「賊将」(池波正太郎)

 桐野利秋はもともとの名を中村半次郎といい、明治維新の時に名を上げて陸軍少将になりました。西郷隆盛に重用されていたこともあり、桐野利秋という名も西郷隆盛につけてもらっています。二十五にもなって河童退治に行ったりと変わった所がありますが、貧乏な家を一人で支え、鍛錬も続けるところに周囲の人から評価されています。純真で頑固、御恩と奉公を大事にする昔の侍のような人物です。取り立ててもらった西郷隆盛とともに西南戦争にのぞみ、賊軍として死んでしまいます。敵である政府軍の将にも惜しまれる程の人物でした。

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