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文芸カラテ 賢い人を賢く描写する技

なんか需要がありそうなので。

まず基本として、作家がバカで無知な時、賢い設定の人間出すと「失敗します」 特に主人公が超絶頭がいい設定はやめておいた方が良い。天才や賢い奴ならこの局面でどう賢いムーブするか論考するのは「作文カロリーが増す」ので大変危険だ。

で、この問題をクリアする為に最近では「主人公以外を弩級のバカにする」という魔技が開発されてたりするが、それは短編の一発ギャグに止めるべきだ。読んで行くとお辛さが天元突破して読み進められなくなるからである。

なので、基本ちょい役がいい。王道的な物語では大体主人公チームはバカで無知、そこに賢者ポジが現れてもアドバイスに留めて同行しないパターンが多いのは、ズバリ言って大変だからである。克服するべき問題の難易度下げちゃうしね!

でも、話の都合上賢い奴出さざるを得ないこともあろう! 仕方ないよねバカばかりでは話が進まんもんな!

その時はこの様にせよ。比較的楽に頭が良さそうに見える小技集だ。

1.語彙を敢えて拡張せよ。
普段使わない言い回しや熟語、故事成句を多用せよ。嗚呼燕雀いずくんぞ……とか、李下に冠を正さずとか、あれ系だ。小難しい言い回しをここぞとばかりに多用しろ。畢竟、莞爾として笑う、辣腕を奮う……大体賢い奴とバカの差は語彙に出る。セリフに漢語由来の熟語モリモリで賢さムーブマシマシだ!

2.予知せよ
頭のいいやつは大体少ない手掛かりから正解を引き出す。よって、「こんな事もあろうかと」「なぁに、読めておったよ」「無論、君ならこうするだろう」みたいな「そんなの知ってましたー」ムーブは賢さをマシマシにする。但しその際に「だって君はこうやっていただろう?」みたいな「見抜くポイント」を用意していた方が良い。

3.敢えて分からぬと言わせよ
無知の知である。分からないことを素直に分からぬと言えるのは賢者だからだ。ソクラテスはこの技で無双した。インチキ臭いが。(賢い奴出すなら無知の知を論破する思考実験ぐらいはしておきたい)

ソクラテスはひろゆきの同類だと思う。

4.とりあえず倫理の教科書読み直せ
あれ、賢者って言われてる連中のこと網羅してるから。現代思想家までとりあえず概略は読んどけ。中坊の君は高校で必ず倫理社会選択しろ。あれ履修せずに作家になれると思うなよ! 


と、色々書いたがこれらは小手先のテクニックに過ぎない。根本的にはバカは天才を描けないので、作家志望するなら頭を良くするしかないのだ。つーか、物を知らない作家ってあり得んから。平均より知識や頭の回転が遅い人間が作家として大成するとは思えぬ。物書きやりたきゃ頭を良くしろ。それは基本だ。その基本があって更に小手先の技を駆使したら誤魔化せるが、知能も知識も何もかもが無いアホが天才を描こうとするとどこぞの7女みたいなアクティブバカを天才設定して私みたいな人間に頭痛を与える惨劇になる。辛いからやめろ。


ていうかね。
諸君が読んできた物語にも「真に頭がいい奴」「頭が良いと設定されてるが、馬鹿」がいた筈なんだよ。ちゃんと知恵者が知恵者に見えて、なんで設定では賢いがバカに見えるキャラがいるかを考えれば、自ずと賢く見える要素は見つかる筈である。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!