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フーファイターズはニルヴァーナのスピリットを受け継いでいる

フーファイターズはニルヴァーナのドラマーだったデイヴ・グロールが中心になっているバンドです。1990年代にデビューして現在でも活動中。今年ニューアルバムが出ました。それを聞く前の復習として彼らの過去の作品を今聞き返しています。このソニック・ハイウェイズは2014年発表の比較的新しい作品です。

フーファイターズの曲は力強くて豪快なロックが多く、聞いていると心が奮い立ちます。ギターが激しく掻き鳴らされ、ベースが唸り、耳をつんざくようなドラムの音が響き渡ります。このようなハードロックの曲にはドロドロとして暗いものもありますが、フーファイターズは全体として明るく、抜けが良いです。人間の情念を外に解き放つようなところがあり、聞いていると痛快です。

この音楽性はリーダーのデイヴ・クロールの人柄が大きいのではないかと思います。陽性で明るく、人懐っこい人です。ニルヴァーナ時代は気難しいカートコバーンのかわりにバンドのスポークスマンを務めていたこともあったとか。

フーファイターズのアルバムを聞くたびに、ニルヴァーナのスピリットをしっかり受け継いでいるなあと思います。ニルヴァーナのアルバムの中で私は「イン・ユーテロ」が好きなのですが、あのアルバムの内に向かうエネルギーを外に開放したのがフーファイターズの作品です。

自分の中の激しい情念を解き放つという点では、カートもデイヴを同じです。静と動の間を揺れ動く曲の構成も似ています。ただカートはあまりに繊細過ぎたせいで、過ぎたせいで自分の心を切り刻んでしまいました。

傍でカートの苦しみを見ていたカートが立っていた場所から抜け出すために、エネルギーを外に向かって爆発させる方法を模索したはずです。それがフーファイターズに音楽に結実しています。天国のカートは仲間だったデーヴのことを誇らしく思っているに違いありません。自分のスピリットを受け継いでくれたと。

このアルバムの中では1曲目の1曲目のSomething from nothingと最後のI am a riverが好きです。Something from nothing はフーファイターズの真骨頂。静かに始まって、静と動の間を揺れ動きながら力強いクライマックスを迎えます。吠えるようなデイヴのボーカルに圧倒されます。I am a riverは壮大なバラードです。「私は川だ」という詩的な題名からして好きです。メロディーメーカーとしてのデイヴの才能が際立っています。彼はハードロックだけではなく、このような繊細で美しい曲も書けるのです。

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