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初心に帰る


Fuji xpro2/18-55にて撮影(ACROS)

M9購入から7年。この夏、念願だったモノクローム専用機typ246をお迎えした。予算が許すなら最新のM11モノクロームに逝きたいのは勿論だが。
それにしても7年前とは比較にならないほど、中古LEICAが高騰している。
当然、買取も右肩上がり。昨年、一時的な資金調達が必要になりM7を売却した際は、中古で買った時よりも買取額が高くて驚きを隠せなかった。その数年前にM2を売却した際は中古購入時の三分の一の買取額だったのに。今後も相場は上がっていくことが予想されると、入手したいものがあったら早めに動くべきかと。
収入アップに期待はできないと言う現実故。

そんなこんなでLEICAを使い始めてほぼ25年くらい。
勿論、国産メーカーのカメラも併用しながらだけど。
依頼仕事の物撮り(小さいジュエリーとか)は等倍マクロレンズを使ってもトリミング前提なので6000万画素機。ポートレートは老眼&近視&乱視でも安心の高速且つ正確な瞳AF搭載の2400万画素機。
時代は確実に便利になっている。身体機能をアシストしてくれるものほど身に染みてありがたさを実感できる。
それでもやはり、目の前の光景を光学ファインダーでより直接的に見たい。そして、フルサイズセンサー機をできるだけ身軽に連れ出したいと思う訳です。
AFが無いというだけで、ボディもレンズも小さく軽くなる。行くあてもなく彷徨う際に写真機を携えていくには、これこそが最大のメリット。
だから、LEICAのM系は廃れることが無い。フイルム時代も重い一眼レフより小型軽量なレンジファインダー機には一定の人気があった。

だが、なぜモノクロしか撮れない写真機を手にするか?
デジタル処理でカラーからモノクロに簡単に変換もできるのに。
そこは人それぞれに理由があることでしょう。
僕の場合は、最初のLEICA体験が今でも鮮明に残っているから。
中古で買ったM2に、なんでフィルム交換で底蓋を外すんだと思いながらモノクロフィルムを詰めて、街に繰り出す。透過ファインダーに浮かびあがるブライトフレームが目の前の光景を屹立させ、自分と対峙させる。なんでもない光景なのに、なんて美しいんだと思った。暗室に帰って、現像。現像液に印画紙を浸し、ゆらゆらと。浮き上がってくる画像には、まさしく光と影だけが焼き付けられている。
カラーフィルムと違って、同じレンズなのかと思うほどの先鋭さとコントラスト。
勿論、印画紙にもよるが。

デジタル化で撮影からレタッチまで色々なことが個人でコントロールできるようになったが、写真を撮るということのプリミティブな要素を再体験したくなった。
それゆえの、光学ファインダーとモノクロ。
それならフィルムで撮ればとも思うが、ランニングコストと手間暇を考えるとそこまではねぇ。

次回はtyp246のプレビューを綴りたいと思います。

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