「争われない事実」(小林多喜二)

 共産党というものを知らない故郷の家族と、東京で共産党員として活動している健吉の温度差を感じる作品です。親孝行でおとなしいはずの健吉が監獄にいると聞いて家族は動転して健吉に会いに行きます。
 健吉が村で働くよりも監獄の中のほうが快適と言っていたので当時の農民の様子が気になりました。作品中に出てきた小作争議について調べてみると、戦前は小作人制度が残っていたそうです。プランテーションの労働者と同じような制度なので今のブラック労働よりもさらに悪い状態です。少し歴史の勉強にもなりました。

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