まぶしい動画を観た
辻ちゃんのYouTubeがすごすぎる。
ねぇ、みんな辻ちゃんのYouTubeを観たことがあるんだろうか。
辻ちゃんていうのは、もちろん元モーニング娘。の辻ちゃん。
私が以前に家事的なYouTubeをいくらか観た結果のサジェストなのだろうか、辻ちゃんの土曜日のモーニングルーティーン、というのがおすすめ動画に上がってきた。
どれ、とひらいてみれば、冒頭２分くらいで洗顔（ちゃんとヘアターバンをつけて！泡で！！）と歯磨きを済ませて、顔面にパックを張り付けて、前日から漬け起きしておいてあったらしい上靴を２足洗っていた。
朝からあわあわでお顔を洗っているというだけで、驚愕するのに、流れるように上靴を洗ってパックまでしていた。
まず、前日に漬け起きしているという点で信じられない。
だって翌日の自分のやる気を完全に信頼できているということ。すごくない？私できない。
明日の私がちゃんと洗うかどうかなんて保証のしようがなくて、漬け置きするのが恐ろしい。漬け置いたそれが漬け置かれたまま月曜日になるリスクが私を脅かす。
そして、さらに言うなら、上靴を洗うには丸一日くらい決心する時間が必要。土曜の朝から洗うなんて、いつ上靴を洗う決意を固めているんだろう。
そして、あろうことか辻ちゃんは、手短に上靴を洗った後、洗面台も洗って、シンク周りに消毒らしきものを吹き付けて、さっと拭きあげたあと、
「流れで鏡も拭きました」
と言った。今まで生きてきて、なんかの流れで鏡を拭いたことなんて一度もない。鏡を拭くときは心の底から覚悟を決めて自尊心を高めまくって、拭く。拭いた後もしばらく自分を褒める。なんかのついでで拭けるほど私のフットワークは軽くない。
私だったら鏡を拭くだけでひとつ動画をつくってしまうよ。そして、鏡を拭いただけなのに、コメント欄でさんざん褒められようとしてしまうよ。
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寝室で泣いた末っ子を迎えに行って、おんぶして、おんぶしながらパックを外し、辻ちゃんは、キッチンへ。
まず、食洗器から前日の洗い物を取り出す。えらい。
なにも困っていないのに、つまり食器が足りないとかそんな事態にまだ直面してもいないのに、食洗器から食器を出してぜんぶ仕舞っていた。
キッチンの作業台の上も何かしらをシュッと吹き付けて、とても慣れた手つきで素早く磨いていた。
ナレーションの辻ちゃんは「軽くお掃除します」と言っていた。「軽く」と「お掃除」が相容れる世界に生きている辻ちゃんを心底尊敬する。「お掃除」という存在自体がひとつも軽くないというのに。
こんどはワンちゃん2匹に朝食を。辻ちゃんには食べさせるべき口が7つ（4人のお子さん、夫、ワンちゃんが2匹）もある。
私は、家事のほとんどは食事の支度だと思っていて、なんだかそこに妙な責任を感じている部分があって、いつだってその食べ物が運ばれていくお口のことを考えてしまう。
つくっているときも、買い物をしているときも、何もしていないときも、私は家族の口について考える。私が向かう先は5つ（子が3人、夫、猫1匹）のお口だ、という思いがいつだってある。
5つでもじゅうぶんに多いと思うのだけど、辻ちゃんには向かうべきお口が7つもある。
自分のお口の存在を忘れちゃったりしないかしら。心配。
途中、日課だというコーヒーを一息飲んだ辻ちゃんの首元に何かが見える。
ああ、湿布であるよ。湿布薬が貼られてあった。どうか、抜群に効いてほしい。私の湿布薬の薬効を少し辻ちゃんに分けてあげてちっとも構わない。
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朝食にフレンチトーストとシチュー、それに果物を提供した辻ちゃん。
寒い日だったからって土曜の朝からシチューをこさえる辻ちゃんの真心が沁みてくる。
バタバタと家事と子どもの世話を済ませる辻ちゃんは、洗濯機が壊れているという事情で、大量の洗濯物を抱えて、もちろん小さいお子さんを連れて（震える）、コインランドリーへ。
もうなにがどうなっているのか。
辻ちゃんには心臓が8つくらいあるんだろうか。なんで動悸とか息切れとか、心肺機能に支障が出ないんだろうか。若いころに、モー娘。時代に、ダンスで鍛えたからなんだろうか。とにかく強い。ぜんぶが強いよ。
因みに、コインランドリーへ行く前に、すでに前日のカレーをカレーうどんへと変身させていた辻ちゃん。お昼ごはんだってぬかりない。
ああ、なんて慌ただしくも華麗な半日なのだ。
私がいちいち、大袈裟に嘆いたり自画自賛するあれこれを、流れるように済ませていく鮮やかな動画だった。とても清々しかった。
言うまでもなく、これは、母とはこうあるべきだよね、というたぐいのお話ではちっともなくて、辻ちゃんが頑張り屋さんで機転の利く聡明な人間であるよ、というお話。
辻ちゃんが動画の中でやっているほとんどは、私にも同等に課されているのに、私の腰はうんと重くて、あんな風にはとてもできない。
できたらいいのにと思うし、指先ひとつでぜんぶぜんぶ、もう全部、片付いてしまえばいいのにな、と思うけれど私の指先にはそんな力もポテンシャルもないわけで。だからね、冒頭2分で私の半日くらいの労力を軽々超えていく辻ちゃんを見ていると、とっても爽快でもある。
頑固な便秘を抱えている人が、スルーラックのCMで腸を流れる便を見て、爽快！って疑似体験しちゃう感じ。分かるよね？
このように。
尊くて眩しくて、爽快な辻ちゃんのYouTube動画を、お時間の許す人は観てほしい。爽快をお届けしたいし、辻ちゃんを労う人がこの世にひとりでも増えたらいいと思う。
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諸々、記事が公開になって久しいのだけど、とりあえず直近のものを。
お年玉を使ってお買い物に出かけたお話。
なにを買うのか、子たち各々、とても興味深くて楽しかった。
また読みにきてくれたらそれでもう。