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長期的なビジョンや目標を持つ価値

新年あけましておめでとうございます。
どんな年明けをお過ごしでしょうか?

年始は、何かと「目標」が取りざたされる時期ですね。
あなたにとって「目標」とはなんですか?


「目標」の意味付け

私は、この目標は「必ず達成しなければならない」と心の中でつぶやくと、自然に息を止めてしまうようで、猫背になって肩に力が入ります。緊張するのでしょうね。
一方で、少し先の“こう在りたい自分”のビジョンを思い描いて、そこに向かうマイルストーンとしての目標を立て、その目標が「自分の時間とエネルギーの使い方に明確な方向性を与えてくれる」と思うと、ちょっとワクワクしてやる気がわいてきます。

あなたは、「ビジョン」や「目標」という言葉にどんな意味付けをしていますか?
そして、そこからどのような影響を受けていますか?

20年前の自分が描いたビジョンと目標

昨年の暮れに長年の友人が、私が41歳の時に出した年賀状が出てきたと言って、その写メを共有してくれました。穴が合ったら入りたいくらいの文面なのですが、この後お伝えしたいことのために、恥を忍んでご紹介します。

“60歳になったときには、ポルシェを疾走させるかっこいいおばあちゃんになっていたい。その頃は、惜しまれながら引退する国際的に有名なエグゼクティブコーチなの”、なんて夢物語を自分のコーチに話したのが昨年の2月末、6月に40歳にして運転免許を取り、子供のころからあこがれだったマニュアルドライブのスポーツカーを買い、11月に(財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチの資格を取りました。看板に追いついていない現状に青くなりつつ、これから自分の時間をどう使おうかと、今年がまた楽しみでもあります。

とのたまっていたその当時の私。小さな外資系企業で働く会社員でしたが、バブルの残り香がプンプンする、ギラギラな感じでしたね(汗)

当時描いたビジョンの中の自分と今の自分

昨年9月に還暦を迎えて本当に60歳になった私は、かっこいいかどうか以前に、「おばあちゃん」だという自己認識はなく、離婚して都内だけで暮らすようになってからはすっかりペーパードライバーに成り下がり、ポルシェを欲しいとは思っておらず、エグゼクティブコーチではあるもののクライアントはもっぱら日本人だけで、引退なんて贅沢なことは到底考えられない状況です。

41歳の身の程知らずで世間知らずの私が憧れていた人物とは別物に成った今の自分を見て、そうではあっても、妄想でもいいからビジョンを持つ、そして、そこに向かうための具体的な目標を持つことの価値を改めて認識しました。

長期的なビジョンを描くことの価値

私のビジョンは浅はかだったかもしれないけれど、その時の自分にはうかがい知れない、キラリと光る大切な種を含んでいました。

「副業」という言葉さえなかった当時、上司や社長に掛け合って、有料でクライアントを取ってコーチングをすることをOKしてもらいました。決して暇ではなかった役員の仕事をしながら、平日の早朝や週末にコーチングを学び・教え・提供し・受けるというコーチング漬けの生活を送りました。数年に一度、一つ上、またその一つ上と、コーチングの資格の受験要件に帳尻を合わせるためにクライアントを増やそうとしました。AIの文字起こし機能なんてない時代に、海外出張の機内で寝ずにセッションの録音の文字起こしをしました。全て、あの妄想が後押ししてくれたからできたことです。

20年前に描いたビジョンは荒唐無稽な妄想だったけれど、そこに近づこうとして費やした時間とエネルギーは確かなものを形成し、60歳の私を創ってくれました。そうやってこの自分に成ったことを再認識して、今、私の中に静かな自己信頼が湧いています。

ビジョンや目標は私を導く手段で、それがあるから人生の方向性が生まれます。
ですが、その手段は、私よりも小さなものです。
私が成長すれば、ビジョンも目標も、古く的外れなものになります。

今、20年後の自分と世界をビジョンする

今年は少し時間をかけて、80歳の時のビジョンを描いてみようと思っています。

まず、「かっこいいおばあちゃん」のイメージをアップデートして鮮明にする必要があります。41歳の時に欲しかったものは、もう欲しくありません。何かをする・達成する、何かを手に入れるということよりは、どんな感情で生きていて、どんな佇まいで、誰とどんな関係でいたいか、社会がどうあって欲しいか、などがテーマな気がしています。

全くその通りにはならないし、実際に80歳になったときには、なんて陳腐なことを考えていたのかときっと恥ずかしくなることはわかっているのですが、今の私は、その妄想の中に、将来の私自身の種が含まれていることも知っています。それが何かは今の自分にはわからないけれど、それでよいのだと思っています。

そして、ひとりのコーチとして、未来のあなたが笑いのネタにして、同時にかつての自分に感謝を抱くような、あなたのかけがえのないビジョンや目標を、ご一緒に探究したいと願っています。

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