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最新 英検2級のレベルと合格までの勉強法、面接の対策

この記事では、英検2級合格のために必要な情報をまとめて紹介しています。最初に、レベルはどのくらいで合格点は何点か、合格するとどんなメリットがあるかといった英検そのものの解説や、試験日程などの情報を挙げてあります。次に、出題の傾向や特徴、効率的な勉強法、苦手とする人が多いリスニングの対策など、かなめとなる試験対策を詳述します。最後に、試験当日の流れや具体的な問題例と解答のコツ、面接のポイントなどをまとめています。英検2級を受験する方、受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

英検とは?

英検とは、実用英語技能検定のことです。公益財団法人 日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援しています。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、年に3回実施されています。年間の総志願者数は250万人を超える、日本で最大規模の英語検定試験です。

リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングという、英語の運用に不可欠な4技能を堅実に測定する検定で、長年にわたる実施歴により、抜群の知名度と信頼を得ています。検定料は2級で8,400円で、試験会場も多く受験しやすいのが特長です。小学生から社会人まで幅広い年齢層を対象としているため、職歴や経験によって結果が左右されないよう設計されており、「誰でも受けられる」「英語力そのものを測る」検定という定評があります。

7つの級のどれにチャレンジしてもかまいません。試験後に送付される成績表には、合否判定だけでなく、どのくらい合格ラインを上回ったか、あるいは下回ったかなどが示されることから、習熟度のチェックや学習モチベーションの維持にも活用できます。国際標準規格CEFRに対応した英検CSEスコアによって、自分のレベルをグローバルな視点で把握できることも長所です。

英検2級のレベル

英検2級は高校卒業程度のレベルとされ、「社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる」とうたわれています。大学入試程度の難しさと考えればよいでしょう。

受験の意義

高校生にとっては、英検2級の問題が大学入試問題に近いレベルであることから、英検2級の合格を目指す学習が、大学入試対策につながります。また合格することにより大学入試において、出願資格が得られたり、英語の試験が免除されたり、得点に加点されたりするなど、優遇措置を受けられるケースがあります。

大学生にとっては、英検2級に合格することで、単位が認定されたり、海外留学に必要な英語力の証明になったりします。また、就職活動の際に履歴書に記載することで、一般的な英語力を持っていることを示すことができます。

履歴書に記載することで英語力の証明になることは、社会人にとっても同様です。一般に、英語の運用を求められる職場では、英検2級以上を取得していることが望ましいとされています。ですから、グローバルに働きたいと思っている人や海外への進出を考えている人、または仕事で英語が急に必要になった人などは、まず英検2級の合格を目指すとよいでしょう。

TOEICテストとの違い

英検2級の問題とTOEICテストの問題は大きく異なります。英検2級では、社会生活のあらゆる場面・話題が出題されますが、TOEICテストでは、ビジネスでの英語力を測定する試験のため、ビジネスの場面・話題が中心に出題されます。ビジネスの経験がない高校生や大学生にとっては、英検2級の方が馴染みやすいでしょう。逆に、学校の勉強から長く遠ざかっている社会人にとっては、TOEICテストの方が敷居が低いかもしれません。

また、英検2級は、一次試験ではリーディング・ライティング・リスニングの3技能、二次試験ではスピーキングの能力を判定する4技能テストです。対するTOEICテストは、リスニングとリーディングの能力を判定するTOEIC L&Rテストと、スピーキングとライティングの能力を判定するTOEIC S&Wテストとに分かれています。近年は、従来重視されていたリスニング・リーディングに加え、スピーキングやライティングの能力も求める傾向が顕著です。4技能を総合的に判定したい場合は、一度の申し込みで受験でき、検定料も安価な英検2級にメリットがあります。

試験内容

英検2級とTOEICテストは、そもそもテストの性質が異なるため、単純な比較はできませんが、外国語運用能力の評価基準であるCEFR* に基づいて各試験を比較すると、英検2級合格はCEFRのB1にあたり、TOEIC L&Rテストでは550点以上(満点は990点)、TOEIC S&Wテストでは240点以上(満点は400点)にほぼ対応します。

英検2級には、一次試験(筆記・リスニング)と二次試験(面接)があります。

一次試験

一次試験は、筆記試験とリスニングテストの2部構成です。
筆記試験は85分で、リーディング・ライティングの2技能が判定されます。
リスニングテストは約25分で、筆記試験に続いて実施されます。
解答形式は、英作文のみ記述式で、それ以外はマーク式です。

英検2級では、学校・仕事・趣味・旅行・買い物・スポーツ・映画・音楽・食事・天気・道案内・海外の文化・ 歴史・教育・科学・自然・環境・医療・テクノロジー・ビジネスなど、あらゆる話題が出題されます。

二次試験

二次試験は面接形式のスピーキングテストです。
日本人あるいはネイティブスピーカーの面接委員と1対1で約7分話します。

英検2級の二次試験では、社会性のある話題が出題されます。過去の出題例を挙げると、環境にやさしい素材、オンライン会議、屋上緑化、ペット産業、新しいエネルギー、サプリメントなどです。

過去問

英検2級の問題やレベルを確認するには、過去問を解いてみることが一番です。英検ウェブサイトにて、直近3回分の過去問が公開されています。過去問は、試験終了後1週間程度でアップされます。

過去問で英検2級対策をするなら、日本語訳と丁寧な解説が掲載された旺文社の過去問シリーズがおすすめです。じっくり取り組みたい方は、6回分の過去問を収録した『2022年度版 英検2級 過去6回全問題集』を、短期で実力を完成させたい方は、3回分の過去問を収録した『2022-2023年対応 直前対策 英検2級 3回過去問集』をご利用ください。

合格点・合格率

一次試験

2015年度までは、設問ごとに配点は1点で、合計点が合格点以上であれば合格となりましたが、2016年度より、技能ごとに算出されたCSEスコアという指標をもとに合否が判定されるようになりました。そのため、何問正解すれば合格するのかがはっきり分からなくなりました。ただし日本英語検定協会は、「2016年度第1回*では、各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格した」と発表しており、今後も6割程度の正答率が合格ラインだと予測されます。

* CSEスコアによる合否判定が導入された最初の試験回

CSEスコアでは、リーディング・リスニング・ライティングの技能ごとに650点満点とされており、合格基準スコアは3技能合計で1520点です。英作文問題は筆記試験の中のたった1問ですが、ライティングとして650点満点で評価されるため、一次試験の中で比重は1/3とかなり大きくなります。例えば、リーディング・リスニングで満点を取っても、ライティングが0点だった場合、合計1300点となり、合格基準スコアに220点足りないことになります。つまり、日頃からどの技能もバランスよく高めておかないと、英検2級合格は難しいのです。

二次試験

二次試験の合否もCSEスコアで判定されます。満点は650点で、合格基準スコアは460点です。応答内容、発音、語彙、文法、語法、情報量、アティチュード(積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲や態度)などが評価ポイントです。

合格率

2015年度の合格率は26.4%でした。2016年度以降、合格率は公表されていません。

合格までの道のり

受験級の確認

英検を受験する際には、まず、受験すべき級が本当に2級であるか、よく検討しましょう。英検は下の級から順に受験する必要はなく、初めて英検を受験する場合でも、英検2級から受験してかまいません。
英検ウェブサイトで過去問を眺め、自分の実力とかけ離れていないかどうかチェックしましょう。もし歯が立たないと感じたら、より今の実力に近い級から受験し、ステップアップするというやり方もあります。

ケース別学習手順

ケースA:英検2級レベルの学習をほぼ終えている場合

高校3年生や大学生、社会人など、すでに英検2級レベルの学習の大半を終えている場合、
・試験に慣れること
・苦手分野を補強すること
の2つが重要です。

英検対策書を使った学習手順の一例をご紹介します。

1. 過去問で問題演習

英検は試験形式が毎回一定している試験ですので、試験に慣れるだけでも、素早く解答し、正答率を上げることができます。『2022年度版 英検2級 過去6回全問題集』で過去問を解き、試験形式に慣れましょう。必ず時間を計り、どれくらいの速さで解答していけばよいか、よく確認しましょう。

2. 答え合わせと、苦手分野の発見

過去問を解き終わったら答え合わせをし、間違えた問題の解説をよく読みましょう。英検2級合格に必要な正答率は明らかにされていませんが、6割程度が合格ラインだ
と予測されます。大問ごとに正答率を算出し、正答率が6割を切った大問は、苦手な分野だと考えましょう。

3. 苦手分野の補強

苦手な分野があった場合には、『英検2級 総合対策教本[改訂版]』であてはまる章を学習しましょう。単熟語に不安があったら『英検2級 でる順パス単』を使用して、語彙力を補強しましょう。

4. 二次試験の問題演習

一次試験を突破したら、『2022年度版 英検2級 過去6回全問題集』で二次試験の過去問に挑戦しましょう。スマホなどで自分の解答を録音し、あとから自己評価するとよいでしょう。うまく話せなかった問題は、解説をよく読み、解答例に使われている表現を覚えましょう。

ケースB:英検2級レベルの学習が身についていない場合

中学生や高校1、2年生、しばらく英語に触れていなかった社会人など、英検過去問を眺めてみて「まだ習っていないことが多い」「知識不足だ」と感じる方は、まず英検2級に最低限必要な知識を固めていきましょう。

英検対策書を使った学習手順の一例をご紹介します。

1. 文法を学ぶ

文法は英語を学ぶ基礎になります。『英検2級 総合対策教本[改訂版]』の第1章で、英検2級によくでる文法事項を学びましょう。英検準2級までで学ぶ基本的な文法事項もコンパクトにまとめられているので、おさらいすることができます。

2. 重要単語を覚える

単語集『英検2級 でる順パス単』のでる度A(常にでる基本単語)の500語をまず覚えましょう。この単語集はでる順に掲載されており、効率よく学習できます。でる度Aには準2級レベルの単語も含まれているので、おさらいにもなります。

ここまで終えたら、ケースAの学習手順に進みましょう。

合格に必要な学習時間

上記の手順で学習をすすめた場合、どれくらいの学習時間が必要か、一例を示しました。

ケースA

1. 過去問で問題演習:過去問6回分の演習で12時間
2. 答え合わせと、苦手分野の発見:過去問6回分の答え合わせと丁寧な復習で9時間
3. 苦手分野の補強:苦手分野1つにつき1時間
4. 二次試験の問題演習:過去問6回分の演習と丁寧な復習で3時間

苦手分野の数によりますが、25~30時間程度を見込むとよいでしょう。

ケースB

1. 文法を学ぶ:未習文法を学ぶのに5時間
2. 重要単語を覚える:でる度Aを覚えるのに5時間
+ケースAの学習時間

未習分野の量によりますが、35~40時間程度を見込むとよいでしょう。

もちろん個人差もありますし、単語や英作文のように一度やっただけでは定着せず、時間のかかる項目もありますので、上記の時間はあくまで目安です。日頃、学校で英語の授業を受けている方は、その分、英語力が日々高まっているはずですので、個人学習にここまでの時間は必要ないかもしれません。逆に、社会人などで独学されている方は、十分な学習時間を確保できるよう、しっかり計画を立てることが大切です。

勉強法

単語

英検2級によくでる単語は、高校2~3年の教科書に出てくるレベルです。リーディングでは、一般向けの説明文(例えば、旅行者向けのガイドブックなど)を読めるだけの語彙が必要で、リスニング・ライティング・スピーキングでは日常生活レベルの語彙が必要です。よって、英検2級合格を目指すならば、リーディングに必要なレベルの単語を覚えることが中心となります。

また、筆記大問1では、20問中最初の10問程度が、単語の知識を問う問題となっています。出題されるのは動詞・名詞が中心で、形容詞・副詞もでます。よくでる単語を例に挙げると、encounter(~に遭遇する)、confidence(自信)、vague(あいまいな)などです。

参考書

おすすめの参考書は、『英検2級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、よく出題される単語を「でる順」に掲載した、リスト型単語集です。

勉強法

英検2級の過去問や予想問題を解いていく中で出会った知らない単語を、ひとつひとつ覚えていくのもよい学習法ですが、効率よく英検2級レベルの単語を学習するには、単語集『英検2級 でる順パス単』を使うことをおすすめします。

まず、単語集を「覚えている」「覚えていない」を仕分けるチェックリストととらえましょう。単語を覚えていくのはあと回しにして、単語集に載っている単語を覚えているか、覚えていないかだけを片っ端から、短時間で仕分けていくのです。単語集の見出し語にはチェックボックスがありますから、「覚えていない語にチェックを入れる」とルールを決めて(逆に覚えている語にチェックを入れてもかまいません)、チェックを入れていきましょう。すべての見出し語の仕分けが終わったら、次に、単語を覚えていく勉強に移ります。この方法の利点は、すでに覚えている語に時間を奪われず、覚えていない語を覚えることだけに集中できることです。勉強時間は有限ですから、できるだけ効率よく集中できる状況を作りましょう。見出しの横にある品詞や用例、派生語も併せて覚えると、単語力が格段にアップします。

単語を覚える際は、単語の音を聞く、実際に発音してみる、スペルを書いてみるなど、単語集を読むだけでなく、聞く・話す・書くなど、すべての技能を総動員することが大事です。単語集に掲載された語義や用例だけでは単語の意味がいまいち実感できない場合は、インターネットの画像検索でその単語を検索してみるとよいでしょう。その単語をイメージした画像が次々に出てくれば占めたものです。画像をサポートとして、単語の意味を頭にインプットすることができます。

英検2級の単語について、さらに詳しく知りたい方は、「英検2級英単語のレベルと単語力テスト」をご覧ください。

熟語

英検2級の熟語は、社会生活で必要なものが多く、高校2~3年の教科書に出てくるレベルです。

熟語の知識を問う問題は、筆記大問1の20問中7問程度とそれなりの分量があります。長文読解やリスニングでも熟語は多用されます。熟語を構成するそれぞれの単語は比較的優しくても、それらが組み合わさると特別な意味を持ちます。油断することなく、対策することが大事です。

大問1によくでる熟語を例に挙げると、bring up(~を育てる)、do away with(~を廃止する)、in place(あるべき場所に)などです。

参考書

おすすめの参考書は、単語集『英検2級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、単語だけでなく、よく出題される熟語も掲載しています。

勉強法

単語と同じく、覚えていない熟語と出会うたびにひとつひとつ覚えていくのもよい学習法ですが、やはり『英検2級 でる順パス単』を使った学習が効率的です。詳しくは、単語の項をご参照ください。

熟語を学習する上で特に重要なのは、声に出して覚えることです。例えば、「~を説明する」はaccount of だったかな? それとも account for かな? などと迷うことがあるでしょう。字面だけを眺めて覚えていると、前置詞などの細かい違いを忘れがちなものです。しかし、例文を声に出して読んで、複数の語のつながりを音で覚えておけば、前置詞なども口をついて、自然と出てくるようになります。声に出して読むことは単語でも大事ですが、熟語ではより一層、意識して学習するようにしましょう。

英文法

英検2級は、高校卒業程度のレベルです。登場する文法項目に、制限はもはやありません。文法はリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングのすべてにかかわりますので、万遍なく着実に理解しておく必要があります。特に筆記大問1では、文法そのものの知識を問う問題が3題程度、コンスタントに出題されています。出題される文法項目は多岐にわたりますが、最も頻度の高いものは時制で、分詞構文・文型・接続詞・助動詞が続きます。

参考書

おすすめの参考書は『英検2級 総合対策教本[改訂版]』です。各問題形式の解説に入る前に、文法項目の解説が例文とともに詳細に解説されています。英検2級合格に必要十分な範囲のみを解説しているので読みやすく、ぶ厚い文法書を傍らに置くよりも効率的に学習できます。また巻頭には、中学から高校までで習う文法事項を一覧できるポスターが付いています。自分が十分に理解できていない文法項目がないか総チェックするのに最適です。

勉強法

英検2級にはライティングやスピーキングも出題されます。従って、英文を読んだり聞いたりしたときに「あ、ここは何々の文法だな」と思い出して、内容を理解できる程度の文法知識では不十分です。話したり書いたりするためには、自分が英文を生み出すのに必要な文法を、記憶の中から即取り出せなくてはいけないからです。中学までで学ぶ基礎的な文法事項(現在完了、受動態、to不定詞、動名詞、分詞、関係代名詞、比較など)に、覚束ない点はありませんか。ある場合は、英検3級まで戻っておさらいしておく必要があります。そして、「この文法はこんなことを表現するときに使える」という視点で考え、「運用できる文法力」をつちかうよう心がけましょう。

ライティング・スピーキングの練習を積極的に行うことによっても文法は身に付きます。「こういうときはどんな風に書けばいいのかな?」と、日頃から文法を意識する習慣をつけることが大事です。苦手な文法項目は、英文の構造・ルールなどをよく意識しながら、例文をノートに書き写してみましょう。

また、リーディングやリスニングの学習をする際にも、フィーリングで理解するのではなく、英文を文法的に理解する習慣をつけるとよいでしょう。その積み重ねで、文法が自然と身についていきます。

長文読解

英検2級の長文読解では、社会性のある内容の文章を理解することができるレベルが求められます。

長文読解は、一次試験・筆記の大問2・3で出題されます。大問2はA、Bの2つに、大問3はA、B、Cの3つに分かれています。

問題長文の種類語数の目安設問数2A説明文270語程度32B説明文270語程度33AEメール230語程度33B説明文350語程度43C説明文350語程度5

合計1500語程度を、できれば50分ほどで解きたいところです。英検準2級の長文読解の英文が合計900語であるのと比較すると、分量がかなり多くなることがわかります。

説明文の話題は、社会問題・文化・歴史・生物・科学・テクノロジーなど、多岐にわたります。

参考書

長文読解を基礎から学びたい方には『英検2級 総合対策教本[改訂版]』がおすすめです。とにかくたくさんの英文を読んで演習したい方には、多数の問題が収録されている『英検2級 長文読解問題150』がおすすめです。

勉強法

英検2級の長文読解で大事なことは、文脈を素早く押さえることです。が、「分量も多いし、とにかく速く読まなくちゃ!」と焦るのもよくありません。英文をただ頭から速読するのではなく、Eメールはどのような形式で書かれるのか、説明文はどのような形式で書かれるのか、英文の構造の基礎をあらかじめ理解した上で着実に読み進めるのが、結果的に素早く文脈を押さえることにつながります。

例えば、説明文では次のようなパラグラフ展開になることがほとんどです。

①序論(Introduction)説明文のトピックを提示する導入部分。②本論(Body)トピックを具体例などを示しながら論じる部分。英検2級では1つか2つのパラグラフで構成されることが多い。③結論(Conclusion)説明文のまとめ。

続いて、各パラグラフの内部は次のような構造を持っています。

①トピックセンテンス(主題文)パラグラフの冒頭に置かれることが多い、パラグラフの全体像を示した文です。②サポーティングセンテンス(支持文)トピックセンテンスで提示した内容を、具体例や証拠を示しながら説明する文です。③コンクルーディングセンテンス(結びの文)パラグラフの最後に置かれる、結論にあたる文です。本論(Body)のパラグラフではしばしば省略されます。

これらを把握しておけば、わからない単語があるなどで、理解しにくい部分があっても、文脈を想像することができます。日頃、長文を読む際に、英文全体あるいはパラグラフ内の構造を意識するよう心がけましょう。

また、文脈の流れを把握する助けになる「つなぎ言葉」(シグナルワーズ、ディスコースマーカーなどとも呼ばれる)というものがあります。例えば、情報を追加することを示す in addition(加えて)、これまで述べてきたことと対照的であることを示す on the contrary(反対に)などです。これらの表現を知っておくと、次にどんな内容が述べられるか、把握しやすくなります。

英作文(ライティング)

英検2級の英作文(ライティング)では、社会性のある話題について書くことができるレベルが求められます。

英作文は、一次試験・筆記の大問4として出題されます。例えば「インターネットショッピングをする人は増えると思いますか?」など、社会的なトピックについて、自分の意見と、その理由を2つ、80~100語の英文(エッセイ)でまとめます。社会的な話題に日頃から関心を持ち、それに対する様々な意見を知っておくことや、説得力のある英文の書き方を身に着けておく必要があります。

参考書

英作文を基礎から学びたい方には『英検2級 総合対策教本[改訂版]』がおすすめです。問題演習には、英作文が合計4問収録されている『英検2級 予想問題ドリル[5訂版]』がおすすめです。

勉強法

英検2級の英作文は、自分の意見を書くエッセイ形式です。「自由英作文」と言われるものではありますが、説得力のある英文にまとめるには決まった形式があり、さほど「自由」ではありません。ですので、「いったいどう手を付けたらいいか分からない!」と途方に暮れる必要はなく、解答の手順や、理想とされる形式を知ることから始めましょう。

英作文の解答の手順は以下のとおりです。

  1. トピックに対する意見と、その理由を2つ、箇条書きなどでメモにまとめる

  2. メモに従って英文を書く。意見をトピックセンテンスとして、2つの理由をそれぞれサポーティングセンテンスとして書き、最後に意見を改めてコンクルーディングセンテンスとして書く

  3. 論理展開に矛盾がないか、文法やスペルミスがないか、を見直す

過去問や問題集の解答例をよく読み、英文がどのような構造になっているのか分析してみましょう。説得力のある英文がどのように構成されているのかよくわかるはずです。

解答時間の目安は20分です。上記の手順でいうと、1.のメモに5分、2.の英文を書くのに10分、3.の見直しに5分を配分するのが理想的です。当然ながら、英作文は経験がものを言います。時間内に英文をまとめあげる演習を数多くこなすようにしましょう。

また、扱われるトピックは、社会一般で話題になっていることですので、日頃から、新聞・ニュースなどに親しみ、様々な人の意見を知っておくと、書くことが思いつかなくて困ることはなくなるはずです。

英検2級の英作文(ライティング)について、さらに詳しく知りたい方は、「英検2級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ」をご覧ください。

リスニング

英検2級のリスニングでは、社会性のある内容を聞いて理解することができるレベルが求められます。

リスニングテストには、第1部、第2部があります。
第1部では、男女2人の会話が読み上げられます。同僚や友人同士、店員と客との会話など日常的な場面が中心です。
第2部では、50~70語程度の説明文が読み上げられます。ある人物についてのエピソードや、駅などの公共の場でのアナウンス、あるいは社会的・科学的なトピックが出題されます。

実際に音声を聞いてみて、英語が読み上げられるスピードを確認しましょう。

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(『英検2級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

参考書

リスニングを基礎から学びたい方は『英検2級 総合対策教本[改訂版]』がおすすめです。とにかくたくさんの英文を聞いて演習したい方には、多数の問題が収録されている『英検2級 リスニング問題120』をおすすめします。

勉強法

「リスニングが苦手だ!」という人の中には、文字に起こせるほど完璧に英語の音声を聞き取れなければいけない、と誤解している人がいます。しかし、リスニングテストが実際に求めている能力は、聞こえた音声から、会話の場面・状況を思い描いたり、英文全体の流れを把握したりする能力です。ですから会話文ならば、男女がどこで会話をしていて(オフィスなのか、路上なのか)、2人はどんな関係なのか(友人同士なのか、店員と客なのか)を素早く想像することが大事ですし、説明文ならば、時を表す言葉(two years ago, nowなど)やつなぎ言葉(but, thereforeなど)を聞き取り、話の展開を予測しながら聞くことが大事になります。過去問や予想問題で演習する際には、一字一句正確に英文を聞き取ることよりも、聞き取れた情報から会話の具体的な状況や、英文全体の流れを思い浮かべる練習をしましょう。

逆に、復習の際には、問題集の解答に記載された放送文のスクリプトと音声とを、一字一句比べるように聞き直してみましょう。スクリプトの文字と音声は一致するでしょうか。もし、文字を見たときに思い浮かべた音と、実際の音声とがかけ離れているように感じたら、それは、耳が英語の音声にまだまだ慣れていない証拠です。英語は、文字に書かれていても、とても弱く発音されてほとんど聞こえない部分があったり、隣の単語とくっついて一体になって発音される部分があったりします。こういった音声に慣れるためには、スクリプトを自己流の発音で読み上げるのではなく、リスニングの音声を聞こえたまま真似て発音する練習をするとよいでしょう。次第に、文字と音声との間の違和感がなくなっていくことでしょう。『英検2級 総合対策教本[改訂版]』にはそういった音声変化の特徴も解説されていますので、ぜひ参考にしてください。

旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検2級 予想問題ドリル[5訂版]』『英検2級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』などの音声を、スマホでいつでも気軽に聞くことができます。繰り返し聞いて、リスニング力を日々鍛えましょう!

英検2級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい方は、「英検2級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。

スピーキング(二次試験・面接)

英検2級のスピーキングでは、社会性のある話題についてやりとりすることができるレベルが求められます。

スピーキングテストは、二次試験において面接形式で行われます。
まず問題カードに記載されたパッセージの音読を求められ、それからそのパッセージに関する質問をされます。その後、問題カードに印刷されたイラストの内容を描写する問題が出されます。最後に、自分の意見などが質問されます。
取り扱う話題は、環境にやさしい素材、オンライン会議、屋上緑化、ペット産業、新しいエネルギー、サプリメントなどの社会問題です。日頃から、こういった話題に親しんでおくようにしましょう。

早く話す必要はありません。面接委員にしっかりと聞き取ってもらえるようにはきはきと話すことが大事です。

参考書

面接の流れをあらかじめ知っておけば、不安も解消! 10セットの練習問題に加え、面接をリアルに体験できる動画の付いた『10日でできる! 英検2級 二次試験・面接 完全予想問題[改訂版]』がおすすめです。

勉強法

面接の評価には、アティチュード(態度)という項目があり、積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲を示すことが大事です。具体的には、入退室のあいさつや、アイコンタクト、大きな聞き取りやすい声、黙り込まない、などです。実際に問題演習する際には、頭の中で答えを思い浮かべて済ますのではなく、面接の場面を想定した上で、しっかりと声に出して練習しましょう。先生や友人などに付き合ってもらうのもよい手ですが、ちょうどよい人がいない場合は、代わりにぬいぐるみを置くなどして、面接委員とのアイコンタクトのシミュレーションができるような環境を整えましょう。

面接の出題パターンはある程度決まっているので、参考書を使って問題演習をすることが最も効果的な対策になります。

英検2級の二次試験・面接について、さらに詳しく知りたい方は、「英検2級面接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。

過去問・予想問題

実際に試験を受けてみると、時間が飛ぶように過ぎてしまい、最後の問題までたどり着かなかった―そんな経験をしたことはありませんか? ほんの少し答えを悩んだつもりでも、驚くほど時間が経ってしまっていることもあります。試験当日、こんな失敗をしないためには、普段から実際の試験と同じ分量の問題を、時間内に解くトレーニングをしておくことが大事です。過去問や予想問題はこのトレーニングに最適な素材です。

参考書

近年の傾向を把握するためにも過去6回分の過去問を一次・二次試験ともに完全収録した『2022年度版 英検2級 過去6回全問題集』をおすすめします。一次試験直前の総仕上げには、筆記・リスニング合わせて4セット分の予想問題を収録した『英検2級 予想問題ドリル[5訂版]』がおすすめです。

勉強法

過去問や予想問題を解くときには、下記の「試験当日の試験対策/一次試験」の問題ごとの時間配分を参考に、各大問にどれくらいの時間をかけるか、決めておきましょう。大問がひとつ終わるごとに時計を見て、時間どおりに進められているか確認しながら解き進めることが大事です。時間内に問題を解き終わるためには、わからない問題に時間を割きすぎないことです。マーク式の部分であれば、あとで時間が余ったときに見直せるように問題冊子に印をつけた上で、マークシートには勘で答えを記入してしまいましょう。このように本番の試験と同じ気持ちで、過去問・予想問題に取り組むことが大事です。

答え合わせが終わったら、大問ごとに正解率が何パーセントであったのか、算出しましょう。合否判定はCSEスコアで行われるため、何問正解したら合格なのかははっきりしませんが、およその合格ラインは6割程度と予測されます。もし正解率が6割を切る大問があったら、それは苦手な問題ですから、入念に復習しましょう。『英検2級 総合対策教本[改訂版]』で苦手な大問の解説を読み、しっかりと基礎知識を固めるのもおすすめです。

試験当日の試験対策

試験会場に自動車やバイクで行くことは禁止されています。必ず、電車やバスなどの公共交通機関を利用して会場に向かってください。会場には早めに着き、トイレも済ませ、愛用の参考書で最終確認をしながらリラックスして試験開始を待ちましょう。

一次試験(筆記・リスニング)

一次試験は、筆記試験、リスニングテストの順で行われます。筆記試験開始前に、リスニングテストの音量チェックが行われます。リスニングテストの直前には音量チェックは行われませんので、音量が小さいなど聞こえづらい場合は、必ずこのタイミングで試験監督者に申し出るようにしましょう。

筆記試験は85分です。大問ごとの目標解答時間は下記のとおりです。

問題番号問題形式詳細設問数目標解答時間1短文の語句
空所補充短文または会話文の空所に、文脈に合う適切な語句を補う。2012分2長文の語句
空所補充パッセージ(長文)の空所に、文脈に合う適切な語句を補う。618分3長文の内容
一致選択パッセージ(長文)の内容に関する質問に答える。1235分4英作文指定されたトピックについての英作文を書く。120分

時折、時計を見て、進み具合を確認しましょう。試験には腕時計の携帯が許可されています(ただし、Apple Watchなどのウェアラブル端末の携帯は禁止されています)。

筆記 大問1:短文の語句空所補充

短文あるいは会話文の空所に、文脈に合う適切な語句を4つの選択肢から選ぶ問題です。20問のうち、10問程度が単語、7問程度が熟語、3問程度が文法を問う問題です。

例題:
空所にあてはまる語を選びなさい。

A: Have you seen Dave and Lisa lately? It seems like they’re spending a lot of time together.
B: I heard a ( ) that they are dating, but I don’t know if that’s true or not.1 proposal 2 question 3 rumor 4 thought(『英検2級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)答え:3

合格ラインの目安は、20問中12問正解です。空所の前後だけでなく、文全体を読み、正しく文脈を把握した上で解答しましょう。答えがわからない場合は、消去法を使って正解率を上げていきましょう。大問1は、悩んでも答えがひらめくことはほとんどないので、わからない問題は早々にあきらめて、長文読解に十分な時間を取るのが得策です。

大問1に限りませんが、わからない問題でも解答欄には答えをどれか記入しておきましょう。「英作文まで終わったら、大問1に戻ってマークすればいいや」と思っていても、実際には時間切れでマークができないこともありますから、ご注意を。

筆記 大問2:長文の語句空所補充

説明文の空所に文脈に合う適切な語句を4つの選択肢から選ぶ問題です。270語程度の英文が2つ出題され、英文1つにつき3問です。

例題:
空所にあてはまる語句を選びなさい。

Do You Mind if I Smoke?Will smoking be totally banned in restaurants in Japan? It’s hard to imagine it happening here, but it might be just around the corner. Drunken driving is ( ), but it wasn’t so long ago that people thought nothing of driving after having a few drinks. People realized that it was too dangerous to innocent citizens and now drunken driving is increasingly rare.(以下略)1 allowed in some areas
2 an essential skill
3 seen from time to time
4 no longer socially acceptable(『英検2級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より抜粋)答え:4

合格ラインの目安は、6問中4問正解です。英文の文脈の流れを問う問題です。英文全体を読むのが基本ですが、解答の際には、特に空所の前後の英文を注意深く読み込みましょう。つなぎ言葉(for exampleやhoweverなど)がヒントになることもあります。つなぎ言葉そのものが出題されることもありますので、いずれにせよ、つなぎ言葉をしっかり覚えておくことが大事です。

筆記 大問3:長文の内容一致選択

長文の内容と一致する文を4つの選択肢から選ぶ問題です。英文はA, B, Cの3つ出題され、Aは230語程度のEメールで3問、Bは350語程度の説明文で4問、Cは350語程度の説明文で5問です。

例題:
質問に対して最も適切な答えを選びなさい。

A Man-made FinAnyone who has been to an aquarium has probably seen a show with dolphins swimming in a tank, jumping out of the water, and performing tricks with a ball. Dolphins are well suited to life in the ocean. This is partly due to the fact that dolphins have a fluke, which is a tail fin. The fluke enables dolphins to swim fast and to stop abruptly. In fact, without it, a dolphin would have serious problems swimming.(以下略)Why is a fluke particularly important for a dolphin?
1 It gives them a feature similar to a fish.
2 It is the only fin that decreases strength.
3 It makes them adapt to different water.
4 It helps them swim in water.(『英検2級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より抜粋)答え:4

合格ラインの目安は、12問中8問正解です。英文の内容に合った選択肢を選びます。英文での登場順どおりに設問があることがほとんどなので、1パラグラフ読んだら1つ設問に答える、といった流れで答えていくこともできます。正解の選択肢は、本文の内容を別の表現で言い換えていることが多いため(別の言葉で言い換えることをパラフレーズと言います)、本文と同じ表現を使っているという理由だけで答えを選ぶのは危険です。本文と同じ表現を多く使っている選択肢は、むしろ警戒しましょう。

筆記 大問4:英作文(ライティング)

指定されたトピックについての英作文を書く問題です。意見とその理由を2つ、80語~100語の英文にまとめる必要があります。

例題:
●以下のTOPICについて,あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
●POINTS は理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし,これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
●語数の目安は80語~100 語です。

TOPIC
In some Japanese university programs, students must study abroad for one year. Do you think university students should study abroad?POINTS
・Cost
・Work
・Communication(『英検2級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より抜粋)

英作文は、下記の4つの観点から採点されます。それぞれの観点に0~4点が配点されており、合計16点満点です。合格ラインは、10点程度だと思われます。

①内容課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか②構成英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか③語彙課題に相応しい語彙を正しく使えているか④文法文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

与えられたトピックに合っているかどうかが最も大事なポイントです。問題を取り違えると0点になることもありますので、早とちりしないよう、慎重に問題を読みましょう。

語数の目安は80~100語となっていますが、この語数を多少オーバーしても解答欄の枠内に収まっていれば減点されません。試験時間が残りわずかだった場合は、慌てて語数を調整するより、スペル・文法のミスがないか見直すほうがよいでしょう。

英検2級の英作文(ライティング)について、さらに詳しく知りたい方は、「英検2級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ」をご覧ください。

筆記試験が終わると、続けてリスニングテストが行われます。

問題番号問題形式詳細設問数放送回数第1部会話の内容一致選択会話の内容に関する質問に答える。151回第2部文の内容一致選択物語文や説明文の内容に関する質問に答える。151回

問題文は1回しか放送されません。解答時間は、設問ごとに10秒間です。

リスニング 第1部:会話の内容一致選択

放送される会話の内容と一致する文を4つの選択肢から選ぶ問題です。15問出題され、会話と質問は1度しか放送されません。

例題:
会話を聞き、その質問に対して最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 There was no indoor swimming pool.
2 She had no time to go shopping.
3 She was unable to lose weight.
4 It rained all the time.[audio m4a="https://eigonotomo.com/wp-content/uploads/2017/10/2q_l1.m4a"][/audio](放送文)
A: How was your vacation?
B: Well, it rained almost every day.
A: Oh, that’s a shame.
B: Yeah, they had an indoor swimming pool but it was closed, so I spent most of my time shopping and eating. Now I’ve put on weight and I have no money!Question: Why is she not happy about her holiday?(『英検2級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)答え:4

合格ラインの目安は、15問中9問正解です。男女2人の会話の場面・状況を素早く把握するのが大事です。例えば、reservation(予約)と聞こえたら、ホテル・レストラン・航空機などの予約だと想像できます。また、2人の声のトーンから、親しい間柄なのか、見知らぬ人同士なのかもわかります。

リスニングテストの指示文が読まれている時間や、解答時間の余った時間などに、解答用紙に印刷されている選択肢を「先読み」することで、ヒントを得られる場合もあります。正解にたどり着けるように、あらゆる情報を総動員しましょう。

リスニング 第2部:文の内容一致選択

放送される英文の内容と一致する文を4つの選択肢から選ぶ問題です。15問出題され、英文と質問は1度しか放送されません。

例題:
英文を聞き、その質問に対して最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 Preparing for his classes.
2 Finding a place to live.
3 Cooking for himself.
4 Making new friends.[audio m4a="https://eigonotomo.com/wp-content/uploads/2017/10/2q_l2.m4a"][/audio](放送文)
Alan is getting ready for his first day at college. It’s his first time to live away from home. He’s already bought the books he needs for his classes. He’s also found a place to live near the college campus. He’s looking forward to making new friends, but he’s a bit nervous about having to prepare his own meals.Question: What is Alan worried about?(『英検2級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)答え:3

合格ラインの目安は、15問中9問正解です。説明文の聞き取りでは、英文全体の流れを追っていきましょう。時を表す言葉(two years agoやnowなど)や、つなぎ言葉(butやthereforeなど)を聞き取ることができれば、時の流れや論の展開を予測することができます。

リスニングにはかなりの集中力が必要です。解答に悩んだ場合でも、10秒間の解答時間のうちに答えをマークしてしまいましょう。次の問題の音声が流れたときには、前の問題のことは忘れて集中する方が高スコアにつながります。

英検2級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい方は、「英検2級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。

二次試験(面接)

二次試験の会場は、一次試験の会場とは異なりますので、二次試験受験票をよく確認しておきましょう。会場では、受付を済ませたら、控え室で待機します。長く待たされる場合もありますので、なるべくリラックスして過ごすようにしましょう。順番が近づくと、面接室の近くの席に案内されます。試験後は控え室に戻ることはできませんので、荷物はすべて持って移動しましょう。係員に入室するよう指示されたら、面接室のドアをノックして入室しましょう。入室の際は、Hello. などの挨拶を忘れずに。

問題番号問題形式詳細 音読60語程度のパッセージを読む。No. 1パッセージについての質問音読したパッセージの内容についての質問に答える。No. 2イラストの展開説明3コマのイラストの展開を説明する。No. 3受験者自身の意見を問う問題ある事象・意見について自分の意見などを述べる。
(カードのトピックに関連した内容)No. 4日常生活の一般的な事柄に関する自分の意見などを述べる。
(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)

面接試験にはアティチュード(態度)という採点項目があります。聞き取りやすい声ではっきりと話し、積極的にコミュニケーションしようとする姿を見せましょう。たとえ話す英語に未熟な点があったとしても、黙り込んだりせず自然に応答する方がプラスになります。

パッセージの音読

面接委員から手渡された問題カードに書かれたパッセージを音読します。

例題:
(問題カードに書かれたパッセージ)

Lack of Doctors and NursesThese days, the lack of doctors and nurses is getting to be more and more serious in Japan. Because of this problem, some people cannot receive emergency medical care and even lose their lives, and many doctors and nurses are overworked and exhausted. Therefore, efforts are being made to help increase their number. For example, medical colleges are increasing the number of their students.(『英検2級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

面接委員から問題カードを手渡されたあと、黙読に20秒与えられます。この時間内で、パッセージの内容をつかみ、単語の発音や、文の区切りなどを確認します。音読の際は、タイトルから読みます。パッセージの意味を考えて、強調すべき部分は強く、そうでない部分は弱く、抑揚をつけながら読むように心がけましょう。

No. 1 パッセージについての質問

音読したパッセージの内容を問う問題です。

例題:
According to the passage, why are medical colleges increasing the number of their students?

解答例:Because they want to help increase the number of doctors and nurses.(『英検2級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

問題カードを見ながら答えることができます。質問にはwhy(なぜ)やhow(どのように)がよく使われるので、パッセージの中に「理由」や「方法」について書かれた部分があったら、要注意です。解答するときは、パッセージの言葉を代名詞に置き換えるなど、質問に対する適切な答えになるように言い換えましょう。

No. 2 イラストの展開説明

問題カードにかかれた3コマのイラストの展開を説明する問題です。

例題:
Now, please look at the picture and describe the situation. You have 20 seconds to prepare. Your story should begin with the sentence on the card.

(問題カードにかかれたイラスト)
解答例:
One day in the hospital, Mr. Yamamoto was talking with a nurse. The nurse said to him, “Please push this button whenever you want to call me.” A few hours later, Mr. Yamamoto pushed the button because he wanted to go to the bathroom. The nurse noticed the call for help. After a short time, the nurse brought a wheelchair. Another nurse helped Mr. Yamamoto into a wheelchair.(『英検2級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

イラストを見る時間は20秒間です。この間に、どう説明するかを考えます。問題カードに指定された文で話し始める必要があります。状況・登場人物のせりふ・心理描写を各コマ2文程度でまとめるようにしましょう。コマとコマの間の矢印には、時間経過や場所の変化を示す英文が書かれていますので、これらも必ず説明に盛り込みましょう。

No. 3, 4 受験者自身の意見を問う問題

受験者自身の意見を問う問題です。No. 4では、問題カードのトピックに関連性のない事柄について問われることもあります。

例題:
No. 3
Some people say that doctors give too many types of medicine to their patients. What do you think about that?

解答例:I agree. I think some kinds of medicine are unnecessary. We are paying money for something that we don’t really need.No. 4
Today, some schools tell their students not to bring cell phones to school. Do you think it is a good idea?
(Yes.と答えた場合)Why?
(No.と答えた場合)Why not?No.と答えた場合の解答例:
Students need cell phones to contact their parents after school. Teachers just need to tell the students not to use a cell phone during class.(『英検2級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

No. 3の質問の前に、まず問題カードを裏返すように指示があります。No. 3以降は、問題カードがヒントになる質問ではありませんので、面接委員の目を見て答えるようにしましょう。No. 3もNo. 4も、ある考えについての賛否を問われますので、賛成か反対か、YesかNoか、自分の立場をはっきり述べましょう。その後に、2文程度でそう思う理由を述べます。

質問が聞き取れなかった場合には、自然な会話の流れの中であれば、Pardon? やExcuse me? などと聞き返しても減点はされません。ただし、質問の中の単語の意味を面接委員にたずねても教えてはくれませんので、見当がつかない場合は聞き取れた語の話題について、当てずっぽうでもいいので答えてしまいましょう。黙り込んでしまうとアティチュードの評価に悪影響を与えますし、Pardon? を繰り返していると聞き取れないと判定されて、次の質問へ移られてしまいます。

英検2級の二次試験・面接について、さらに詳しく知りたい方は、「英検2級面接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。

まとめ

英検2級の全貌が把握できたでしょうか? 英検は問題形式が決まっていますので、ひとつひとつの形式をよく把握しておけば、それぞれの正解率を上げることができます。合格ラインは6割程度。地道な対策が合格のカギです。合格を目指してがんばってください

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