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転職したら旧姓と新姓のどちらを使うのか

転職を決意し、さて履歴書を書き始めようと思ったときのことです。最初の一文字でつまづいてしまいました。ここで始めて気づいたのが、名字をどうするのか問題です。

私の名前なのに、私に選択肢がない!?

私は旧姓が"半田"、結婚し本名は”木村”です。前職は13年間勤め、その間に結婚をしたので、結婚後も名前を変えず、"半田"でやってきました。ただしこれは、同じ会社の中で、途中で名前が変更した場合の話。新たな場所でスタートするのであれば、「名前変えなくちゃいけないの?」という義務感にかられます。早速ググってみると、こういった記述を発見。

基本的には今の姓を使うべき
履歴書に名前を書く場合には、基本的に結婚後の姓を記入するのがマナーとなっています。(省略)名字が変わっても以前の姓で働きたい場合には、志望先の上司などに相談してみましょう。(抜粋:「就活市場」履歴書に旧姓はNG?転職時に注意するべき履歴書の書き方

さらに調べると、旧姓を使っている人は8割とか、1割とか、旧姓使用を認めている会社が約半数とか、いろんなデータが出てきます。どちらの名前を使うのかは、自分に選択肢があるものだと思っていたけど、あくまで主導権は会社にあり、相談ベースが基本、使えない可能性もあるのだと実感します。自分の名前なのに、自分ひとりで決められないということに寂しさを覚えます。

名前への愛着に気づく

会社内やプライベートでも、”はんちゃん” ”はんさん”などニックネームで読んでもらうことも増え、社外の挨拶では名刺を渡し、facebookでも名前を使い、私は"半田"として認知されてきました。新姓を使うことで、今までの自分の歴史を上書き保存する感覚に、何とも言えない違和感を感じます。もちろん、新姓の名前が嫌いというわけではなく、新しい家族とのつながりを感じることができるし、結婚したときも大きな不都合はありませんでした。新姓を使いたい人は使うほうが良いし、そのほうがスムーズです。ただ私にとっては、仕事上の名前を変えるというのが、こんなにも違和感があるのだと始めて感じます。思ってた以上に名前に愛着があるのだと気づきました。

そこで、転職したばかりの友人に話をすると、「うちの会社はビジネスネームOKだよ」という返答が。なるほど、ビジネスネームという捉え方があるのだと知ります。芸名やペンネームなど、本名の他に名前を持つ人は、才能を持ち合わせた人に限るという思い込みをなんとなく持っていた私は、ハッとします。旧姓か新姓かという二極の考え方ではなく、ビジネスネームという中間枠を設けることで、名前をうまく共存させるバランスを心の中で保つことができました。

旧姓をすんなり受け入れてくれる会社で働きたい

考えがまとまるといつの間にか、転職活動の中で、ビジネスネームを受け入れる会社であるか、というのが会社選びの一つの基準になっていました。旧姓を使うことは、人事の方にとっては非常に手間ですし、使い分けが必要なことで、会社としては面倒なことが多いと思います。

5社程度話を聞いた結果、すべての会社でビジネスネームOKでした。「旧姓を使っても良いでしょうか?」と恐る恐る聞くと、皆さん「使ってらっしゃる方もいますし、大丈夫ですよ」とのこと。考えすぎだったのかと拍子抜けでしたが、ないがしろにはできないことだと思っています。

名前の重要度がもう少し上がっても良いのでは?

ここでは、夫婦別姓を強く唱えたり、フェミニズム論を語りたいわけではありません。ただ、名前に対する扱いを軽視していたり、深く考えていない人や会社がいれば、残念に思います。

名前はアイデンティティの話につながりますし、個人の選択肢を受け入れる多様性の話でもあります。この名前への考え方は、会社の姿勢や文化を映すひとつの事例だなと。個人的な転職経験を通して、もう少し重要度をあげて語られても良いことなのかなと思いました。


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