スコップ速報 (3日掛かった)

奇作であると言えよう。

くっそ長いからハマり注意だ。

緻密のようで緻密でなく、筋があるようで無さげで、ちょっとはある。
とりあえず全話読んだ感想としては、「文字を食わせるテクは凄い」「意識あるか不明だが、ある種の『アンチ』であり、シュチュエーション特化型」「ていうかゴールデンラッキーや伝染るんですみたいな不条理ギャグ?」

詳細行くで。
人間が物語を読んだ感動という奴にはパターンがある。そのパターンにハマれば「感動が強要される」
ここで普通創作者は「感動のパターンを拾えるように」筋書きを作り論理構成をする。普通はこうだ。

では、ロジカルな展開を無視してパターンだけ拾ったら、どうなるか?

ある意味ではこれが本作の本質だ。恐ろしい事に本作、作者の叙述テクを見る限り「ワザとやってる」としか思えないのだが、論述構成をガン無視してひたすらに「感動パターン」のみを回収している。スゲェ事しやがるなというのが正直な感想だ。
筋を追うという概念が希薄で、分かりやすい感動シーンで迂闊に感動しちゃう層にはウケるだろう。普通にストーリーを追う層からは賛否両論だろう。正直私もかなり目が滑った。筋書きややりとりに深い意味がないのだから読み飛ばしたくもなる。普通は叙述や筋書きに意味があるから文字を追うのであり、積極的に「無意味、不条理」をやると「真面目に文字読むのが普通は苦痛になる」
それをテンポや筆致で読ませる、魔技と言って差し支えない。所々に挟まれる論述構成で「それが出来る」事を示しながら敢えて論述構成を無視してる。なんでこの作品「縛りプレイ」してるんだろうか……

怪作であると思う。パターン学習には役立つだろうが、本作迂闊に真似しても出来損ないにしかならんだろうなと。極めて高い叙述能力のバランスが成立してないとこんなん書けなくね? 
一読を勧めたいが、一読してハメられると数日経過してしまう。暇な時に読もう。ワイは本作のせいで穴部瑠璃の制作が3日止まった。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!