人の脳内理解と他者への情報伝達について

1. 文章はデジタル?アナログ?

現実世界のデータはアナログ、コンピュータで扱うデータはデジタル。

単に「文字情報」と捉えれば書籍の情報そのものはデジタル情報の性質を持ちます。
劣化なく後世に伝えられる性質はデジタル情報の特性そのもの。
文書による技術の伝承、その積み重ねによる技術発展。これらは情報がある程度正確に伝わることにより成し遂げられています。

近年のデジタル技術は文字だけでなくより多種の大量の情報に対して劣化なく保存し続けることができるという点が大きな特長ですが、その利点は書籍などによる情報伝達で得てきた利点と同質のものです。

2. 理解はデジタル?アナログ?

人間の脳は現実の世界に存在するもの。現実世界の情報はもちろんすべてアナログです。
したがって脳内での理解ももちろん「アナログ」ということになります。

3. 脳内での事象理解について

脳内理解について、以下のようなことが起こっているのではないかと推測しています。

(1) 概念のブラックボックス化
(2) 概念間の関連の定義
(3) 1と2を組み合わせてさらにブラックボックス化
(4) 2 に戻り延々と。(ブラックボックスとブラックボックスを組み合わせたブラックボックス)

この「概念」は個人の脳の機能差や経験により構成されるため、個人ごと差があります。
「関連」もまた経験により脳内に記憶づけられるもので、この認識もまた個人ごとに差が生じます。これらの差異が情報伝達時のエラーの原因となるとともに、時には新発見を生む契機にもなるものと思われます。

4. 人に情報を伝える際に気をつけていること

3 の状況を想定すると伝えたい内容が正確に伝わらないのは当たり前といえるでしょう。
より多くの人が近い認識をできている概念を使って表現した文章であれば、より多くの人に伝わりやすい文章になると想定されます。
ただし使える概念が制限されることにより「伝えたいことを全部書けない」という問題も起こるでしょう。

欲張って広い範囲により細かい情報を伝えようとしても支離滅裂な文章になり伝わらない。

完璧を目指すと何も伝わらない。このことは意識しておく必要があるように感じています。

伝える対象を想定し、その人たちと近い意味で共有できている概念を使って表現する。これを意識できれば私ももう少し情報を広く伝えられるようになるのかなと思います。

まだまだ鍛錬が必要ですが。
この文章もうまく伝えられているのかあまり自信がない状況だったり。