【1日1事例】当訪問リハビリテーション事業所における利用者のクラスター分析による類型化とその特徴 #訪問リハ #日常生活活動評価 #クラスター分析

参考文献:当訪問リハビリテーション事業所における利用者のクラスター分析による類型化とその特徴
筆者:池田 耕二, 大島 知子, 山本 秀美, 中岡 絵美, 中川 真優, 竹内 章, 尾藤 彩花, 池田 秀一
発行日:2018年
掲載元:第53回日本理学療法学術大会 抄録集
検索方法:インターネット
キーワード:訪問リハ, クラスター分析, 類型化

抄録:
【目的】
・我々は,従来の日常生活活動評価等に加え,活動,栄養,排泄,睡眠の4つの視点から評価ツールを作成し,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)に応用し効果を上げてきた.
・本研究の目的は,本評価ツールとクラスター分析を用いて当訪問リハ利用者の類型化を試みることである.
【方法】
・対象は,2015~2018年の当訪問リハ事業所を利用した76名(平均年齢80.2±7.8歳,男31名,女45名,平均介護度2.9±1.2)とした.
・本ツールは1つの視点に2項目あり,1)活動〈①手段,②範囲〉,2)栄養〈③食事,④水分〉,3)排泄〈⑤排便,⑥排尿〉,4)睡眠〈⑦質,⑧量〉の計8項目で構成されている.
・各項目には1~5点の評価基準が設定してあり(5点:特に問題なし),8項目の点数をレーダーチャート化することで課題・介入箇所が把握できる.
・本8項目をパラメータにクラスター分析し訪問リハ利用者を4群に分類した.
・次に各群の8項目の平均点数をレーダーチャート化し,各群の課題・介入箇所を分析した.
・また各群の年齢,機能的自立度評価法(以下,FIM)の運動と認知項目,介護度の平均値を比較した.
・統計学的検定は,年齢には一元配置分散分析,FIM各項目と介護度にはKruskal-Wallis検定を行い有意差があればpost-hock検定を行った.統計学的有意水準はP<0.05とした.
【結果】
・Ⅰ群(8名)は,活動〈手段,範囲〉と睡眠〈質,量〉に主な課題・介入箇所があり,年齢84.9±9.4歳,FIM運動34.8±22.4点,認知26.4±5.0点,介護度4.0±1.1であった.
・Ⅱ群(35名)は,睡眠〈質,量〉に主な課題・介入箇所があり,年齢78.8±7.2歳,FIM運動65.2±14.4点,認知26.9±6.1点,介護度2.7±1.2であった.
・Ⅲ群(16名)は,栄養〈食事〉以外の7項目にわずかに課題・介入箇所があり,年齢82.9±7.2歳,FIM 運動63.1±14.3点,認知24.4±8.4点,介護度2.8±0.9であった.
・Ⅳ群(17名)は,排泄〈排便〉と睡眠〈量〉に主な課題・介入箇所があり,年齢78.4±7.0歳,FIM運動66.7±13.0点,認知28.7±5.4点,介護度2.8±1.4であった.
・平均値の比較では,FIM運動項目のⅠとⅡ群,ⅠとⅣ群の間に有意差が認められた.
【結論】
・本結果から当訪問リハ利用者は,Ⅰ群:活動と睡眠に主な課題・介入箇所があり,特に運動機能が低い介護度4の高齢者,Ⅱ群:睡眠に主な課題・介入箇所がある介護度3の高齢者,Ⅲ群:栄養〈食事〉以外の7項目にわずかな課題・介入箇所がある介護度3の高齢者,Ⅳ群:睡眠〈量〉と排泄〈排便〉に主な課題・介入箇所がある介護度3の高齢者の4群に類型化できた.
・Ⅱ~Ⅳ群では課題・介入箇所に違いがあり,今後はこれらに対する介入戦略が大切になると思われた.


参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_G-68_2/_pdf/-char/ja 

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