コケる気がするんだよなぁ……

ワイ、バンダイの戦略ミスではないかと疑ってるザマス。

最近、バンダイがサンライズを完璧子会社化して更に創通が南無南無であり、ガンダムというIPを完全に手中にした訳ですよ。今のバンダイはこの出来たIPをマネタイズする為に完璧な布陣を取っている。そしてこの完璧な布陣がガンダムというIPを後々「窒息させる」と私は踏んでいる。

簡単に言おう。ガンダムが何故コンテンツとして成功したかだが、それは大人気ない人々がスポンサーの意向を知りつつも「オモチャ売るのはえーわ、それは頑張るが俺は俺の物語を語りたいんでね！」と、作劇にフルパワー注いだからだと思うんですよ。映像作る側のメインは「映像作品」であってオモチャではない。何となれば「オモチャ売れてもオモチャ屋が儲かるだけで、スタジオは然程儲からない」からである。

仮にガンダムが売れたおかげで日本サンライズが儲かっていたら、サンライズは今頃ジブリがハナクソに見えるほどの巨大企業となりアニメーター達の平均月収は50万円とかになってたかもしらん。しかしそうはならんかったのだ。

彼らが儲ける為には、映像作品が売れないとアカン。映画とかでドカンとマネタイズしないと儲からんのだ。実際ヤマトを主導した(色々と問題のある) 西崎義展なんかはクルーザーとか買うほど儲けておる(更にヤクや銃まで……)

が、今のバンダイ・アニメスタジオ関係では「オモチャを売る為の映像」が利益を最大化する物になる。映像として、作品としての出来の判断は「オモチャが売れるか否か」であり、作劇やテーマ性は重視されない。そして実は「作品としての出来が良くないとオモチャも売れない」のである。

ガールガンレディという一般大衆はビタイチ知らない作品がある。バンダイが美少女プラモが売れるからと頑張ってみた作品だ。壊滅的に売れておらぬ。どんなんか見たければ家電量販店のプラモ売り場に行けば良い……かなり安売りしてる筈だ。ガンプラと異なり棚にきちんと陳列されている。
境界戦機というのもある。リアルに見せる為に工業デザイナー採用した作品だ。これも町のプラモ屋に行けばどんなものか確認できる……あまり激しくは売れていないのであろう。

境界戦機1話見た｜純戦士のおじさん｜note

前にも書いたが、正直境界戦機は「ああ、カッコいいロボの動画作ろうとしたな」という意志は判る。判るが……筋書きつまんなくね？(試しに1話見ただけで、あとはツベが候補として提案した際にちょろっと見る程度だが、引き込まれはしなかった)

物語に牽引力が無いから引き込まれない。

なんかね、キチンと売れる要素を配置してそれなりの作者がマネタイズの為に書いたなろう系小説みたいな感じがするわ。悪くは無いが突出もせず、作家の熱意の無さが描写の粗に繋がる。生活の為の映像作品、パッションがイマイチ、サラリーマンが惰性で作りました感……

まぁ、そりゃそうだよな。創作意欲からではなく、仕事として自分が望んだ訳でもない「おもちゃが売れる映像」作らされてんだから筆がノる訳はない。
大前提として「物語の力」が無いとオモチャ売れないんだよ。マーケティングや資本をいくら投下しても「1人の才能が熱狂により生み出した作品」には及ばない。けものフレンズを参考にせよ。また、最初からはっちゃけて「スポンサーの意向はどこに逃走したのか」状態まで行くとめいさく(漢字変換できない)になる。ポプテピピックを見よ。

作家とスポンサーはルネサンス以降の「芸術家とパトロン」の様な関係にならないとツラいと思うの。作品には基本口出しせず、作家の生活は保障してただひたすら名作が生まれ出るのを待つ。効率やマネタイズは考えず、芸術家を囲うというその事自体がステータスであり目的化する……資本主義という形態の中ではなかなか難しい所だが、これやらないと時代を超え得る名作生まれなくね？

マネタイズ基準で考えると、打率重視で「作品に含まれるべき要素」が決まり、モチーフがそちらに偏るから「似た様な話ばかりになる」平均化しちゃうのだ。才能とは平均化の対極にあるものだから、こんなやり方ではポテンヒットぐらいで場外ホームランは出ませんわ。

恐らく、水星の魔女は従来式の「外さないやり方」で当たってヒット(ランナーが一塁進む)程度に収まるだろう。時代を反映して女主人公……ほー(棒)

時代に迎合すると時代の中に埋没するんやで。

そこからはヤマトや999やドラえもんは生まれまい。秋田書店が手塚の漫画家としての死に水取るつもりでブラックジャック連載させたとか、事例はあちこちに転がってるが、民主的で良い会社であればある程「そんな危険は冒せない」
冒険出来ないのだ。

まぁ、第一期長嶋巨人時代みたいに全員スラッガーやきうやってコケるのであろう。恐らく我々直撃世代が死に去る30年後、ガンダムというIPは滅亡するであろう。鞍馬天狗や忠臣蔵と似た「古典」として永久に死に顔を晒し続けるのだ。