見出し画像

機甲シン・ゼロ 番外1

ブレストファイヤーってどーすんだ?

「……カブト、なんだこりゃあ」
「ブレストファイヤが……出来んのだ……」
 カブトはデスクの上に山盛りいっぱいの抜け毛を晒して悩んでいた。強力な装甲、無尽蔵なパワー、しかし彼らの魔法の如き超科学をもってしても、ブレストファイヤーっ!!の実現は程遠かった。
「大体だな、何を使って熱を届けてんだアレ?」
「形状的には赤外線かなぁ……?」
「なんで拡散しないで直進すんだよ? レーザーだとして何故薄板で位相が揃うんだ?」
「光だと空気中で拡散するし……」
「ラボで試験したら想定出力の1/10で大気が急速膨張して爆発だ。ビックリしたわ」
「アホ、普通事前に気付くだろ……」
「多段スーパーペルチェで熱自体は出せるんだが……」
「何度よ?」
「3000℃」
「原爆か。良く保ったなPNGZ合金……」
「アホみたいにエネルギー喰らうが、分子結合構造固定させたら液化はせんよ」
「飛ばせないとダメなんですか? 例えば焼印みたいに使うとか……」コーヒーを淹れてくれた美人助手が尋ねる。カブトとサオトメは共に力無く頭を振る。
「殴り合いは……出来んのだ……」
「ロボは耐えるよ、ロボは。しかし作用反作用の法則がな……」
「例えばパンチで仮に100の衝撃を与えるだろう? すると相手だけではなく自身にも100の衝撃が来るわけだ」
「ロボは耐えても中の操縦者は耐えられん。人間が操縦する以上……衝撃を受けるのは極めて不味い。毎回ダンプと衝突する様な状況では……」
「意外とサブミッション(関節技)やベアハッグみたいな技の方がロボには向く」
「あと、ロケットパンチはかなり実用的かもしらん。衝撃が本体に来ない」
「なら、鉄人28号形式にしては?」

「「断固反対だ」」

「乗り込むから一体感が生まれるのだ」
「盛り上がらんだろう、魂がっ!」
「重力制御したいのぅ……」
エグザグソンが羨ましい……」
「どっかに異星人のテクノロジー落ちとらんかなぁ……」
「重力制御したら殴り合い出来るんですか?」
「インパクトの瞬間に質量をアホほど上げたら質量差で衝撃は緩和できるな」
「しかし結局出力次第だろうし」
「そんなんするぐらいなら飛び道具の方が早い」
「はっはっは、だから言ったろう、鉄人が最強だと!」
「教授め、もう勝った気でいやがる」
「くやしいのう。ロケットパンチも無いくせに」
「ロボと言えば肉弾戦だよキミタチ☆ 打撃で戦えない様ではスパロボとは言えんなぁ……」
「……シャインスパークなら行けるんだがなぁ」

実際出来た。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!