見出し画像

リゾートマンションと貧乏②

そのマンションは海のすぐ近くにあった。

私は最下層に住んでいたが、なんと最上階には住民用の大浴場があり、夕方~夜は自由に使える。

大浴場からの眺めは海を一望出来る。一番のお気に入りの場所。その眺めでこのマンションに決めた程だ。

ガス代節約のためにも毎日大浴場に行った。

部屋の狭い狭い足も伸ばせないユニットバスはほぼ使われることなく、貧乏なくせに毎日広いお風呂で温泉気分は最高だ。実際、地下水を汲み上げて沸かしているらしく、ちゃんと調べてないけど温泉だよとオーナーさんが言っていた。色は茶色くて肌がスベスベになった。

住民は女性が少なかったので、よく大浴場を1人で満喫出来た。洗い場では石鹸(4つで100円)の泡でリンパマッサージをしたり、浴槽に出たり入ったりストレッチをしたり、そのおかげで身体はさらにスリムになった。

たまに思い出してあのマンションを検索するが、相変わらず家賃は安いし販売価格も安すぎて、宝くじが当たったら別荘として買いたい。

いや、洗濯物を外に干すと潮風でベタベタするし、夏は湿気が凄すぎて片っ端からカビ生えてからやっぱりもう少し高台の場所が良いな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?