情弱にならないニュースの読み方

昨今、SNSやインフォメーションテクノロジーの普及により様々な「情報」が簡単に手に入るようになりました。
その一方で、情報の断片だけを見て、全体像は自分の妄想で形成してしまう人々がいる事は、嘆かわしい事実です。

ネットニュースや書き込みの中の「情報」と「表現」の違いについて考えよう。

まず情報とは何か。
具体的ではなくとも、確定的な事実である事が大前提だと思う。
ここでは誤報等のエラーについては割愛します。
では表現とは何か。
主に個人的思想や憶測、主観等を言葉にして発せられたものだと思う。
メディアが取材等を通じて発信する記事は、情報の部類に該当し、個人が書き込んだコメントや投稿は、表現の部類だろう。
つまり当note記事は、一個人の表現にすぎない。
この大前提を踏まえて、私個人が考える誰でも出来るニュースの解き方を解説します。

まず、ネットニュース(個人の投稿を含む)について重要な事は見出しに振り回されない事。
インパクトのある見出しを見つけてクリックする事は誰でもあるだろう。ここでの注意点は、全文をそのまま読まない事。
最初は、記事の中にある「事実」を吸い上げる。つまりデータだ。
その後気が向いたら全文読めばいい。記事の文章は、さほど重要ではないし、あなたにとって不要な創作物です。
最初に開いた記事からデータを集めたら、そこから検索ワードをピックアップし調べて行きます。
同じニュースを扱う記事がすぐ出てくるだろう。その中で最初に開いた見出しから一番遠い表現の見出しを探して、またデータ収集を行います。
ここまでがファーストステップで、5分も要らない作業です。

次に、最初の記事と真逆の記事の中間に位置する表現の見出しを探します。
恐らく誰が悪い何が悪い等のネガティブな表現から離れた無機質に近い表現の見出しに辿り着くだろう。
ここで初めて記事を全文読みます。
読み終えたらコメント欄を見に行こう。恐らく賛否両論になっているはずです。
これで終わりです。

面倒にも見えますが、慣れれば余計な力を使わずにニュースの全容を見ることができます。
ここでの余計な力とは、冒頭お話しした「情報の断片からの妄想」の事です。いわゆる思い込みですね。

なぜ、最初の記事を読まないのか。
今やネットニュースや個人の投稿はPVを稼ぐ事が目的となりつつある為、インパクトのある見出しほど中身が無く、偏った表現を用いて形成された記事になる事が多いからです。
例えば「速報!首相痛恨ミス!今月末には退陣か?!」と言う見出しがあったとして開いてみたら、中身は先週末に取り上げられたニュース記事のオマージュというオチ。
だが、よく読むと何処か左寄りの内容になっており、あたかも見出しの通りになれと言うような思想を織り交ぜた文章構成になっているだろう。
この記事だけでニュースを理解した気になっていると「断片による妄想」が始まる。大切なのは知る事ではなく全容を理解する事です。

イメージとしては、最初の見出しで足を踏み入れず、反対側までぐるっと確認して行き、最後に鳥になって本丸に着地する具合です。

「真実」について。
恐らく誰でも真実を知りたくてニュースを見るだろう。だが全容を理解できなければ妄想に終わる。
末端の思想や中立的立ち位置、実際に起こった出来事。それらは全てが揃って初めて真実になる。
こう思う人がいる、そう思う人がいる、こうなるそうなるがある。膨大なパズルのようなもので、全部揃わないと真実はわからない。
ピース(情報)を兎に角集めて、全体像が少しずつわかってきて初めて予測が成り立つ。
もしかしたら最後の一個で全部が嘘になる事もあるかもしれないが、少なくとも「こんな絵が完成したら良い」なんて妄想だけ走らせてパズルを放棄するより幾分マシだ。

しかし昨今は、こんなにも便利で簡単に情報を収集できるのに、それをせず、断片と妄想だけで個人思想を語ったり、時には他人を攻撃する者もいる。

これらの人を「情弱」と言うのだろう。嘆かわしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?