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止まった時計

家の置き時計が壊れました。

片側の針が取れて、落ちてしまいました。

1998年のクリスマス頃に買ったものなので、約20年間この家にいたことになります。

突然ガタが来たわけではなく、途中からアラーム音が鳴らなくなって目覚ましとしては機能しなくなったり、電池入れの接触が悪くなったりと、段階を踏んで、とうとう心臓たる部分の針さえも壊れて、時計としての役割を終えました。

アラーム音が鳴らなくなった頃は、すでに携帯電話を持っていたので、ケータイあるからええわ、と思っていました。

電池の接触が悪くなっても、まあ多少うごかんでもええわ、と思っていました。

ところが、もう二度と時計として使えなくなると話は別で、いささか寂しい感情が芽生えましたね。このまま棄ててしまうのも忍びないから、このまま置いておこう、そして、物を大切にしようと肝に銘じました。

修理屋に持っていく手もあるのですが、なんとなく、止まったままの時計の姿で持っておきたい気がする。

幸い、スマホがあるから不便はないし……。そう思って、Androidを布団に放り投げました。

「物を大切にしよう」という文章を打ったわずか数分後の行動ですよ。まったく。

きっとこの置き時計も天国で「これだからお前はダメなんだよ」と言っていることでしょう。すまん。物置の天国で安らかに眠ってください。そのうち蘇生させるかもしれません。ありがとう。

サウナはたのしい。