【1日1文献】作業療法によるロコモティブシンドローム予防の基盤づくり─ロコモティブシンドロームと作業遂行の関連に着目して─#ロコモティブシンドローム#作業遂行#介護予防

参考文献:作業療法によるロコモティブシンドローム予防の基盤づくり─ロコモティブシンドロームと作業遂行の関連に着目して─
筆者:栗田 洋平, 泉 良太, 鈴木 達也
発行日:2021年
掲載元:作業療法 40 巻 (2021) 6 号
検索方法:インターネット
キーワード:(ロコモティブシンドローム), 作業遂行, 地域在住高齢者, 介護予防

【抄録】
・本研究の目的はロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)と作業遂行の関連を明らかにすることである.
・地域在住高齢者58名に対し集団的特性,ロコモ25,立ち上がりテストとSOPI,重要活動項目数を測定した.
・対象者を2群(ロコモ群,非ロコモ群)に分け集団的特性,作業遂行の状況を比較した結果,非ロコモ群に比べロコモ群は年齢が有意に高く,SOPI余暇活動,重要活動項目数で有意に低い値を示した.
・ロコモ25と作業遂行の関連を分析した結果,ロコモ25とSOPI満足,SOPI余暇活動で中等度の負の相関,SOPIセルフケア,SOPI総得点で弱い負の相関を認めた.
・本研究によりロコモの方の作業遂行の状況が明らかとなった.

メモ
・日本整形外科学会は,ロコモを呈した方,ロコモの 予防が必要な方に対する介入として,ロコモーション トレーニング(以下,ロコトレ)を推奨している
・ロコトレはスクワットと片脚立ちの画一的な 2 種類の 運動で構成される運動療法である.
冨田らは,運動 器疾患患者 20 名に対しロコトレを 1ヵ月実施した効 果を調査し,運動器疼痛 VAS スコア,握力,開眼片 脚立位起立時間,Time up & go(以 下,TUG), Functional reach test(以下,FRT),2 ステップテ スト,立ち上がりテスト,ロコモ 25 の改善を報告している.
・また佐々木ら5) は,ロコモを呈した 26 名に対し,ロコトレ開始前,開始 1ヵ月後,2ヵ月後,3ヵ月後の身体機能を調査し,開眼片脚起立(左脚), TUG,FRT,ロコチェックの改善,改善した状態の維持を報告している.
・これらの報告から,ロコモを呈 した方に対しロコトレは効果があり,ロコモと運動との関連が示唆されている.

・30 歳から 90 歳の 747 名を対象に ロコモと関連のある生活習慣について調査し,喫煙, 歯の数,歯周病の有無,飲酒等の生活習慣とロコモの 関連があったことを報告している.
・また,Yoshinaga ら7) は,20 歳から 91 歳の特定の運動器疾患をもたな い 728 名を対象にロコモと関連のある生活習慣につ いて調査し,運動器の痛み,生活習慣病,薬物治療, 低い主観的健康観がロコモにつながる因子としてあ がったことを報告している.
・これらの報告から,ロコ モと特定の生活習慣との関連が明らかになっている.

・ロコモ 25 は,疼痛や日常生活の困難さからなる質 問紙であり,ロコモを早期発見するツールとしてSeichi ら12) によって開発された.
・25の質問に対し,5 件 法(0 点~4 点)で対象者自身が評定し,高得点であ るほど運動器に障害がみられている状態である.
・7 点 以上がロコモ度 1,16 点以上がロコモ度 2 とされる

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/40/6/40_738/_pdf/-char/ja 


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