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記録に拠れば7/2

仕事の合間に西新井の某所で大してプレミアが付いてないジムカスを発見したのが首記の日付だ。

一応今月中に完成させてオラザクに投げる予定のヨコハチ弄っている最中であったが、前回作成のジムカスが趣味丸出しでジムカスっぽく無くなった(むしろフルアーマージム的な印象に)事もあり、いつかはオーソドックスなジムカスを作りたいなぁと思っていたが、再販されたはずのジムカス何処にも見つからん。運良く手に入れた人の作例見ながら「俺ならこうするのに…」とホゾを噛んでたワイは割とあっさり悩まず買って、仕事の合間に組み立てた。知ってる人は知ってるが、家人との摩擦を避けるために私は車の中でガンプラこさえてHGジムの箱に入れ、安いガンプラに偽装して家に持ち込んでいるである。

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で、速攻脛の丈つめなんぞを始めた訳だが、ここでウッキャーと改造やら何やら始めるとヨコハチが完成しないのでは疑惑が出てきた。まぁ顔本のサークルで「みんなでオラザク出そうぜぃ!」イベント開催中だし、ヨコハチ完成させない訳にもいかんだろと。

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で、前回作ったジムカスとの対比で「オリ色を出さずオーソドックスを目指す」という方針を定め、あまり大規模な改造をせずに「成形色仕上げ」の範疇に収まる様にしようという大方針が立つ。実はジムカス各所に甘いモールド(深さが無く、平面出してるとあっさり潰れる)が多数あり、どうもそのモールドの部分部分の多い少ないで色調変化させてるきらいがあるんだな。じゃあそのモールド活かすのを大義名分にして面出しやめようと。やったこれで作業工数減るしあっさり仕上げならヨコハチの時間そんなに奪わないだろうと。

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が、側から見て「どー見ても素人が精度出せる工法じゃないにゃー」という筋彫り追加作品を見て、つい「ガイドテープにチゼルやタガネ使うやり方以外の初心者向け筋彫り」なんちゅーものを提示してしまい、途端に話は怪しくなった。

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簡単に、手軽に、それでいて効果的に!とかいいつつ普段やらない足裏塗り分けとか

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スミ入れの度合い調整とかめんどくさい事をやり始めてしまう。誰もそこまで見ないのだが、他ならぬ私が気になるのだからしゃーない。一般的には「作者が満足できたら良い」は逃げとか救済の呪文だが、作者本人が伸身四回転3回半捻り宙返り的なめんどくさいおじさんだと呪詛になる。

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ええぃやかましい俺は完成させるぞ俺は!で作業を進める。お盆休みとはいえ買い出しや昼飯作り(休みの日の昼飯は何故か私が作る様になっている)ジンくんさんとの触れ合いやお散歩に時間を割かねばならぬので、案外作業に割ける時間は少ない。

特に、すみ入れだ。
スミ入れ部がスミ入れましたねとわかる様ではリアルでは無い。実際の合わせ目であるとか駆動部の隙間に見えなきゃ……スミ入れは記号的な意味を持ってしまう。

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絵としてならば、例えばジムカスの肩下端の凸凹とか本来線ではなく「その様な立体構造がある」というのを影や色の変化で描写する。しかし何でもかんでも絵画式に処理する訳にもいかんのでイラストなんかでは形を線画で描く。線で描いて「ここにはこんな構造がありますよ」と説明する訳だ。

立体物の場合そんな事せんでも凹凸はそこに彫り込んであるので凹凸に見えるのだが、巨大MSとガンプラではサイズが異なるので……ガンプラにはMS実機の様に光が当たらない。より多く環境光の影響を受け、光の回析などが強く出る。

この差の修正の為にスミ入れをするのだが、世の中には情報量がーとか言って光の挙動のエミュレート目的ではなく、イラストの線じみた理由で線を彫る子がよーけおる。

前にも模型の塗装法には大別して2つのアプローチがあり、実機と同じ色をペンキみたいにのっぺり塗るのと、見え方にフォーカスして「光や影まで塗装再現する」と解説したが、スミ入れは後者のテクである。
撮影ブースで影落とさぬ様多灯照明にレフ板置いて陰影抜いた証明写真じみた絵を作るならスミ入れしない方がいい。また、スミ入れするなら凹部やモールドに黒い線を入れるのではなく「影を描き込んでいるのだと自覚して」そのようにしなきゃいけない。意味や理屈を理解せずやったのでは、何も分からず闇雲に竹刀で素振りしたが如く実戦では役に立たんぞ。竹刀振るのは刀で戦う時に効果的命中狙う為だ。君は竹刀の素振りのプロにでもなるつもりか? 筋彫りばかり練習して筋彫りのプロになってもガンプラはリアルにはならぬ。リアルにする為にはどうしたら良いか考えて、リアルにする為に筋彫りしなきゃいかんやで。

私が見る限り、多くのガンプラキッズはスミ入れという技法は知っているが、スミ入れで何を表現するかを理解していない。だから線が出てれば満足してしまい、効果的に見えるように線を補正するとか、よく見えるように調整できない。それで狙うべき状態を知らんからだ。

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今回、シャープに面の交差線にモールド彫り込んでスミ入れしてるけど、これは特定アングルではスミが見えて、それ以外の特定アングルではスミを見えないように隠す意味合いがある。影に見えるようにする為だ。また、環境光を出来るだけ減らしてモデルに陰影を作り、その中に筋彫りやスミを紛れ込ませている。

私も完璧にこなせている訳ではないが、工作や加工の意味を理解して「それを効果的に使おうとする」様にはしている。全くその意味を理解しようとしない人がテキトーに線彫ってそこを黒くしたのでは、多分見え方が違うと思う。

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やたら筋彫り追加して楽しむ人居るけどさ、筋彫り一本一本真面目に「そう見える様に」処理してる? 彫った事に満足してスミ入れは「スミ流したヤッター」で手を抜いてない? チゼルだタガネだと加工途中工程の工具にばかり拘って、筋彫りの最終工程雑とか愉快な事になってない?

そして、どうあるべきか、どうなるとリアルかが分からないからなんかテキトーこいてる人らの話を真に受けてしまう。世の中には私なんかよりすごーく上手くこの辺処理してる人居るんだけども、残念なガンプラキッズはその凄さも分からないし、分からないから真似できない。だから故にヘボいままなのである。優れた感性や天賦の才が無いならば、徹底して学び修練を積むしかないんやで? まだ闇雲に竹刀振って強くなれると夢見てるのか?

現実を見ろ。

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方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!