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熟成派vsフレッシュ派

木下実験室の生テンペは冷凍でも真空でもない、生の菌が生きた状態でお届けすることにこだわっている。

それは、おいしいから。

その代わり、菌が生きているため、冷蔵でも熟成が進み、味わいが変化する。

熟成した味わいってどういうことなのか?

簡単に言うと、”クセ”が出て、ツウな味わいになるということ。

ここが好みの分かれるポイントで、私は圧倒的にフレッシュ派。

やっぱりできたてのクセのない味わいの時の方が、使いやすいし、何してもおいしいし、モフモフだし、人にすすめやすい。

熟成テンペは熟成テンペでおいしいけどやっぱりつまるところ、テンペデビューはフレッシュをすすめたい、全力で…というところに行き着く。(何回も同じ事書いてる気がするけれど。)

一方で、根強い熟成テンペ派がいることも事実で、彼らは自ら進んでテンペを熟成させ、上級者になると2週間以上熟成させてテンペライフを楽しんでいる。

じゃぁ、テンペが熟成するというのはどういうことなのか、テンペの味わいx熟成具合を簡単に説明してみることにする。

できあがり日を0日目とした場合、冷蔵保存だとだいたい3つの時期に分けられる。
(ちなみに、出店とショップマドレさん・畑の景色12ヶ月は1日目のテンペが店頭に並び、その他の小売店さんは2日目のテンペが、個人向け発送は通常2日目のテンペが届きます。)


0日〜3日 SUPER FRESH!超フレッシュ期
…できたて”生”テンペならではのおいしさを一番堪能できる時期。
お刺身でも食べられるこの時期のテンペはかなり貴重で贅沢品。
最もピュアな状態で、大豆の強い旨味とほんのり発酵感、白カビ感を感じながら、味わいはとても淡泊。
もちろん、フライドテンペにしても、ソテーにしても。
じわじわ加熱(オーブントースターとか網焼きとか)さえしなければ純粋なテンペのおいしさを楽しめます。
肉で言うと鶏肉のようなイメージ。
スライスしてお刺身がたまりません。
カマンベールのような白カビ系のチーズと合わせると、白カビx白カビで新しいおいしさが生まれます。ほぼ何をしてもおいしいです。
(敢えてひとつ言うならば、薄めスライスしてカリッカリに素揚げにすると、ただの大豆の素揚げみたいになるので、ちょっともったいない。)


4日〜6日 STILL FRESH!まだまだフレッシュ期
…超フレッシュではないけれど、まだまだ生テンペのフレッシュ感を楽しめる時期。
超フレッシュよりもこの時期の方が好みという方もいるくらいに、適度に味がのって、料理に使いやすい。
ソテー→味付け、下味+衣→揚げ焼き、衣→揚げ焼き→マリネがおすすめ。
火を通す系はなんでも、という感じだな。


7日〜 MATURED!熟成期
…しっかり味がのって、酸味やクセが出始める時期。
ラムやマトン、鶏肝、魚、熟成チーズのように(調理法による)、クセのある味わい。
敢えて熟成させてその味わいを楽しむのもあり。
南蛮を作る場合は、薄めにスライスしてしっかりカリッカリになるまで揚げれば、鰺の南蛮漬けのような雰囲気に。
フライドテンペも、しっかり目に揚げると味がしっかり乗って、フレッシュ期とは全く違う美味しさに。
好みがハッキリ分かれるところ。
熟成の仕方によって、魚っぽくなったりパン種っぽくなったり分かれます。
この熟成の方法のひとつとして、最近ハッピー太郎さんが紹介してくれはった”塩糀漬け”にすると、塩糀そのものの効果+塩糀でラップすることで冷蔵庫内の環境の影響(雑菌など)を遮断して熟成を安定させることができるような気がします。


私はやっぱりできたてフレッシュ派なのだけど、熟成派の人たちは”クセ”の虜になっているみたい。

ちなみに、私は鶏肝も苦手だし、酒盗も苦手だし、パクチーもそんなに好きじゃないし、ゴルゴンゾーラも好きではあるけど料理に使うことはないし、たぶん、基本的にクセのあるものは好きではないのだと思う。

チーズも熟成よりフレッシュなものの方が好き。

だから、きっと上記の私が苦手とするクセのあるものが好きな人たちは、テンペも冷蔵庫で保管して熟成を楽しむのがきっと合っている(=熟成派)し、逆に私のようにクセのあるものが苦手な人は、食べきれない分は早いことスライスして冷凍してしまう(もしくは早いこと南蛮漬けなどに加工してしまう)方が合っている(=フレッシュ派)のだと思う。


と、ざっくり書くとこんな感じ。
だけど、テンペの出来具合や冷蔵庫での保管の状態などによって変わる。温度や湿度、あとは他に発酵食品があるかとか。
これまでで一番フレッシュ感が長持ちしたのは、野菜室の一番下に紙袋なしで保管していた時。
1週間を超えていたのにかなり状態がよくて驚いた記憶がある。
でも、今でもなぜあんなにも状態がよかったのかよく分からない。

もう何年もテンペ作っているのにまだまだ分からないことだらけです。

だから、今日もテンペを作ります。


テンペの食べ方詳しくは


テンペの注文方法などは

(トップの画像は、テンペを使ったヴィーガンミートソース。フレッシュな物で作ったけど、これは熟成タイプで作ってもおもしろそう。)


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