銚子電鉄の愛おしさ

先週の金曜日に有休をとって、週末休みとくっつけて銚子に行った。

そこでは、温泉に入って、海鮮食べて、銚子電鉄に乗ってるだけの週末を過ごした。何も生み出してはいない。

ほかに気が向いたことをする以外は何もせずいるので、21時でもとても夜遅い気分。何もやることがないと、時間の流れはゆっくり進む。おそらくこっちの方が自然な時間の流れなんだと思った。

周りも静かだ。本当に静か。誰もいないんじゃないかと思うくらい。21時が体感ではド深夜だ。



今回乗った銚子電鉄は、鉄道事業がとにかく赤字で、その補填としてぬれせんべいなどを売ったり、とにかくいろんな手段でメディアに取り上げられるよう頑張っている鉄道だ。そうしてどうにかこうにか諦めず鉄道の運行を続けている、とてもけなげな鉄道である。

各駅に愛称みたいなのもついていて、その中に笠上黒生駅というのがある。その名称から、かみのけくろはえ、なんていう愛称がつけられていた。

私が乗った金曜の18時頃には2両の中に乗客はほとんどおらず、そんなだじゃれががらんとした車内に響いていた。そのほかはとことこと静かな銚子市街を走る音が聞こえるだけだ。


銚子電鉄の終電の時間を見ると、21時過ぎまで運行しているようだった。

つまり、こんな夜遅く(21時)まで銚子電鉄はとことこ走っているのである。そんな様子を思うと、とても愛おしくなる。

しかも、毎回「笠上黒生、かみのけくろはえ。」とかいうだじゃれをアナウンスしているのだ。愛おしさが爆発する。

一生懸命なりふりかまわず頑張っているなあ、という気分になる。

夜遅くまで、えっほ、えっほ。かみのけくろはえ。


そんないじらしい銚子電鉄は、多くの人から愛される。先日銚子電鉄が所有する3台の車両のうち、2台が故障・点検となってしまい、運行そのものが限界となった、というニュースがあった。

しかし、そんなピンチに、元々の車両の提供元である伊予鉄道や京王重機整備が代替的な部品の提供や技術的サポートをしてくれたそうだ。そのために無事、私が乗った時点では通常ダイヤでの運行になっていた。


とてもほっこりするニュースであるとともに、「そりゃそうだよな、あんなけなげな鉄道だもの」と思った。


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