【1日1文献】療養通所介護事業所の開設状況と普及に向けた課題#療養通所介護#訪問看護#在宅療養

参考文献:療養通所介護事業所の開設状況と普及に向けた課題
筆者:石原 美和  , 徳永 幸之
発行日:2022年
掲載元:日本在宅医療連合学会誌 3 巻 (2022) 4 号
検索方法:インターネット
キーワード:療養通所介護訪問看護ステーション障害児在宅療養在宅医療

【抄録】
・療養通所介護は 2006 年に通所介護の一類型として創設され,その後,定員上限の引き上げ,障害児等通所支援の弾力的実施などの制度改正が行われてきたが,開設事業所数は伸び悩んでいる.
・本研究の目的は,療養通所介護事業所の開設状況について明らかにするとともに,制度改正が,療養通所介護事業所の普及に効果があったのかを考察することである.
・全国の 83 事業所を対象に,開設状況や利用状況について,郵送法による自記式質問票調査を行った.
・その結果,制度改正が事業所数の増加につながったとの評価は得られなかった.
・また,廃止した事業所に対するフォローアップ調査では,経営的な困難を理由に廃止していたことが明らかになった.

メモ
・療養通所介護とは,医療と介護ニーズを持つ在 宅中重度者等の通所サービスであり,介護報酬に おける通所介護の一類型として 2006 年に創設さ れた.
・利用者は,看護師による常時観察が必要な 難病やがん末期,重度の脳卒中などの介護保険被 保険者であるため,療養通所介護事業所の管理者 は看護師と定められており,個別ケアを看護師管 理のもとで提供している.
・その多くは訪問看護ス テーションを併設しており,訪問看護と継続的・ 一体的に通所での看護サービスが提供されてい る. 
・難病患者等の医療ニーズの高い在宅療養者に とっては,療養通所介護で看護師の観察のもと月 に 2 ~ 3 回であっても,数時間滞在して,全身状 態の観察や排痰等のケアを受けることは,全身状 態を安定させ,異常の早期発見による重症化や入 院の回避につながることが,創設時のモデル事業 の効果として報告されている1).
・また,介護負担 の大きい家族介護者のレスパイトやケアにもな り,在宅療養の継続を支えている

・廃止した事業所のヒアリングからは,「地域に 需要はあるが,経営的には運営継続できない」が 主な理由として挙げられており,「訪問看護ステー ションの収入を補填して維持してきたが,これ以 上続けられなくなった.」,「法人本部から補填を 受けていたが,経常状態が改善する見込みがない ため,ニーズはあるが,法人の判断で廃止となっ た.」と,他事業からの補填により運営されてい ることも明らかになった

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahcm/3/4/3_3.4_10/_pdf/-char/ja


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