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水星の魔女 22話考察
綺麗に終わりましたな。もうダメだこの話。
1.スレッタの特性
エリクトと同じ遺伝子だか遺伝子コードだからパーメット耐性が云々……
つまり、スレッタが生まれたのはエリクトと同じ性質を持ち「計画に有利だから」となる。プロスペラは人の一生や生き方に敬意を払えないクズ親ですわ。もうどう言い繕っても屑。死すら生温い。しかも役割終えたら「後は自由に生きなさい」
人の心は微塵も無いですね。正に吐き気を催す外道じゃん。晩飯前にこんな外道見せんなや……現時点でワイが望むのは水星の魔女世界の滅亡です。
2.キャリバンがスパロボ
クワイエットゼロみたいな巨大戦略兵器に単独で対抗し得るスパロボで、スレッタの持つ遺伝子コードとかが無いと割と死ぬ。そして誰も気にして無いがエアリアルと違って「量産不能では無い」
キャリバンが量産されてないのはデータストーム対策なされてなくて「ルブリスよりヤバい」からなんだけど、スレッタと同じ因子が有ればクワイエットゼロぐらいは倒せる……だとしたら!
「キャリバンに乗るスレッタを誰も本気で止めない作中世界の大人なら、キャリバンとスレッタのリプリチャイルド量産して核兵器じみた抑止力として手元に置くんじゃない?」
ある種の特攻兵器として育てられる子供が沢山できるね! やったねベルメリア・ウィンストンさん大勝利! 先輩より凄い兵器を作って超戦力による議会連合圧政世界にレディゴー!!
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この世界にこそシャアが必要だ。こんな世界ぶっ潰してしまえ。何故富野が監督しなかったのか。富野ならこんな腐り切った社会などイデの力で因果地平の彼方へ葬り去ってくれるのに!
3.今後の展開
まぁ、話としては綺麗に終わりますよ。作中で描かれた事が何を意味するか考えてないから、最終的に話の外でどんな地獄が展開されようと気にせず「彼女たちは幸せに過ごしました」で締めますわ。
馬鹿河内だから
しかし「スレッタのリプリチャイルド作ってキャリバン量産型に乗せたら、操縦者当人は死んでまうけど既存の艦隊とMS数百機を手玉に取る戦略兵器と互角に戦える単騎の兵器システムが構築可能」という事実と、倫理面でこの世界の大人が全部クズ、更にさらっと自分の娘のクローン(リプリチャイルドとか言い換えたって何の意味も無い!)作って思考誘導して「都合良く動かせる」という観測事実……
作中のハッピーエンドの後、まあ大体10年後ぐらいだろうか……水星には学校ができる。小学校じみた校舎の中にはスレッタととても容姿が似た子が1学年20人ぐらい居て、きゃっきゃしながら楽しく毎日勉強してるのさ。学校のモットーは「進めば2つ」
ここで彼女たちは「大のために小が犠牲を厭わず戦うのは美しい生き方である」とか……汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交り、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すやうにし、学問を修め業務を習つて知識才能を養ひ、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起つたならば、大義に基づいて勇気をふるひ一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまに々々天地と共に窮りなき宝祚の御栄をたすけ奉れ。かやうにすることは、たゝに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなほさず、汝らの祖先ののこした美風をはつきりあらはすことになる。
と、教育勅語じみた教育を受けて
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立派なカミカゼシスターズとして世に羽ばたいて行くのです。一朝事あらば七生報国の鉢巻を締め、莞爾とした笑顔で死をも恐れずキャリバン量産型で次々と……「データストームの先でまた会おう」
貴様とおーれーとーはぁー
同期の桜ぁー♪
もう、書いててツラツラ。マジでツラい。
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迂闊にも小林ヒロシぃ!が描いてしまった世界は、カミカゼが実際有効で「カミカゼ特攻により日本が太平洋戦争に勝ってしまい、カミカゼが有効な戦術として機能してしまった世界」である。
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あたおかが過ぎる
敢えて申せば、教育勅語や軍人勅語で語られている言葉は国家の視点と平時の心構えとしては「間違っていない」
間違っていないのだが、間違っていないだけで惨事を引き起こす危険性がある倫理体系であり、国家の為に個人の抑圧がある世界である。だからあの辺の勅語は不味いのだし、国家中枢に近い連中が「国家運営するが故に」あれに惹かれてしまうのはやむない事であろう。誰だって仕事を簡略化したがるものだ。
既に新型コロナ騒動で見た通り、ある種の災厄に対してファシズム的な全体主義が「効率的である」事例は存在するし、我々日本人も大局を見て個人の自由を妨げる事を是認した。
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ていうかね、カミカゼは戦前戦中の倫理観でも「それはヤバい」で危険視されてたのに水星の魔女では誰一人この問題に向き合っていない。アホの書いた架空戦記かこれ?
普段はナノだか馬鹿河内を腐す私だが、本件に関しては小林寛監督が最終的に裁可を下したので「ヒロシが悪い」と断言する。もうちょっと物事の良し悪しを考えて話を作れ。
まぁ、「たまたま」今回はスレッタ死なんだろうし、ハッピーエンドで終わるだろう。スレッタは世界を救った英雄になるであろう──そして英雄的行動は是認され、スレッタとキャリバンがやったのと同じ事が「効率的だし、有効だから」繰り返されるのだ。だってスレッタは死ななかったし(それは偶然なんだけど!)
この物語がハッピーエンドで終わり、皆が幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし──その物語の陰には無数のリプリチャイルドとキャリバン量産型の骸が横たわっているのだが
一般市民はリプリチャイルドではないのでキャリバンに乗せられる事は無いし、リプリチャイルドにだって「争いが無ければ幸せな人生がある」
だから、争いが起きてしまった時には勘弁してくれ。それが1番冴えたやり方なんだ。
今の水星の魔女世界は、スペーシアンの為にアーシアンに過酷な生を強いる社会構造だ。これを改善すべく「更に少数の、データストーム死を約束された子供」に被害を全部押し付ける世界。まあ端的に申し上げて地獄ですわ。
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キチガイが公共の電波使ってとんでもない話流してら。はははっ、滑稽だね!
安心して欲しい。水星の魔女自体は綺麗に終わる。その背後に軍靴の音ではなく、カミカゼ特効に使う艦爆のプロペラ音を高く響かせてな。こういう部分を考えないから歴史は繰り返されるのだし、水星の魔女を「わーたのしー、かっこえー、良かった良かった」と考え無しに喜ぶ大衆が、また悲惨な戦争を選択するのさ。子供騙しの安い話じゃのぅ。
さて、自分がリプリチャイルドではないから安心している諸君に聞こう。
もし、適正因子が君の血族にだけあったらどうする? 父も母も、兄弟姉妹や自分、自分の子らまで「社会存続の為の贄になる」のであるが。
皆死ぬぞ、無論君も死ぬ。社会的合理性と社会の存続の為に死ななければならぬ。ザンボット3の神ファミリーの様にな!
或いはオリジナルである君の人権尊重の為に君のクローンが数十数百量産されて、君の若い頃に瓜二つな「にんげん」が死ぬのかもしらんな! それだけ戦況が長期化すれば、だが。
まぁ急ぎで必要ならオリジナルである君に死んでもらわねばならないかもしれない。なぁに心配するな、クローン作ってそちらには手厚い社会からの加護を与えておくよ、安心して死んでくれたまえ!
嫌な話だ。反吐が出る。
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