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パーメットが元素である理由

前にも書いたが、A.S.という時空が現代地球と地続きである場合、新発見の元素はよっぽどの事が無い限り超ウラン元素で寿命がアホほど短い。粒子加速器で原子同士をドカーンとぶつけて作るんじゃ。まぁ天然では殆ど存在しない(出来た側から崩壊する)物質である。

えー、記憶を頼りに調べたら、原子構造の話は中学3年生の理科の単元で習うらしい。

原子構造モデル

原子は原子核と呼ばれる陽子と中性子からなる中心部と、その周りにある電子で構成される。電子は原子核の周りを何層かの軌道(今は粒がぐるぐるしてるのではなく、もうちょっとモワッとしたイメージらしいが、今も模式的には粒がグルグルで教えてるみたいだネ!)で動いている。この軌道の最内郭は最大で電子が2、それより遠い軌道では最大8つの電子が回転できる。電子は内側の軌道から順に充填され、最外郭軌道の電子数が大まかな原子の性格を決める。(アルゴンより先はこの基本則が崩れるが、その辺り調べたい人は周期律や電子配置をググれ)

原子の化学的性質とゆーものはこの外殻電子の数により決まってきて、外殻電子数が同じ原子は似た性質を持つ。炭素とケイ素は化学的挙動が似ており、SFで良く見るケイ素生物は我々が炭素生物だから、同族元素のケイ素でも生物イケるんちゃう? みたいな発想から生まれたものだ。
で、電子数は原子核の陽電子数と釣り合っており、元素番号は陽子の数毎に割り振られている。
現時点で原子は1番の水素(H)からずらずらずらーっと118番まで埋められている。空きはない。すると新発見の元素が出るとしたら、陽子数119以降の元素になるんだが、自然界に(安定的に)存在してる元素は92番のウランまで。まぁ、119番以降は「存在できても即座に崩壊する」可能性は極めて高いだろう。(陽子と電子のバランスと、電子の軌道距離考えるとちょっとなー、みたいな。やってみたらどうなるかは分からんのだけど)

ちゅーこって、パーメットが新元素なら陽子数119番以降で速攻分解し、中性子巻き散らかすいやーんな「放射性物質」になる可能性が高い。つまり、パーメットが「埋蔵されている、採掘で採取できる」というのは超絶嘘くさい。有るとすれば、粒子加速器の中みたいな環境で絶えず生成されてるとか、まだ見ぬ第八〜九周期あたりにびっくり箱(空間が3次元から4〜5次元まで拡張された?)があったパターンで、そんなもんが水星に埋まってるならアホほど物理屋が押し寄せて水星が夕張から筑波学園都市に早変わりしてしまうんだなぁ……

だが、元素より細かい素粒子とかにすると細かすぎて人体に影響与える可能性が限りなく小さくなってしまう。スーパーカミオカンデがアホほどデカいのは素粒子が原子にぶつかってくれる可能性が低いから、検出施設をデカくしてその低確率の現象を無理やり検出しようってアプローチだからだ。
人体に確実に悪影響及ぼす描写するには、原子ぐらいまでのサイズ感で化学ケミストリー的な反応に抑えないと不味いんだわ。作劇の都合上採掘が必要な鉱石でなければならない、とゆーか。

と、中高生の内比較的真面目に科学分野を学んでる子だと、パーメットの解説で「なんやこのガバいエスエフわっ!」となるかもしれない。それで若年層(の内、背伸びして科学的じゃないと文句垂れるクソガキ様)からの支持を得られていないのではないか?

え? 私ら?

小さな頃からゲッター線浴びてるからな。謎設定には耐性があるんだ。もちろん真面目に科学考証は出来るが、ミノフスキー粒子や螺旋エネルギーを消化できる酵素も持ってる。鍛え方が違うやで。

下手に「理科」っぽくするより、「我々にもよく分からんのです」のサイコフレーム作戦で逃げた方が良かったのかなぁ、と。設定に中3レベルで突っ込まれる穴はちょっと頂けない。また、現役中高生の諸君においては……一回はツッコめ、突っ込めないのはバカの証左ぞ。ただ、脚本家の辛い気持ちも察して流すのも肝要だ。科学バカで文学知らないならこれを機にシェイクスピアも読んでみよう。

このアラフィフおじさんも、実はある理由でシェイクスピアのソネット113番は暗記してたりする。

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