ヨボヨボのおじいさんになった時に、ジャンプする方法

おはようございます。

昨日は、前々からずっと行ってみたいと考えていた株式会社シルバーウッドさんが運営している『銀木犀』というサービス付き高齢者向け住宅へ行ってきました。

ここは、サービスが必要な高齢者が住んでいるだけの介護施設ではなく、なんと施設を利用している高齢者が地域向けに駄菓子屋をやっているんですね。

そこに地域の子供達が駄菓子を買いに来ていて、施設の目の前にコンビニがあるにも関わらず、サービス付き高齢者向け住宅の方が子供達の溜まり場となっていました。

金額の計算は利用者であるおばあちゃんでも行いやすいように、駄菓子に貼ってあるシールの色で分かりやすいように工夫されていました。

しかし、それでも分かんなくなっちゃうおばあちゃん。

そんな時は子供達の方が計算して、おばあちゃんに金額を教えてあげてる。

最高に素敵だったなあ。

この施設を知ったきっかけは藤岡聡子さんという、ざっくり言うと福祉環境のことを考えて行動を起こしている方のインタビュー記事や著書を読んだのがきっかけです。

さらにこちらを運営しているシルバーウッドさんは、『認知症VR体験』といった企画もしていて、僕も以前、下北沢ボーナストラックで行われていたイベントで体験しました。

その時に、銀木犀で働いているスタッフの方とも少しお話をして、駄菓子屋にもいつでも来てくださいと言ってもらえたので尚更行きたいと考えていました。

自分が作業療法士であることを伝えると、施設内の見学もしてもらえる雰囲気だったのですが、昨今のコロナ事情を鑑みて、今回は一般の通りかかりのおじさんとして子供達がたむろしている駄菓子屋さんへ入って、100円分のお菓子を買って帰りました。

取り組みの内容だけが先行していて、実際には子供達が全然いなかったらどうしようかと心配していましたが、それは杞憂に終わりました。

むしろ、地域にしっかり溶け込んでいて本当に素敵でした。

こうなると銀木犀さん自体はもちろん素敵なのですが、一般的ではない取り組みをしているそのような介護施設を受け入れられている街やそこに住まれている人たちも、素敵な方が多いんだろうと想像することができました。

帰り道、街を散歩しながら少し住んでみたくなりましたもん。

そこでふっと気がつきました。

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こういう取り組みや文化が受容されやすい街や人も重要なのだと。

そのような街の雰囲気を作ったり、人の視座を養う事が必要なのかも。

そこを目的にそういう活動をしていけば、例えば自分が介護を必要となった時に自分が助けられたり、自分が死んだ後に子供達が大変な想いをしている時も助けてくれる優しい文化が出来上がっているのではないかと。

これってちょっと、年末に書いた「死んだ後も作業的存在」というニュアンスと似ている気がします。


僕の経験上、病院やデイサービスでいきなり「駄菓子屋をやりましょう」と言っても誰も賛同はしてくれませんし、いいねいいねともなりません。

元日に病院時代の上司と初詣に行った時、「ボランティアとして将棋相手をしに病院へ行ったらダメですか?」と聞いたときも「そんなのあり得へんやろ」と一蹴。

デイサービスで提供されている漢字の書き取りや間違い探しなどのプログラムに対して暇そうにしているおじさん達がいたので、麻雀を企画してみては?と上司に提案したときも「今は感染拡大対策でそういうのはダメだから」、「こうやって対策しながら麻雀しているデイサービスもあるみたいですよ」、「でも、なんかあったら困るから。まあ、おいおいね」みたいな感じ。

これは、病院や介護施設ならではの、安全第一とした閉ざされた環境によるものだと思っています。

また、僕が今将棋をしに行っているシニアステーションのおじさん達にも、何か新しいことを提案したところできっと受け入れは良くないと思います。

年齢を重ねてから新しいことを始めるハードルが高いのは、多くの人にとっておそらく仕方がないことだと思っていて理解しています。

でも、将棋はやりに来ているんですよね。

高齢者に対して慣れ親しんだ作業を提供するのは、作業療法の常套手段です。

これが「シニアステーションで駄菓子屋をやる」だったり、「ボランティアとして病院に行って将棋をやる」だったり、「河川敷で障害のある方が混じってもできるようなユニバーサルスポーツをやる」が、慣れ親しんだ作業や文化になっていればどうでしょうか。

若者が高齢者になってからも、怪我や病気でなんらかの障害を抱えてしまってからも、楽しめる作業のハードルやバリエーションが広がるような期待が持てます。

要するに、子供のうちからボランティア体験や、高齢者と一緒に駄菓子屋さんなどをやったり、ユニバーサルスポーツに触れる経験を積めるような活動を「馴れ親しんだ作業にしておくこと」は、なんだかロマンがあってわくわくするということです。

そんで、自分がヨボヨボのおじいさんになった時に、若い作業療法士の人が「昔よくやっていた駄菓子屋をこじんまりと始めてみて、子供達の溜まり場を作ってみませんか。それがきっと健康にも繋がると思いますよ」と提案してくれたら、僕は大喜びでジャンプします。

で、「実は僕も昔、おじさんの駄菓子屋さんに行って毎日遊んでたんですよ」なんて言われたら、泣く。

そんなビジョンが少し見えた。

とても貴重な経験でした。

本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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