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ボクらのボンクラ映画 vol.2【試し読み】

ぷらすです。

拙作「ボクらのボンクラ映画 vol.2」を早くもご購入頂いた皆様、ありがとうございます。m(_ _)m
この記事は販促活動の一環として、本の中から作品1本分の感想を無料で公開し「大体こんな感じの内容ですよ」という事を知って頂こうという企m…げふんげふん試みです。

ちょっと気になるけど、内容が分からないし……と躊躇されている方は是非、この試し読みで判断して頂けたらと思いますよー。

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表紙

画像1

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聲の形(2016)

原作の話をざっくりと

本作は、漫画家の大今良時さんの原作を元に『けいおん!』の京都アニメーションが製作した劇場版アニメです。

原作の方は、大今氏が2008年にオリジナル版を『週刊少年マガジン』編集部に投稿、第80回週刊少年マガジン新人漫画賞に入選します。
しかし、聴覚障害者に対するいじめをテーマにしている内容の際どさから雑誌掲載は見送られ、以降どこにも掲載されることなく、一時「幻の作品」となってしまうんですね。

その後、大今氏は2010年に創刊されたばかりの別冊少年マガジンにて冲方丁原作のSF小説『マルドゥック・スクランブル』のコミカライズ連載を開始しヒット。

これを期に別冊少年マガジンの班長・朴鐘顕氏が「どうしても(大今の)受賞作を読者に読んでほしい」と、講談社の法務部および弁護士、さらに全日本ろうあ連盟とも協議を重ねた結果、マンガ「**聲の形**」は別冊少年マガジン2011年2月号に掲載することに。(ちなみに、ろうあ連盟からは「何も変えずそのまま載せてください」と言われたそうです)

このオリジナル版が人気連載マンガを抜いて読者アンケートで1位を獲得。
週刊少年マガジンへの連載が内定するも、連載版『聲の形』第1話の原稿をマガジン編集部の連載会議に提出した結果「まずは読み切り掲載」でとなります。

こうして発表されたリメイク版は、(賛否両論あったものの)その反響の大きさから、発売翌週には正式に連載が決定。2013年8月7日発売の36・37合併号より連載開始されたんですね。

そんな原作を、「けいおん!」「たまこラブストーリー」の山田 尚子が監督し、京都アニメーションが製作したのが本作なのです。

タブーを描くことの覚悟

本作は障害&いじめ問題っていう二つのデリケートな題材を扱う作品です。

主人公石田将也はガキ大将的な子供で、クラスもそれなりに和気あいあいとやっているわけですが、そこに聴覚に障害を持つ女の子・西宮硝子が転校してきます。

耳が聞こえない彼女は幼い子供達にとってはいわば異分子で、しかも担任は彼女に対して一切フォローを入れないダメ教師だし、副担任はフォローの方向性がズレている事も災いし、クラスで浮いてしまった硝子はいじめの対象となってしまい、そんな彼女を率先していじめるのが将也なわけです。

で、「ある事件」をキッカケにいじめの対象は将也へと移り硝子は転校、そして彼は心を閉ざしたまま高校生になって身辺整理のあと自殺を考えるまでに。

この小学生パートは僕から見てもかなりエグいし、子供独特の残酷さみたいなものをギリギリまで描いているショックも大きくて、正直、批判的な意見が出ちゃうのも分かるなーという感じでしたねー。

そんな将也が、人生の精算として硝子と再開することから物語は始まっていくというのが本作の大まかなストーリーです。

本作では将也と硝子の他に、小学生の時女子グループのリーダーで硝子を無視していた植野直花
八方美人でいじめの傍観者だった川井みき
将也の友達でしたが「ある事件」以降、将也をいじめる側になる島田 一旗
硝子と仲良くしようとしたことで直花にいやがらせされ不登校になる佐原みよこ

加害者・被害者・傍観者など、いじめの構造に象徴されるキャラクターがそれぞれ登場し、時を経て将也と硝子に出会うことで、“小学生の頃に負った傷”と再び向き合い、関係を再構築していくという物語なんですね。

そんなストーリーの流れから「加害者擁護」的な批判も出ている本作ですが、僕はそうは思いませんでした

もちろん、いじめが許されないのは当然ですが、加害者、被害者、傍観者といじめに関わった(もしくは巻き込まれた)キャラクターたちは、未熟さ故に引き起こしてしまった自分たちの行動に対して、それぞれが心に傷を負っていて、再開をきっかけに自分の罪を再び突きつけられ、苦しみながら向き合うことで、彼らなりの折り合いをつけて前進していくわけです。

今の時代に正面からそれを描くのはとてもリスキーで、それだけに関わった人たちは相当な覚悟を決めて本作に取り組んだんだろうって思ったし、ちゃんと最後まで観れば、本作が決して「加害者擁護」の物語ではない事も分かるんじゃないかと思いますよ。

特に最後の方で将也が硝子に言う“あるセリフ”は、「間違えた者」は徹底的に叩いて良しという昨今の風潮に対する一つの回答であり、問いかけでもあるんじゃないかなって思いました。

そしてあのラストは、紆余曲折を経て生まれ変わった、将也の産声だって思いましたねー。

女性監督ならではの視点

僕は原作未読なので、これはあくまで想像なんですが、本作での女子特有の嫌な感じをあれだけリアルに生々しく描けたのは、女性監督である山田さんだからなんじゃないかって思ったんですよね。

女子グループリーダーだった植野直花や、傍観者・川井みきの、“あの感じ”って、男性監督だと中々出せないんじゃないかなーと。

で、その辺のリアルさが、本作にリアルリティーを、キャラクターに実在感を出してるなーって思いました。

特に川井みきのアレとかね。もう、おーまーえー!!ってなりましたよw

確かに、本作のストーリーや描写はかなりエグい部分もあるし、高校生パート展開やオチに拒否反応を示してしまう人の気持ちもよく分かるんですが、少なくとも僕は、いじめと障害、そしてコミュニケーションという題材に対して、関わった人たちが覚悟を持って誠実に描いたと思うし、特にコミュニケーションの難しさと大切さをしっかり描いた傑作だと思いますねー。

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とまぁ、もちろん作品ごとに長短あるし、中にはネタバレ感想もありますが、概ねこんな感じの映画感想を125作品分詰め込んだ感想集で、どこから読んでもどこで止めても大丈夫なので、少しお時間が空いた時の暇つぶしにも最適ではないかと思います。

ジャンルは、ホラー・ゾンビ・アニメ・邦画・ドラマ・コメディー・ファンタジー・サスペンス・青春・アクション・SFに章立てているので、気になるジャンルの感想から読んで頂けるかと。

というわけで、気になった方は何卒ご購入よろしくお願いしまーす!
ではではー(´∀`)ノシ

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