【1日1文献】透析患者に対して万歩計・自己管理シートを用いて活動量の増加を目指した症例#活動量#透析#自己管理シート

参考文献:透析患者に対して万歩計・自己管理シートを用いて活動量の増加を目指した症例
筆者:角井 壮史, 小林 憲人
発行日:2018年
掲載元:第53回日本理学療法学術大会 抄録集
検索方法:インターネット
キーワード:活動量, 万歩計, 自己管理シート

【はじめに・目的】
・透析(以下HD)患者の身体活動量は,同年代の地域在住者の65%程度と著しく低下している.
・HD患者の身体活動量が制限させると,生活の質を低下させるだけでなく,心血管疾患を発症するリスクが増加し,さらに生命予後を悪化させると報告している.
・今回,活動量が低下した女性のHD患者に対して,万歩計・自己管理シートを用いて活動量が向上を図り,歩数の増加により身体活動量の増加を検討する.

【方法】
・対象者は認知機能・高次脳機能障害のない歩行自立の身体活動量が低い女性のHD患者1名とした.
・年齢は70歳代前半,身長153㎝,体重43㎏. 万歩計を装着し,1日の歩数・目標歩数・運動前後の血圧・脈拍を自己管理シートに記載してもらい,自主歩行練習(以下,自主練)を実施した.
・介入前・中間1ヶ月・介入2ヶ月の1週間の平均歩数を算出した.
・身体機能評価は筋力テスト(以下,MMT),6分間歩行試験(以下,6MWT),10m歩行,5回立ち上がりテスト(以下,SS-5),活動量評価は無線通信活動量計(AM500)を使用し,認知機能検査はMMSE,ADLはFIMを使用した.

【結果】
・介入前評価は,MMT:大腿四頭筋4,6MWT:194m,10m歩行:13秒,SS-5:14秒,一週間平均歩数:502歩,MMSE:30点,FIM:106点であった.
・介入1ヶ月後中間評価では,MMT:大腿四頭筋4,6MWT:270m,10m歩行:9.37秒,SS-5:11.62秒,一週間平均歩数:1137歩であった.
・介入2ヶ月後評価では,MMT:大腿四頭筋5,6MWT:279m,10m歩行:9.34秒,  SS-5:11.12秒,一週間平均歩数:2097歩,FIM:116点であった.

【結論】
・女性のHD患者に対して万歩計・自己管理シートを利用することで活動量が増加した.
・万歩計と自己管理シートを使用することが,歩行への動機づけとなり,自主練の促進につながったと考えられる.
・また目標を設定およびフィードバックをすることで,症例の意欲向上につながり行動変容につながったと推測する.
・大塚は,万歩計を使用することが,動機づけとなり歩数増加・目標歩数達成に寄与し,その結果として体力が向上したと報告がある.
・本研究も,万歩計を装着し,万歩計を自分自身でモニタリングすることで,自己管理を視覚的認識し歩行に対する自信となり身体活動量が増加したと考えられる.

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_G-75_1/_pdf/-char/ja 

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