にしよう!」という謎の掟を課す不思議な集団がいる。もしかしたら連中は日本を裏で牛耳る秘密結社かもしれず、私はこの告発により消されてしまうかもしれない(大仰しぐさ)
この間実際書店で調べて驚愕したのだが、現代日本で販売されている「文章」全般が短文化や段落文字数の低下傾向を示しているのだ。私の文章を以前から見ている人は「平均段落文字数2桁」とかの話を見て知っているだろう。
新聞や本、書籍…紙媒体の本が売れなくなったと言われて久しい。実際には文字を読むのが好きな人がwebなどの無尽蔵にある文字列にも手を伸ばして「読む人」であるとか「読まれている絶対量」は格段に増えているはずなのだが、紙媒体は入手の困難さや価格的な部分で絶対量を減らしていると。これは致し方のない部分ではあるが、書籍販売や新聞屋さん的には座視出来ぬ状態だろう。
で、書籍販売してる人らが目に付けたのが「web小説が人気なら、その読者ごと紙媒体に引っ張ってしまえ」ちゅー乱雑な仕事や、紙媒体の表記方式をweb文に近付けるという方策である。なんぞ最近は「5行毎に改行しよう!」などの
読みやすさの強制
が行われてたりする。文字数ではなく行数での改行を促す文章を見た時、正直な話私は目を疑った。そして「何でか知らんがweb小説にやたらと紙媒体での「正規表記」を導入したがる人々」が、ご丁寧にweb上でのコメントまで5行以内改行規則を遵守しているのを目にしてひっくり返った。
あのさぁ。それ…おじさんは「小説など、1行40文字くらいの媒体の話で、20文字前後のnoteやカクヨム、小説家になろうのスマホでの入力画面の話では無いと思うぞ…20文字で5行以内に改行すると、段落文字数は80〜100文字以内であろう。41文字詰め媒体だと大体2〜3行で段落が完結してしまうのである! 本来160〜200文字で一段落が完結する「作法」が、そのままwebに導入されてしまい、短文思考化が促進されてしまっているのだ!
短文思考化…と言葉を濁しているが、要するに「バカでも読める」書き方だ。世の中には活字をぎゅうぎゅうに詰めると文字が読めなくなるというバカが一定数存在するらしい。それならそれでバカらしく、フィジカル方面で頑張れば良い。何も万人が本を手放さない「生き方」を選ぶ必要は無いのだ。出版界の間違いは販路拡大の為に本来本を読まないバカ向けの本や書き方を推奨し、元々本読んでた活字の虫は「何しても本から離れない」と見做した点ではなかろうか。今や書店には絵の無い絵本や下がスカスカ過ぎてメモ帳に転用可能な書籍で満ち溢れている。文字充填率が3割ぐらいのスカスカな本を、厚みだけはあるからとチャンドラーの訳本と同一価格で売られては堪らない。半額でいーべな…
どうもこの傾向、日本国内だけなのか「翻訳文章や海外在住者の文章」では余りこの傾向が見られない。この間カクヨムで台湾の方の文章を見つけたのだが…
漢字みたいな表意文字で比較的長い文章書いてんだよね。また、塩野七生氏みたいな海外在住者の文章やサンデルさんとかの本では短文化傾向は見られない。まぁ、訳文って元となる文章あるから勝手に段落を分割するような事出来ないので、読み易く教が介入出来る余地が無いのであろう。
現在、カクヨムではコンテストが開催中だが…やはり平均文長は短めである。変な規則が蔓延した結果、書く方もバカ向けの短文を書き、読む方もバカ向けの絵本のような短文を読む。そして長文…四角い文字列は駆逐され、長文読解力や理解力は低下して行く…
今書いてる話では、この辺の状況に対するテストとして「ヤケクソ気味に長い文長」にしてみた。
四角い文字列団の私ですら呆れる文章なのに、何でか他の標準的なweb小説風の作品や「紙媒体小説」としては平均的な作品よりpvが微妙に多いのは何故だ? 短文化したら読者が増えるのではなく、超長文化したら読者が増えるってどーゆーこっちゃねん?
方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!