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立ち止まる機会、自己観察の問い

先日、Edge Faci-Leader (ファシリテーション型リーダーシップ開発トレーニング)の第5期の卒業生たちと、久しぶりにオンラインで集まって、フォローアップセッションを実施しました。

フォローアップセッションの流れ

セミナーで学んだこと・気づいたことを職場で実践に移し、その成功体験・失敗体験を少人数のワーキング・グループの仲間と共有した上で次のセミナーを迎え、その場で疑問を解消し、新しい視点やスキルに触れる。このインプットとアウトプットのサイクルを回す集中的なトレーニング期間を昨年の9月末に終了し、学びの仲間たちと離れ離れになって独りで日常を走り続けた4ヶ月を過ごした後の再会。

フォローアップセッションは
●チェックインで、今日ここで解決したい(解決のヒントを得たい)と思っていることを順番に一人ずつ話し
●「皆の課題に共通しているテーマは何だろう?」という問いとともに、全員が全員の話をよく聞いて
●皆の課題に共通する本質的なテーマを洗い出すディスカッションをした後に
●20分のブレイクアウトで意見交換をして
●メインルームでチェックアウト
という流れで進行しました。

自分達の「今」を扱いながら、一旦立ち止まって、自己観察するための時間になりました。

共通のテーマと「場」からうまれた気づき

自分達の課題を全員で共有したあと、ディスカッションを展開して、洗い出された皆に共通していたテーマは、「わかっているのにできない!」というストレスでした。

「沢山学んだからこそ、自然とあれもこれもと要求の水準が高くなって、自分へのチェックや批判が厳しくなるよね~」 
20分のブレイクアウトから出てきた皆さんが、異口同音に語っていたのは、自分に求めるハードルを高くしすぎて、知らず知らずに自分で自分を緊張させ、委縮させてしまって、できるはずのことも出来なくしてしまっていたことへの気づきと、その緊張状態からの解放でした。

ファシリテーションでは、「意見はその人の持ち物であって、その人そのものではない」という認識が役にたちます。「その人がそういう意見を持つに至った背景は何だろう?」という興味関心を持つことで、落ち着いて相手を理解しようという心のスイッチを入れることができます。

このテクニックは、外側に向けてのみならず、自分自身の内側にも適応できます。

無意識的に自分で自分に浴びせかけていた、「もっと●●しなくてはダメ!」「なんで■■できないの!」「準備した通りに進んでいない!」といった内側の裁きの声を感知することができて、その声の源にある原因を理解した卒業生の皆さんは、自分が緊張していたことを受け入れて、リラックス感を取り戻しました。皆さんにとっては、既に知っている知識を、新しい体験とともに学びなおす機会になったようです。

ほんの数十分でこうした気づきと変化を経験できるのも、長期間にわたって学びと実践を積み重ね、共有しているものが沢山ある仲間同士の場だから。

フィードバックで、更に客観的に

最後に一つ、私から皆さんにフィードバックさせていただきました。皆さんが必要以上に自分を緊張させていた原因の一つは、「沢山学んだのに、自分は何もできていない」という“ゆがんだ自己認識”のように感じます、と。

でも、そもそも、皆さんが必要以上に自分を緊張させていた原因は、「自分は何もできていない」という “ゆがんだ自己認識” ではないかと、最後に私からフィードバックさせてもらいました。

今のあなたが理解している、人間心理のこと、自分のこと、チームメンバーのこと、ファシリテーションのこと、リーダーの姿勢などを、トレーニングに参加する前のあなたはどのくらい知っていましたか? 
今のあなたが当たり前だと思っていること、何気なくやっていることは、1年前のあなたにとって、どのくらい自然なことでしたか?
私から見ると、皆さん一年前とは別人ですよ~と。

「今」だけに意識を固定せずに、長いスパンで、事実ベースで自分のことを俯瞰的に観察してみると、ちゃんと種から根を出していて、すくすく伸びている茎や葉が見えるはず。

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今の自分の状態は?
何が原因でそうなっているのかな?
今の状態を、長い時間の流れの中で見てみると?

日常生活の中で、こういう問いとともに小さな自己観察の練習を重ねていくことで、ファシリーダーとしてのパフォーマンスはおろか、一人の人としてのハピネス度が向上すると、私は思っています。

またしばらく時間をあけて、卒業生の皆さんと再会できる機会を楽しみにしています。

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