中上健次
ひさしぶりに中上健次を読んだ。
中上は20代の頃にハマって、聖地巡礼で那智勝浦や熊野古道にも行った。
池澤夏樹氏の解説にはこうある。
そう、全部繋がっている。書かれている内容も、中上の生まれ育った場所や取り巻く人物が色濃く反映されていて、彼自身の記憶が作品になったような感じ。だからこそ、聖地を訪れたい気持ちになる。
私にとっての中上の魅力は、生のエネルギー。生きもののエネルギーがほとばしる文章。私は歌舞伎町も大好きで、それもやっぱり、エネルギーがあるから。
この本で印象に残った言葉はこれ。
自然と繋がっている者は強い。どんなにテクノロジーが進化しても、朝が来て夜になって、春になって冬が来る自然を圧倒できるものではない。学がなくともお金がなくとも、自然と繋がっている者は、その意味で無敵。だからこそ、自然と分離してしまった者はアニミズム的なるものを畏れ、それを打ち消そうと蔑視するのだろう。
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