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どこよりもギリギリ!第94回アカデミー賞全部門受賞予想!

今年も気がついたらこの時期がやってきましたよ。
ということで3月28日に発表される第94回アカデミー賞の全部門予想です!
もう今日!

現在主要なノミネート関連作品ですでに見たのは、
「コーダ あいのうた」「ドライブ・マイ・カー」「DUNE /デューン 砂の惑星」「ドリームプラン」「ウェスト・サイド・ストーリー」ぐらいなので、予想が当たるかどうかは温かい目で見守りください。

【作品賞】
◎『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
▲『ベルファスト』
△『コーダ あいのうた』
『ドント・ルック・アップ』
○『ドライブ・マイ・カー』
『DUNE /デューン 砂の惑星』
『ドリームプラン』
『リコリス・ピザ』
『ナイトメア・アリー』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

 作品賞の本命は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』。
前哨戦の成績、編集賞、脚色賞にノミネートされており俳優部門もノミネート多数と実績面でもさることながら、西部劇の時代というアメリカ映画の最盛期のフォーマットながらも新しい感性のドラマを描いたという作風や構成も賞に値すると思われます。よほどのことがない限り賞を逃すことはないと思うのですが、重箱の隅をつつくのであれば、本作はNetflixの配信映画であること。本来アカデミー賞の候補に上がる対象としては指定の期間内にアメリカ国内で劇場公開されていることが必須だったのですが、2018年の第91回より配信作品も対象となっています。そして同年の「ROMA/ローマ」以降、作品賞ノミネートはありましたが受賞はいまだならずです。
 もしこれがネックになるようであれば、『ドライブ・マイ・カー』にも可能性が残されています。こちらも前哨戦の評価は良く、作品の愛する者の喪失とそこからの再生というのは普遍的なテーマでもあります。ただしどちらかと言うとアート系の小品であること、4時間の長尺であること、そして主たる言語が英語ではないことが嫌われる可能性もあります。本作の劇中劇「ワーニャ伯父さん」では日本語以外にも英語、中国語、インドネシア語、韓国語、韓国語の手話が共演していて、言葉の壁を打破したらそれはそれで興味深いのですが、まずは日本映画として初めての作品賞ノミネートで十分称賛に値するものと思ってしまいますね。
 3番手は『ベルファスト』。こちらも前哨戦成績は良く、監督のケネス・ブラナーの半自伝的映画というのがどこまで評価されるかといったところでしょう。
 4番手は『コーダ あいのうた』。自分以外の家族が全員耳が聞こえないという家庭で育った少女の葛藤と成長を描く作品は万人受けする題材だとは思います。リメイク作ということと素直すぎる作品で賞レースには向かない印象もあるのがどう受け取られるかですね。

【監督賞】
○ケネス・ブラナー(『ベルファスト』)
濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』)
ポール・トーマス・アンダーソン(『リコリス・ピザ』)
◎ジェーン・カンピオン(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)
スティーヴン・スピルバーグ(『ウエスト・サイド・ストーリー』)

 こちらも本命は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオンですね。
作品の力が純粋に評価されることもあるでしょうし、自身は1993年の『ピアノ・レッスン』で第66回アカデミー賞にノミネートされながらも受賞を逃したということで、ここは29年越しの悲願を達成するのではないかと思われます。女性監督はこれまで『ハートロッカー』のキャスリン・ビグロー、そして昨年の『ノマドランド』のクロエ・ジャオと2人しかいませんが、おそらくそれは些末な問題でしょう。
 対抗は『ベルファスト』のケネス・ブラナー。初期の頃は自身がメガフォンを取っていたのはシェイクスピア作品の映画化や興行的には失敗作とされた「フランケンシュタイン」などのイメージでしたが、今は芸術性の高い作品からメジャー系の大作まで幅広く作っており、そうした貢献度も考慮すると逆転の目があるかも。
 『リコリス・ピザ』のポール・トーマス・アンダーソンもこれまで幾度とノミネートはされながらも受賞はないのですが、作品の勢いで行くとやや劣勢かもしれません。
 『ウエスト・サイド・ストーリー』のスティーヴン・スピルバーグもすでに『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』で受賞しており、いずれ3度目はあるかもしれませんが、娯楽系のミュージカルのリメイクということで今回はないかと。ちなみに1994年の『シンドラーのリスト』のときの対抗が『ピアノ・レッスン』だったので、ジェーン・カンピオンが受賞するとここでそのリベンジとなるのも熱い展開なので、それもさらに後押しをしそうです。
 『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督もまだまだ若いのでここはノミネートで素直に喜んでおくべきといった印象ですかね。

【主演女優賞】
◎ジェシカ・チャステイン(『タミーフェイの瞳』)
○オリヴィア・コールマン(『ロスト・ドーター』)
ニコール・キッドマン(『愛すべき夫妻の秘密』)
▲クリステン・スチュワート(『スペンサー ダイアナの決意』)
ペネロペ・クルス(『Parallel Mothers(原題)』)

 主演女優賞の候補者の作品はどれも作品賞にはノミネートされておらず、それだけ演技が突出していたということなのかもしれません。
 本命は、『タミーフェイの瞳』のジェシカ・チャステイン。キャストに対する賞として重要な俳優組合賞を受賞しており、これまでにアカデミー賞ノミネート歴もあり、実在の人物を演じている、メーキャップで本人とわからないぐらいの大変身をしている、などアカデミー賞に強い要素を全て持っているのも強みでしょう。
 対抗は、『ロスト・ドーター』のオリヴィア・コールマン。実在の人物を演じるのは強みではあるのですが、今回の候補者の3名が該当しますし、メーキャップによる大変身は上記にジェシカ・チャステインの他にニコール・キッドマンもいます。純粋な演技の比較となった場合に過去に受賞歴もあるベテラン女優の強みが出るのではないでしょうか。
 3番手は、『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワート。こちらもダイアナ妃に扮しているということで実在の人物ですが、本人がわからないレベルまでではないので逆にそれが評価される可能性もあります。ただし、候補者の中で上記の俳優組合賞に唯一ノミネートされておらず、その形での受賞者が過去にいないだけにそれがネックとなるかもしれません。
 ニコール・キッドマンとペネロペ・クルスはすでに受賞者でもあるのでここでは候補までか。

【主演男優賞】
ハビエル・バルデム(『愛すべき夫妻の秘密』
○ベネディクト・カンバーバッチ(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)
▲アンドリュー・ガーフィールド(『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』)
◎ウィル・スミス(『ドリームプラン』)
デンゼル・ワシントン(『マクベス』)

 こちらは俳優組合賞と全てノミネーションが重なっています。そして主演女優賞とは対照的に作品賞ノミネート作品に出演している人もいます。
 となれば本命は『ドリームプラン』のウィル・スミス。プロテニスプレーヤーのウィリアムズ姉妹を育て上げた父親という実在の人物を演じており、娘たちの将来のために厳しくも優しい父親を好演していて、作品自体も素直に楽しめる1本でした。エンタメ系の作品出演が多いので、賞を獲れそうな役どころということを考えても今回は絶好のチャンスでしょう。ただアカデミー賞はいわゆるドル箱スターを嫌う傾向があるのも事実で、そういった点で評価を下げられる可能性はあるかもしれません。
 そうなると対抗は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチ。作品のパワーも後押しとなるでしょうし『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』以来のノミネート、前哨戦での評判も悪くないと穴らしい穴がありません。
 3番手は『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』のアンドリュー・ガーフィールド。「RENT」を生み出したジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルで、実在の人物役とこれまたこの部門に強い要素も持っています。作品賞こそノミネートされていませんが作品自体の評価も高く、本作を評価する人の票がここに集中する可能性はあると思います。

【助演女優賞】
○ジェシー・バックリー(『ロスト・ドーター』)
◎アリアナ・デボーズ(『ウエスト・サイド・ストーリー』)
ジュディ・デンチ(『ベルファスト』)
キルスティン・ダンスト(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)
アーンジャニュー・エリス(『ドリームプラン』)

 こちらも俳優組合賞ノミネートと照らし合わせて考えると、両方にノミネートされているのはアリアナ・デボーズとキルスティン・ダンスト。となると本命は受賞しているアリアナ・デボーズと見ます。『ウェスト・サイド・ストーリー』のアニータ役は対立するボスの恋人にして義妹を応援したい気持ちもありながらと心揺れる役どころ、さらには人種差別の描写において重要なファクターにもなっています。オリジナル作品のアニータ役だったリタ・モレノも同賞を受賞しているので、今回受賞となると同じ役柄で41年ぶりの受賞となるとやはりそれはドラマチックでしょう。対抗は『ロスト・ドーター』のジェシー・バックリー。俳優組合賞で受賞を逃しているキルスティン・ダンスト、出演時間がそれほど長くないジュディ・デンチ、ウィル・スミスの方に票が集まる分こちらでは疑問符のつくアーンジャニュー・エリスはそれぞれ減点ポイントがあると見ました。

【助演男優賞】
キアラン・ハインズ(『ベルファスト』)
◎トロイ・コッツァー(『コーダ あいのうた』)
ジェシー・プレモンス(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)
コディ・スミット=マクフィー(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)
J・K・シモンズ(『愛すべき夫婦の秘密』)

ここは大本命『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァーでしょう。聴覚障害のある漁師役で頑固だけどユーモアもあって家族愛にあふれているというなんとも評価されやすい役どころですし、前哨戦、前評判あらゆる面で大きくリードしているのではないでしょうか?

【脚本賞】
◎ケネス・ブラナー(『ベルファスト』)
アダム・マッケイ、デヴィッド・シロタ(『 ドント・ルック・アップ』)
ザック・ベイリン(『ドリームプラン』)
▲ポール・トーマス・アンダーソン(『リコリス・ピザ』)
○ヨアヒム・トリアー、エスキル・フォクト(『The Worst Person in the World(原題)』)

 本音を言えばポール・トーマス・アンダーソンを推したいところですが、これまでノミネートこそされど受賞を逃してきただけにここでもまだ受賞はないような気がします。
となると本命は『ベルファスト』のケネス・ブラナー。作品の力を考えると純粋に強いのではという印象です。対抗は『The Worst Person in the World(原題)』のヨアヒム・トリアー、エスキル・フォクト。外国語映画賞にもノミネートされておりここに食い込んできたということはそれだけ脚本も素晴らしいのではないかと。

【脚色賞】
▲シアン・へダー(『コーダ あいのうた』)
◎濱口竜介、大江崇允(『ドライブ・マイ・カー』)
エリック・ロス、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ジョン・スペイツ(『DUNE/デューン 砂の惑星』)
マギー・ギレンホール(『ロスト・ドーター』)
○ジェーン・カンピオン(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)

 ここは『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介、大江崇允を応援も込めて推してみます。原作は村上春樹の短編小説ということで、作家としての評価は言わずもがな、その短編を長編の作品として作り上げるためには脚色の力が重要なはずでそれが評価される可能性は大いにある。
 対抗はやはり作品の力を考えて『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオン、『コーダ あいのうた』のシアン・へダーも作品のリメイクにおける脚色は評価されそう。

【撮影賞】
◎『DUNE/デューン 砂の惑星』
○『ナイトメア・アリー』
▲『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『ウエスト・サイド・ストーリー』
『マクベス』

 技術系の賞ならばSF大作である『DUNE/デューン 砂の惑星』を評価する手。グレイグ・フレイザーは 「LION/ライオン ~25年目のただいま~」以来のノミネートということで資格も十分。対抗は『ナイトメア・アリー』。こちらもダン・ローストセンは『シェイプ・オブ・ウォーター』以来2度目のノミネートということで条件は一緒。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のアリ・ワグナーはこれまでの実績やキャリアを考えて3番手としますが、ここで受賞するようなら主要賞の総ナメの可能性も出てきますね。

【編集賞】
◎『ドント・ルック・アップ』
『ドリームプラン』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
▲『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』
○『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
 
 観客が見るのは当然編集後の作品になるので、編集賞は作品賞と切って切り離せない関係とはよく言われています。なので本命は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』・・・と行きたいところですが、過去に「ボーン・アルティメイタム」や「ソーシャル・ネットワーク」など作品賞はのがしていてもその技術が評価されている作品は多くあるので、今回は『ドント・ルック・アップ』のハンク・コーウィンと予想します。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」「バイス」とこれまで2回ノミネートされているので実績も十分でしょう。対抗は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のピーター・シベラスとして、気になるのは『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』のマイロン・カースタインとアンドリュー・ワイスブラム。同作はここと主演男優賞しかノミネートされていないので逆に言えば評価されやすい部門だったのかもしれません。

【美術賞】
◎『DUNE/デューン 砂の惑星』
○『ナイトメア・アリー』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
▲『ウエスト・サイド・ストーリー』
『マクベス』

ここもやはりSF系作品が強いのではないでしょうか。『DUNE/デューン 砂の惑星』のパトリス・ヴァーメットは今回でノミネート3回目と実績も申し分なし。対抗は『ナイトメア・アリー』のタマラ・デヴェレル。実績面では劣るも作品の力で逆転も目があるかもしれません。気になるのは『ウエスト・サイド・ストーリー』のアダム・ストックハウゼン。ウェス・アンダーソン監督作品の美術を担当しており今回は「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」がノミネートされませんでしたがその分こちらに票が集まる可能性も。

【衣装デザイン賞】
ルイス・セケイラ(『ナイトメア・アリー』)
◎ジェニー・ビーヴァン(『クルエラ』)
ポール・タゼウェル(『ウエスト・サイド・ストーリー』)
○ジャクリーン・ウェスト、ロバート・モーガン(『DUNE/デューン 砂の惑星』)
マッシモ・カンティーニ・パリーニ、ジャクリーヌ・デュラン(『シラノ』)

 本命は『クルエラ』のジェニー・ビーヴァン。作品自体クルエラはデザイナーをしているという設定なので多くの印象的なデザインの洋服が出てきています。ジェニー・ビーヴァンはこれまでいわゆる時代物のコスチュームが多かった印象ですが、現代的な作品でまた新味を見せているというのも評価されそうですね。アカデミー賞はこれまで11回ノミネート2回受賞と実績も申し分なし。対抗は『DUNE/デューン 砂の惑星』のジャクリーン・ウェスト、ロバート・モーガン。ジャクリーン・ウェストはアカデミー賞はこれまで4度ノミネートで受賞はなしということで順番がきてもおかしくはない。

【メイク・ヘアスタイリング賞】
○『ハウス・オブ・グッチ』
『クルエラ』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
◎『タミーフェイの瞳』
『星の王子ニューヨークへ行く2』

 本命は『タミーフェイの瞳』。この部門は近年実在の人物に瓜二つに似せる特殊メイクアップが評価される印象があるので、それに該当する作品として。対抗は同じくジャレッド・レトを別人に変貌させた『ハウス・オブ・グッチ』。

【音響賞】
『ウエスト・サイド・ストーリー』
◎『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ベルファスト』
○『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 こちらも戦争映画やアクション、SF大作系が強い部門となっていますので、本命は『DUNE/デューン 砂の惑星』。対抗にもアクション映画の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を選びました。

【視覚効果賞】
▲『フリー・ガイ』
○『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
◎『DUNE/デューン 砂の惑星』
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』

 ここもSF系の作品が強力ですし、作品の力を考えると『DUNE/デューン 砂の惑星』が強いのではないでしょうか?大きく離れて『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』、『フリー・ガイ』。

【歌曲賞】
○「Be Alive」-ビヨンセ(『ドリームプラン』)
「Down to Joy」-ヴァン・モリソン(『ベルファスト』)
◎「No Time to Die」-ビリー・アイリッシュ、フィニアス・オコネル(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)
▲「2匹のオルギータス」-リン=マヌエル・ミランダ(『ミラベルと魔法だらけの家』)
「Somehow You Do」-ダイアン・ウォーレン(『Four Good Days(原題)』)

 本命は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のビリー・アイリッシュ、フィニアス・オコネル。ダニエル・クレイグ版007のどこか憂いのある雰囲気を醸し出した主題歌は映画のイメージをさらに増幅させてくれていた印象でした。対抗も『ドリームプラン』のビヨンセ。夢を叶える系の作品ということでビヨンセ自身ともかぶります。この部門で圧倒的な強さを誇るディズニー作品の『ミラベルと魔法だらけの家』のリン=マヌエル・ミランダがそれに続くか。

【作曲賞】
ニコラス・ブリテル(『ドント・ルック・アップ』)
○ハンス・ジマー(『DUNE/デューン 砂の惑星』)
ジャーメイン・フランコ(『ミラベルと魔法だらけの家』)
アルベイト・イグレシアス(『Parallel Mothers(原題)』)
◎ジョニー・グリーンウッド(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)

 実績の比較で言えばハンス・ジマーなのだが、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジョニー・グリーンウッドを推してみたい。世界的ロックバンド、レディオヘッドのギターながら映画音楽の作曲も数多くこなしており今回は「ファントム・スレッド」に続くノミネート。受賞の目があってもおかしくはないです。
 
【国際長編映画賞】
◎『ドライブ・マイ・カー』(日本)
『Flee(原題)』(デンマーク)
『The Hand of God』(イタリア)
▲『ブータン 山の教室』(ブータン)
○『The Worst People in the World(原題)』(ノルウェー)

ここは『ドライブ・マイ・カー』を推します。唯一作品賞ノミネート作品でもありますし、この部門ならば一番評価しやすいのではないでしょうか。対抗は脚本賞にもノミネートされている『The Worst People in the World(原題)』、サプライズがあれば『ブータン 山の教室』。

【長編アニメ映画賞】
○『ミラベルと魔法だらけの家』
◎『Flee(原題)』
『あの夏のルカ』
▲『ミッチェル家とマシンの反乱』
『ラーヤと龍の王国』

 ここはディズニーが圧倒的な強さを誇る部門で今回も5作品中3作品がディズニーですが、あえて本命は『Flee(原題)』。デンマーク製のアニメである男が祖国から逃亡した過去を語るというドキュメンタリーで、この部門のほか、国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞にもノミネートされていることからもその評価は歴然。ディズニーを向こうに回しての受賞もあり得るかもしれません。
 対抗はディズニーの本命『ミラベルと魔法だらけの家』。ただし今年は3作品ということで票割れを起こす可能性を考えると『ミッチェル家とマシンの反乱』が漁夫の利を得る可能性も。

【長編ドキュメンタリー賞】
『Ascension(原題)』
『Attica(原題)』
○『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放送されなかった時)』
『燃え上がる記者たち』
◎『Flee(原題)』

 本命は『Flee(原題)』。アニメ作品ながらLGBTQなどの問題も内包した内容は各方面で絶賛されており、3部門ノミネートということでここも受賞する可能性は高いのではないでしょうか。対抗は『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放送されなかった時)』。他の3作品が差別や人種問題をメインテーマにしているだけに、その内容を含みつつも音楽の素晴らしさが伝わってくる本作の方が評価しやすそうな感じがします。

短編の賞はよくわかってないので予想だけ。

【短編アニメ映画賞】
○『Affairs of Art(原題)』
『Bestia(原題)』
『The Windshield Wiper(原題)』
『ボクシングバレー』
◎『ことりのロビン』

【短編実写映画賞】
▲『Ala Kachuu – Take and Run(原題)』
◎『The Long Good Bye(原題)』
『The Dress(原題)』
『On My Mind(原題)』
○『Please Hold(原題)』

【短編ドキュメンタリー賞】
◎『オーディブル:鼓動を響かせて』
『私の帰る場所』
▲『The Queen of Basketball(原題)』
○『ベナジルに捧げる3つの歌』
『When We Were Bullies(原題)』

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