【長編】ロード オブ ザ 棚橋

僕は新日本プロレスが好きだ。

24歳ごろ映画館で「パパは悪者チャンピオン」を見て、それまでプロレスにまったく興味がなかったし、知識もなかったけど大号泣。そこからは、どんどんのめりこみ、毎年夏のG1、冬の東京ドームにいくまでになってしまった。

また、プロレスは僕に予想もしない転機も与えてくれるのですが、これについては別記事「オカンと僕と時々タナと」で書こうと思う。


さて、ここからが本題。8.1より闘魂SHOP in 静岡東急ハンズ店が開催された。僕のお目当ては、棚橋選手のサイン入りTシャツ(XL)。しかし、人気の棚橋選手のサインということで当日は開店前から並ぶ覚悟であった。


僕「ファッ!?」


突然のことで何が起きたかわからなかった。iPhoneは8月1日の9:30を表示していた。開店時間は10時。東急ハンズまではバスで20〜30分はかかる。そう。寝坊である。

カラクリはこうだ。前の夜、僕は棚橋サイン計画(通称TSK)を意気揚々と立てたあと、しこたま酒を飲む→寝落ちという今まで何度もかましてきたルーティンを今回もやってしまった。

普段であればここで諦めていたであろう。しかし、棚橋選手ないしはプロレスからカウント2.9でも諦めないことを学んだ僕は、諦めなかった!


僕(行ける…土曜の朝っぱらだから人には合わない!もし会っても、マスク&メガネスタイルでいればバレない!)


身支度も早々に僕は、Tシャツ短パン、マスク&メガネという有名人がスキャンダルされる時の王道スタイルで、行っちゃうぞ、バカヤロー!と言わんばかりにバスに飛び乗った。

そこからは交差点のたびに運転手の背中を見つめていた。


僕(早く動け、早く動け、早く動け、ハヤクウゴケ...)


メガネマスク姿のガタイのいいおっさんが運転手に向かって、念仏のように早く動けを唱えている姿は周りには不審に見えたであろう。まあ、気にしていないが。

そうこうしてるとバスが静岡駅まで着いた。時間は9時50分。まあ、ここからダッシュすれば10時には間に合う!そう思った矢先であった。


爺「え、料金いくら?」

運転手「300円です」

爺「え?いくらだって?」

運転手「300円です!」

爺「え?」

僕(マジかぁぁぁぁぁ!爺さんッ!早くしろッ!こっちは棚橋が待っとんじゃぁあ!)

爺「300円ね、ハイ」

そこからおじいさんは1枚1枚丁寧に小銭を料金箱に入れ始めた。

僕(頑張れおじいちゃん!1!2!スッ、違う!それ500円玉!!スッ、違う!それ5円!スッ、1円!わざとなの?頑張れ!3!)

降りれたころには一試合終わった後のようだった。


やっとの思いでハンズのあるセノバについた。エスカレータに飛び乗る。

しかし、ここで新たな刺客が。


幼女「お母さん、私○○が欲しいの」

母親「そうね!ずっとお家いたから買ってあげる」

目の前にはエスカレータを塞ぐ親子が。しかも、とんでもなくほほえましいやり取りしてやがる。

僕(これは突破できないッ...。くっ!殺せ!)

結局親子は僕の目的地である三階までずっと一緒にのっていたのでした。そして、到着した闘魂ショップには人だかり。棚橋Tシャツは無残にも僕の目の前で最後のⅬサイズを取られ、僕のTSK(棚橋サイン計画)は幕を閉じたのであった。


PS:ちなみにこれで帰るのも癪だったので、持ってなかった真壁選手のサインTシャツはなんとか購入。最後に一言、言わせてください。


闘魂ショップ in 東急ハンズ静岡店、サンキューな!

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