【1日1文献】脊髄小脳変性症のニューロリハビリテーション治療#脊髄小脳変性症#運動学習#ニューロリハビリテーション

参考文献:脊髄小脳変性症のニューロリハビリテーション治療
筆者:藤本 宏明宮井 一郎
発行日:2021年
掲載元:The Japanese Journal of Rehabi ... 58 巻 (2021) 5 号
検索方法:インターネット
キーワード:脊髄小脳変性症運動失調運動学習Goal Attainment Scaleneuromodulation

まとめ
・SCD に対するニューロリハビリテーショ ン治療では,入院・外来・通所・訪問・自主練習に かかわらず,歩行可能な早期より開始し,重症度に 合わせた具体的な課題設定を行いつつ,練習量を 確保することで一定の効果が得られると考えられ る.
・今後は,運動失調の改善に寄与した介入要素 について検証することでプログラムの標準化を試 みる必要があると考えられる.
・また,病状の進行に 応じて活動・参加の視点をより重視する必要があ る.
・今後は,より重症な SCD 患者や多系統萎縮症 などの患者に対しても効果が得られるか検証が必 要である.
・また,NFB などの neuromodulation の 併用効果や長期的な効果の検証もこれからの課題 である.

メモ
・脳の可塑性を誘導するには,単なる麻 痺肢使用だけでなく,運動学習が重要である.
・運動学習には運動順序学習(motor sequence learning)と適応学習(adaptation)があり,前者には運 動遂行能力の向上や ADL 動作の獲得,後者には 環境変化に対する代償能力向上がある.
・ともに運動学習の過程として,早い学習期,ゆっくりした学 習期を経て学習保持に至る.
・運動順序が固定化さ れた後に自動化され,最終的に身体で覚えること になるが,これらには大脳基底核や小脳が関連し, 適応学習の中心が小脳と考えられている

・小脳は下オリーブ核から入力を受ける誤差信号 に基づき,内部モデルを形成することで運動を最 適化する機能を担っている2).
・運動学習の首座の 1 つである小脳が障害された脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration:SCD)患者では,運動 学習能力が低下している可能性があり,リハビリ テーション治療では次の 2 点に留意する必要がある.
・第一に,use-dependent plasticity に基づいた 練習量の確保による機能改善効果があるのか,
・次 に,SCD などの神経変性疾患におけるリハビリテー ション治療効果において,治療による機能改善と 病変拡大による機能低下とのトレードのうえに成 立するかという点である

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/58/5/58_58.536/_pdf/-char/ja 


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