「七日七夜」(山本周五郎)

 本田昌平は旗本の四男で、いつもなにか我慢しています。侍は体裁を気にして生きていかないといけません。使用人以下の扱いが続いて自制心の限界がきてしまいます。兄嫁からお金を奪って家を出ていきます。七日間遊び歩いてお金は底をつきます。人生何が起こるかわかりませんが、最後にたどり着く居酒屋の店主とその娘の千代は善意にあふれた人で、ずぶ濡れになった昌平を気づかってくれます。熱で錯乱している昌平を助けてくれるほど優しい親子です。昌平は実家へ帰らずに居酒屋で働き続けます。必要とされる場所へたどり着けて幸せになれて良かったなと思います。

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