喜びのツボのお裾分け

朝の通勤途中、いつものように空を見上げる。
思わず立ち止まってしまった。
あっ、これ。

彩雲?


彩雲なのか、アークと云われるものなのか、正解はわからない。でも、そんなことはどうでも良い。見つけた瞬間の喜び。ぷわーって心が明るくなる音さえ聞こえた。まさに私の喜びのツボなんだよね。

こんなにも喜ぶ出来事、他の人にも教えたいって思ってしまう。すれ違う人は何人もいるのに誰も空を見ていない。気づかぬまま。
あー、見て、見て、見てよ。心の中で叫ぶ私。本当は声に出して言いたいけど、そんな勇気は無い。お願い気づいて、とばかりに大袈裟に空を見上げるのが精一杯。見方によってはただの怪しい人。そんな甲斐もなく結局、独り占めにしてしまった。

これはあくまで
私の喜びのツボ、そう言い聞かせて歩き始める。

富士山が見える時、月がきれいな時も嬉しくなってしまう。それと、ちょっとマニアックだけどISS国際宇宙ステーションが見える時も一人興奮して空を見上げている。

自分はこういったことに喜び過ぎなのは充分わかっている。それでも、他の人も少しは嬉しいはず、ラッキーだなって思うかも、と勝手に思っている。だから、ついつい他の人にも気づいて欲しくなってしまうのだ。

そんなことを友人に話したら、
私なら、電話しているふりして「今、虹でてるよー」とか言っちゃうよ。とさらりと言われた。

一瞬、その手があったか、と思った。

でも、待てよ。
人に教えられたら、喜びは半減かもしれない。やっぱり自分で見つけるから嬉しくなるのかも。
いやいや、知らないよりは知った方がいいかも。考えても答えは出せずなまま。


勇気を出して近くの人に知らせるのも良し。自分で見つけたことに喜び噛み締めるのも良し。
どちらでも良いのかもね。

今日もまたどこかで誰かの喜びのツボが押されますように。






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