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サイクロン掃除機は脳みそと一緒だなぁって思った話

結婚して、新生活を始めるために旦那さんと一緒に家電売り場に行った。
冷蔵庫に洗濯機に電子レンジに炊飯器にテレビ……
選ぶの多くてけっこう疲れたな~って時に
掃除機売り場に来て旦那さんと意見が分かれてしまった。

サイクロン掃除機か紙パックの掃除機か・・・!

旦那さんはサイクロン掃除機派。
理由は、「最近はこっちの方が売れているから。紙パック交換するの面倒やん。」
私は紙パック派だった。
理由は「一人暮らしで使っていて困ったことがなかったから。サイクロンはごみ捨てが大変なイメージ。」

旦那さんが店員さんにも意見を求めて「そうですね!最近はこちらの方が人気ですね!」と店員さんもサイクロン推し。

紙パックなんて頻繁に変えなくても大丈夫だったし、手も汚れないしいいと思うんだけどなぁ。なんて思ったけど、私自身別に家電に詳しいわけでもないし、さっき電子レンジで私の好きなデザインを選ばしてもらったし、店員さんもそう言うならいっかってことで、サイクロン掃除機を買うことになった。

掃除機を使い始める前に説明書を読んでみた。定期的にカップ内に溜まったごみを捨てないといけないし、フィルターなどについた埃も定期的に取らないといけない。さらにその部品たちの水洗いも定期的にしないといけないとのことだった。

まぁ予想通りか。

ごみ捨てラインのところまでごみが溜まると捨てるサインで掃除機からカップを外して捨てた。そしてフィルターに溜まった埃たちも手が触れないように爪の先で部品をつまみ上げて、部品同士をこすり合わせるようにして取り除いた。新生活で家事出来るアピールをしようと水洗いまできっちりやっていた。

でも私は面倒くさがりだから続かなかった。

捨てても捨ててもすぐごみは溜まるし、フィルターの掃除も塊となった埃たちと対峙しないといけないし。掃除機から部品を外して取り付けることすらももう面倒だった。部屋中掃除機かけて、終わり―、なら頑張れた。

「ほら、やっぱり紙パックの掃除機のほうがよかったやん。」
部屋の中でひとりイライラしながらつぶやいた。

家にいる時間が私のほうが長いし、仕方ないけど、1回掃除機のフィルター掃除してみぃや、あんたが選んだんやん。と旦那に言いたくなった。


ある日、家中掃除するのに掃除機の充電がもたなくなった。ちょっと丁寧に掃除しすぎたのかな、くらいに考えていた。

またちょっとして、あれ、掃除機の音こんなに元気なかったけ?もっとうるさかったような気がする、と違和感を感じるようになってきた。

もしかして、と思って私はしばらく掃除していなかったフィルター達と対峙してみた。
円盤形のスポンジにきれいにびっしりと高さのある埃がのっていた。
これはだめだと思って、部品についた埃を取り除いて、水で丸洗いした。

きれいになった部品をとりつけて掃除機をかけた。
ぶぉぉぉぉぉっときゅいーーーーんの間をとった勢いのある音が部屋中に響いた。これだ!これこれ!あ~元気なかったんだなぁ、充電がきれていたのも元気がなかったからだなぁ。ごめんなぁ。

ん?まてよ。

あ、これって人間の脳みそと一緒か!
なんでも吸い取れるけど、吸い取りすぎると元気がなくなっちゃう。
ちょっとずつ毎日溜まったごみを取り除いてあげると元気なままでいられる。
ごみを捨てずに吸い続けると、目に見えない埃が塊になって、溜まっていって、充電がすぐに切れてしまう。

私はいいことも悪いことも溜まったらすぐに吐き出す。母に話したり、友達に話したり、日記も毎日つけている。だから元気なのだ。

でも仕事で本当につらかった時は母にも友達にも心配をかけさせたくなかったし、弱い自分を知られるのも嫌で吐き出せなかった。毎日書いていた日記も「疲れた。」しか書いていなかった。「明日自分のせいで仕事がうまくまわらなかったらどうしよう。」そんなことをぐるぐると頭で考えていた時は眠れなくなった。悩みや不安を溜め込んでしまっていた。溜め込んだ悩みや不安が塊になって精神的な症状に表れてしまった。あの時どうすれば眠れたんだろうか。疲れていても書けばよかったのか。もうあんな精神状態にはなりたくないな。知らぬ間に溜め込んでしまわないように毎日吐き出そう。そして自然に触れに行ってたまに丸洗いしよう。


そう思ったら面倒だなって思ったサイクロン掃除機も応援してあげよう、いつも働いてくれてありがとう。という目で見れるようになった。ごみを溜め込んでいないかなって気にかけるようになった。


この発見で嬉しかったのは、具体⇔抽象化ができたこと。
実は「メモの魔力」を最近読んだのですが、著者の前田さんは毛穴をむき出しにして世の中を見ているそう。看板1つにもどうして、なんで、と考えてしまうそう。読んで面白かったし、実践できそうって思ったけれど、街中を歩いて看板を見てもうまく考えられない。抽象化ってどうやってやるんだろうなって思っていた時にこれを発見して嬉しくなりました。おかげでサイクロン掃除機とも仲良くなれました。
おすすめの本なのでぜひ!




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