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当事者とその他の人間の壁

目が覚めたらば、1人だった。
周りを見渡すとかわいい犬がいた。

ああ、僕にはかわいい犬がいた。よしよし。

そうか、うつ病だった!
うつ病と生きてた!そうそう。僕はうつ病と生きる青年さんだった。

マジでお疲れ様、今日も一日が始まってしまった。


うるせぇうるせぇ
「病気を理解してもらえない」
「発達障害を理解してもらえない」

叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ生きていくために

口に出さすに叫ぶ


僕は普段は精神疾患、認知症、発達支援などを行う仕事をしている。
僕の中には感情輸入というものはない。
それは入職当初からだったと思う。

そこには壮絶な人生を歩んできた人のことを理解することなんて到底できるわけがない。おこがましい。
相手からすればウザいだけだろう。そう思っていたから。

「わかるわかる」「あーなんか分かるぅ」

共感はすれば良いと言われているが、これは例外である。お前に何が分かる?
私の俺の人生を一緒に生まれた瞬間から24時間付きっきりで歩んできたんけ??


ある日、僕はうつ病になった。

それは突然の辛い辛い日々の始まりだった。
来月から人生厳しいよ〜とか教えてくれてたらこころの準備はできていたのに。
当日その日に伝えられた。

"え〜、あなたの人生は今ここで終わりで〜す"

仕事柄、支援する側でありながら精神疾患当事者にもなった。両方側の人間になった。


ご飯食べない眠れない寝たきりの日々の中で瞬間瞬間にいろんなことをした。
もがいたんだと思う。死にたくて死にたくて、死ぬためにもがいた。

死んだ目をして、数分の頭が動く時間に本を読み、ネットで検索をかけていろんな情報を取り入れた。


最近になってまハッキリしたことがある。

それは
当事者とその他の人間の壁は分厚いということ。

巨人の侵入を防ぐウォールマリアなんてダテじゃない。


それはとてつもなく高く、雲を突き抜ける。

壁を言語化してみた。

その名も『ウォールランゲージ』
略して『ウォーージ』



《当事者側の気持ち》
・理解してもらおうとしたけど冷たくされた
・甘えや怠けと吐き捨てられた
・そんなこともあるよ〜とか言われた
・いじめられた。見下された。馬鹿にされた
・協力してくれない
・大人も見て見ぬふり
・勝手な意見だけ押し付けて去る奴ばかり
・どうでもいい、めんどくさい、おもんない
・死ね、みんな死ね
・そして世界は滅びろ

《その他の人間の気持ち》
・理解しようとしたけど悪態をつかれた
・元気そうにしてるのを見てると大丈夫かと思う
・私も僕も似たような悩みはあるからなぁ
・社会で生きていくには多少仕方ないよ〜
・協力の仕方がわからん。そこまで余裕ない
・他人にまで気を遣えない。残業みたいなもん
・私の僕の意見は正しいっつうか一般論だよ
・どうでもいい、めんどくさい、おもんない
・死ぬなんて言うな!生きてこそだろ!
・世界は優しいよ、みんなと生きてるんだよ♪


これだけ相反するギャップがある。

思いやりが届かない↔︎思いやりが受け入れられない

理解したい
↔︎理解できるわけねぇ

生きてたら良いことあるよ
↔︎生きててもつまんねぇ


これを客観的に見て、果たして理解し合えることはできるのだろうか??

思いやりが重い槍になるなんて。


ひとつ言えるのは
巨人が壁を突き破って侵入してきたのは、鎧の巨人が助走をつけて突撃したから。

分かり合えるわけなく人間を喰らい尽くしたが…。


つらつらと書いたが、どうでもいい。
でもやっぱり聞けば聞くほど当事者の人の苦悩や苦しみは1時間聞いただけで分からない。

ただ、想像はできる。
『想像力』は経験値と知識の結晶でレベルが上がる。


僕はこの想像力を今レベルアップさせている。


相手を理解するには、自分を理解する必要がある。
このくそめんどくさい工程をほとんど誰しもがやらない。だってめんどくさいもん。
利益にならないし、自分が一番だし。ね。

それでいいと思う。


所詮、人は人、他人は他人の人生だろう。


僕は所詮他人の人生を聞きながら想像できる。
それだけの人間だ。


納得したら死ぬし、死んだら死んだでお疲れさん。

ひと休みして、ひとしきり泣いて。
偉かったね。

知らんけどよく頑張ってきたんでしょう。
僕も頑張ってきたよ。なんか台無しになったけど。


死ねなかったから、生きてる。
じゃあ生きてるからおもしろいことやりたいな。

できっこないをやらなくちゃってサンボマスターが言ってたよ。


2021.11.1 うつ病と生きる青年

(あけおめ)


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